Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90389(T2005−90389/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4859878号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年2月18日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同17年4月22日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
(1)登録第2416172号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DELICE」の欧文字を書してなり、昭和54年9月20日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成4年5月29日に設定登録され、その後、指定商品について、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録が同14年4月24日にされたものである。
(2)登録第2476704号商標(以下「引用商標2」という。)は、「デリス」の片仮名文字を書してなり、昭和61年4月18日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、その後、指定商品について、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録が同16年1月28日にされたものである。
(以下、「引用商標1」及び「引用商標2」を一括して、単に「引用商標」という。)
2 理由の要点
本件商標は、引用商標と「デリス」の称呼において類似する商標であり、その指定商品も引用商標の指定商品を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
第3 当審の判断
本件商標は、別掲に示したとおり、チョコレート菓子と思しき図形の表示された長方形を基調とする図形内に、左上方部から中央部にかけて余白部を設け、該図形のほぼ中央上部に、「Kinder」の文字と「delice」の文字(「e」の文字の上部にはアクサン記号が付されている。該文字については以下同じ。)とを、色彩を異にし、かつ前者の文字に較べて後者の文字を大きく表してなるものであり、これら文字部分のみを抽出して両文字を対比した場合には、必ずしも一体不可分の構成よりなるとのみ認識されるともいい得ないものである。
しかしながら、これらの文字は、長方形を基調とする図形内のほぼ中央部にまとまりよく配されており、しかも、仏語の「delice」の文字自体が「恍惚とした喜び(を産むもの)」を意味し、その形容詞である「delicieux(se)」の語も「(非常に)おいしい」を意味するものとして、その用例に「gateaux[repas]〜大変おいしい菓子[食事]」と記載されおり(甲第4号証)、本件商標の構成における「delice」の文字は、必ずしも、自他商品の識別標識として強い識別力を有するものとはいい難いものである。
そして、申立人も述べているように、商標権者は「Kinder」の文字をチョコレート菓子のシリーズブランドとして使用していることが認められるから(甲第5号証及び同第6号証)、これらを併せ考慮すれば、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、「Kinder」と「delice」の両文字の全体を一体不可分の構成のものと認識し、あるいは「Kinder」の文字部分をその商品の代表的出所標識と認識して、これらの文字をもって取引にあたる場合があるとしても、「delice」の文字部分のみにより取引にあたるものとはいえないものである。
してみれば、本件商標中の「delice」の文字部分も独立して自他商品の識別力を有し、「デリス」の称呼をも生ずるものとし、その上で本件商標は引用商標と称呼において類似するとする本件登録異議の申立ての理由は妥当でなく、この理由をもって両商標を類似のものとすることはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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