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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90494(T2005−90494/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4874776号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4874776号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年4月1日登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同17年6月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議申立の理由に引用する登録第3309523号商標(以下「引用商標」という。)は、「EDITION」の欧文字を書してなり、平成6年8月2日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類」を指定商品として、同9年5月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件商標は、別掲のとおり、「Another」及び「Edition」の欧文字を上下二段に、中心部が上下に開くようにやや湾曲した形で構成したものであるから、これは二つの語を同書、同大に一連に書す、いわゆる結合商標といえるものではないことは明らかであり、しかも、前述のとおり、その中心部が上下に開いていることから、上段の「Another」の文字とは別に、下段の「Edition」の文字が明瞭に印象づけられるものである。

また、称呼において、本件商標の一体の称呼「アナザーエディション」は、前半の「アナザー」と後半の「エディション」の間に段落を有する称呼で、決してスムーズな称呼といえるものではない。

さらに、観念において、本件商標は、上下一体にした「Another Edition」で特定の観念を直感するものではないことは明らかであり、観念としては、形容詞の「Another」より、後にくる名詞の「Edition」がより印象強くなることは疑問の余地のないところである。

したがって、結合商標の原則に当てはまらない本件商標は、外観上、また称呼上及び観念的にも「Edition」の文字部分が称呼、観念されることがあるのはごく自然なところであって、これを常に上下一体にのみ称呼、観念しなければならない特段の理由は何ら存在しないところである。まして、迅速を尊ぶ取引界においては、省略して称呼し、観念されることが多いことは一般取引の経験則の示すところであって、省略される場合、「Edition」が称呼又観念的に強くなる本件商標は、「エディション」と略称され、「(初版・再版の)版」の観念を直感させることは明らかである。

これに対して、引用商標が「EDITION」の欧文字から「エディション」と称呼され、「(初版・再版の)版」の観念を有することは、多言を要しないところである。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼、観念において相紛れる類似のものであり、かつ、本件商標の指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標を登録時の平成9年から、自らが企画、販売する商品「シャツ、スカート、パンツ、ジャケット、コート、ブルゾン、袋物類、アクセサリー、シューズ」等に付して使用しており、同14年3月からは、「大人のカジュアル」を提案しようとの趣旨で、「カジュアル・アップ」をキーワードに商品の展開を企画し、引用商標を付した商品をメインにして販売する直営店を設立し、店名も「Edition」として、申立人の主力の部門となっているものである。

しかして、引用商標は、その商品の優秀なこと及び店舗のコンセプト・感性の評価により、又ファッション雑誌や一般雑誌等による広告、宣伝並びに紹介記事等により、「Edition」といえば、申立人が前記商品に使用する商標又はその商品を販売する店名として、店舗がある東京、名古屋、京都、大阪等を中心として全国的に取引者や同業者及び需要者の間に広く知られている商標である。

したがって、前記のとおり、引用商標に類似する本件商標をその指定商品について使用した場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。

(3)むすび

以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」について、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり、「Another」の欧文字と「Edition」の欧文字(前者は、後者に比して、やや大きく表されている。)とをそれぞれ湾曲させて、全体として横長楕円形様に配してなるところ、該各文字は、同一の書体をもって表されており、かつ、「Another」の頭文字「A」と「Edition」の頭文字「E」とは共通のデザイン化が施されていることから、その文字配置と相俟って、視覚上、一体的なものとして看取、把握されるとみるのが自然である。

また、本件商標の構成全体から生ずる「アナザーエディション」の称呼も、よどみなく一連に称呼することが困難なものとはいい得ず、さらに、本件商標を構成する「Another」及び「Edition」の各文字は、前者が「もう1つの(人・物)」等の意味を、後者が「(本の)版」等の意味を、それぞれ有する英語として一般に広く慣れ親しまれているものであって、その構成全体として「もう1つの版」といった意味合いを容易に想起させ得るものである。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応する「アナザーエディション」の称呼及び「もう1つの版」の観念を生ずるとみるのが相当である。

他方、引用商標は、上記2(1)のとおり、「EDITION」の欧文字を書してなるものであるから、これより「エディション」の称呼及び「版」の観念を生ずるものである。

そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、非類似の商標であって別異の商標として認識されるものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者及び需要者が引用商標を連想、想起するようなことはなく、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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