Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90468(T2005−90468/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4875223号商標(以下「本件商標」という。)は、「キャノーラ」と「CANOLA」の文字とを二段に横書きしてなり、平成16年12月9日に登録出願、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年6月24日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2448071号商標(以下「引用商標」という。)は、「CANALI」の文字を横書きしてなり、平成1年9月19日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、その後、平成15年7月16日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録異議申立の理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標より生ずる「キャノーラ」の称呼と引用商標より生ずる「キャナーリ」の称呼は、調音の方法等を同じくする「ノ」と「ナ」、「ラ」と「リ」の差異を有するにすぎないものであるから、全体の語調、語感が近似し、称呼上類似するものである。
また、両商標は、欧文字の綴りにおいて、「CAN」及び「L」の配置を同じくするばかりでなく、いずれも「A」を含んでいるから、外観上の印象もきわめて近似している。さらに、本件商標の指定商品中、第25類「被服」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の業務に係る商品「紳士服」、その附属品である「シャツ類、ニット類、ネクタイ、ベルト、靴下、革靴」及び「スポーツウェア」について使用され、本件商標の登録出願前に世界的に著名なものとなっていたものであるから、引用商標に類似する本件商標をその指定商品中の第25類に属する商品について使用した場合は、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(3)むすび
以上のように、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「キャノーラ」と「CANOLA」の各文字を二段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「キャノーラ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を想起させない造語よりなるものと認められる。
これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「CANALI」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、特定の読みをもって親しまれた成語とは認められないが、「ca」を「キャ」と発音する用例が多いところから、全体として、「キャナーリ」と称して商品の取引に当たる場合も少なくないとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成文字より、「キャナーリ」の称呼が生ずるものであって、特定の観念を想起させない造語よりなるものといえる。
そこで、本件商標より生ずる「キャノーラ」の称呼と引用商標より生ずる「キャナーリ」の称呼を比較するに、両称呼は、後半部分の音構成において、「ノーラ」と「ナーリ」という顕著な差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、両商標は、称呼上互いに相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標は、その構成前記のとおりの片仮名文字と欧文字とを二段に横書きしてなるのに対し、引用商標は、その構成前記のとおりの欧文字よりなるから、両商標を全体的に観察すれば、外観上明らかに識別できるものであり、たとい、本件商標構成中の欧文字部分をとって、これと引用商標とを比較してみても、両者の欧文字6文字のうち、その構成後半部分において、前者が「OLA」、後者が「ALI」との綴り字の差異を有するものであって、その差異は通常の注意力をもってすれば判然と識別できるから、両商標は、外観上互いに見誤るおそれはないものである。
さらに、前記認定のとおり、本件商標と引用商標は、いずれも造語よりなるものであるから、観念上比較することはできず、類似する点はないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品「紳士服」、その附属品である「シャツ類、ニット類、ネクタイ、ベルト、靴下、革靴」及び「スポーツウェア」について使用され、本件商標の登録出願前より世界的に著名なものとなっていたものである旨主張する。
しかし、申立人の提出に係る証拠(甲各号証)によって、本件商標の登録出願前に発行したと認め得るものは、申立人のカタログ(甲第3号証ないし甲第6号証)及び外国語で書された記事(甲第9号証)のみならず、商品総売上高(甲第31号証)及び広告宣伝費(甲第32号証)にしても、わが国において、本件商標の登録出願前に引用商標を使用した商品がどの程度宣伝広告され、どの程度販売されたのかの点は不明といわざるを得ないものである。そうしてみると、これらの証拠をもってしては、引用商標が申立人の業務に係る商品「紳士服」等を表示するものとして、本件商標の登録出願前よりその需要者の間に広く認識されていたということは困難である。
そして、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、商標それ自体が非類似のものであることも考慮すれば、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想するようなことはないというのが相当であるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、当該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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