Trademark Appeal Case
結合商標の称呼一体性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90385(T2005−90385/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4858707号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコポッカイロ」の文字を標準文字で書してなり、平成14年3月6日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成17年4月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標の構成中「エコ」の文字は、「環境に配慮した」などの意味を有する「エコロジー」の略語として広く認識されており、指定商品との関係においては、単に商品の品質を表す部分にすぎず、要部は「ポッカイロ」であるため、本件商標からは「ポッカイロ」の称呼を生ずる。
これに対し、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「ホッカイロ」の文字を書してなり、昭和54年6月22日に登録出願、同58年8月30日に設定登録され、指定商品については、平成16年7月14日に第4類、第5類、第8類、第11類、第16類及び第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品に指定商品の書換登録がされた登録第1607833号商標、同じく別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成10年5月13日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同11年8月20日に設定登録された登録第4306504号商標、及び、同じく別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成12年7月21日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同13年9月21日に設定登録された登録第4507653号商標(以下、これらの登録商標を表示した順に「引用商標1」「引用商標2」のようにいい、一括していう場合は「引用商標」と総称する。)からは、「ホッカイロ」の称呼を生ずる。
よって、本件商標は、引用商標と語頭音における「ホ」と「ポ」の差異のみの明確に聴別することのできない称呼上類似の商標であり、両商標の指定商品についても類似している。
(2)引用商標1は、申立人の商品「使い捨てカイロ」の商標として、遅くとも1995年にはきわめて広く知られ、現在も継続して周知・著名の状態にあるため、本件商標は、申立人との間において出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)本件商標は、構成中に「エコ」の文字を包含し、該文字は「環境に配慮した商品」を容易に認識させるものであり、また、本件商標の指定商品中「使い捨てカイロ」にあっては、カイロ内部の黒い粉を土に還せるようにした商品が存在しており、指定商品中「環境に配慮した使い捨てカイロ」等、環境に配慮した商品以外については、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「エコポッカイロ」の文字よりなるところ、該文字は、標準文字をもって同じ書体、同じ大きさで一連に書されており、その全体より生ずる称呼も「エコポッカイロ」とさほど冗長なものではなく一気に称呼し得るものである。そして、申立人の主張するように、「エコ」の文字が「環境に配慮した」などの意味を有する「エコロジー」の略語として広く認識されており、また、「ホッカイロ」の文字からなる引用商標1が申立人の商品「使い捨てカイロ」の商標として取引者、需要者の間に広く認識されている点を考慮しても、本件商標の係る構成においては、全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、その全体の構成文字に相応して「エコポッカイロ」の称呼のみを生ずるものというべきである。
してみれば、本件商標より「ポッカイロ」の称呼をも生ずるとし、その上で本件商標が引用商標と称呼において類似である旨主張する申立ての理由は妥当でなく、該理由をもって両商標を類似の商標とみることはできない。
他に、両商標を類似の商標とすべき事由は見いだせない。
(2)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人の業務に係る使い捨てカイロの「ホッカイロ」は、昭和54年に発売され、その後テレビを通じて広告宣伝するなどして、現在に至るまで高いシェアーを維持し、販売数も、個数にして年間8000枚から1億2000枚に達しており、申立人の使用す
る「ホッカイロ」の文字からなる商標は、使い捨てカイロの商標として取引者、需要者間に広く認識されているものと認められる。
しかしながら、本件商標は、上記のとおり引用商標と類似する商標ではな
く、本件商標と引用商標間に誤認混同を生ずる理由は見いだせないといわざるを得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者がこれより「ホッカイロ」の文字からなる引用商標1を連想、想起するとはいえない。
してみれば、本件商標は、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。
(3)以上からすると、本件商標は、その構成中に「エコ」の文字を有するものであるとしても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものと認められる。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第16号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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