Trademark Appeal Case
「左」の識別力と称呼判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90360(T2005−90360/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4856518号商標(以下「本件商標」という。)は、「左小信」の漢字を横書きしてなり、平成16年8月16に登録出願、第8類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年4月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第814862号商標(以下「引用商標」という。)は、「小信」の漢字を縦書きしてなり、昭和43年2月21日に登録出願、第13類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年4月22日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「左」の文字は、刃物業界では左刃の彫刻刀などの商品に慣用的に広く使用されているものであるから、識別力がないか、又は、極めて弱いものであり、それを外した「小信」の文字部分に自他商品識別標識としての機能を有し、本件商標からは、「コノブ」の称呼をも生じるものである。
そうとすれば、本件商標は、「コノブ」の称呼を生ずる引用商標と該称呼を同一にする類似の商標であり、それぞれの指定商品も同ー又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する各文字は、それぞれ、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもって外観上まとまりよく不可分一体に表現されており、これより生ずる「ヒダリコノブ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、申立人の提出に係る証拠(甲第3号証の1ないし第3号証の3)によるも、左利き用の彫刻刀などの商品が存することは認められるにしても、これを表す商標に「左」の文字が慣用的に使用されていることを認めるに充分なものとはいえず、他に、構成中の「小信」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ヒダリコノブ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「コノブ」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「コノブ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが該称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は、見出せない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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