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Trademark Appeal Case

著名略称の商標登録可否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90625(T2004−90625/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4784901号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4784901号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、やや図案化した「DFO」の欧文字3字及びその態様から5人の女性ミュージシャンのシルエットと看取し得る図形を背景的に描いた構成からなり、平成15年11月13日に登録出願され、第18類「かばん類,袋物,傘,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、平成16年7月9日に設定登録されたものである。

2 本件商標に対する取消理由

当審において、平成17年11月30日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。

(1)登録異議申立人「財団法人ヤマハ音楽振興会」(以下「申立人」という。)より提出された証拠(甲各号証)によれば、申立人が1998年に行ったオーディション(甲第5号証)により選ばれたバイオリンパート3名に、キーボード及びドラムをパートとする総勢5人編成の音楽演奏グループを1999年に結成し、その音楽演奏グループの名称(芸名)を「Digital Future Orchestra」と申立人自らが命名したこと、また、同グループは、結成以来、その頭文字をとって「D.F.O」(デフォー)又は「DFO」の略称を使用し、日々の積極的かつ全国にわたるコンサート・ライブ等の演奏活動が実を結び今や、5人全員が音大出身で、実力抜群、そして美人揃いの新しいインストゥルメンタル(軽音楽で、歌唱のない器楽だけの演奏)を追求している音楽演奏グループとして人気となり、音楽専門誌はもとより、全国紙をはじめ、各種の新聞、雑誌等に報道され、テレビの音楽番組(題名のない音楽会21)等に出演するなどしてきた結果、音楽ファンはもとより広く一般世人に認識されるに至ったことを認めることができる(甲第6号証、甲第7号証、甲第10号証ないし甲第96号証)。

してみると、同音楽演奏グループが1999年の結成以来、今日まで日本において音楽演奏グループの名称(芸名)「Digital Future Orchestra」と共に「D.F.O」(デフォー)又は「DFO」の略称をもって活動をし、その活動を取り上げた全国紙を含む新聞・雑誌その他アルバム、コンサート宣伝用ポスター等によりすれば、「D.F.O」又は「DFO」の欧文字自体が上述の女性音楽演奏グループの名称(芸名)の著名な略称ということができる。

(2)ところで、商標法第4条第1項は、商標登録を受けることができない商標を各号で列記しているところ、同項第8号は、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定しており、その趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち,人は,自らの承諾なしにその氏名,名称等を商標に使われることがない利益を保護されているのである。また、いわゆる権利能力なき社団が、同号の「他人」に含まれると解すべきことは、東京高等裁判所における判決(平成10年(行ケ)380号)で示されているところである。

(3)そうすると、本件商標は別掲のとおり、やや図案化した「DFO」の欧文字3字を顕著に表していること、また、背景の女性ミュージシャン5人のシルエット図形からは、中央の3人がバイオリン奏者であること、その向かって右の者は左手にスティックを持つところからドラム奏者であること及び向かって左の者は右手で恰も鍵盤を奏でる仕草からキーボード奏者であることを把握でき、その構成からは、上述の5人編成の音楽演奏グループを容易に認識させるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、他人の名称(芸名)の著名な略称を含む商標であって、その他人の承諾を得ているとの証左も見出せないから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものである。

(4)さらに、欧文字「DFO」は、上記認定のとおり、当該音楽演奏グループのCDの販売やコンサート・ライブ等の演奏活動において使用されているものであり、申立人の特定商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標といえるものであって、これと「DFO」の欧文字3字を顕著に表してなる本件商標とは類似の商標とみて差し支えないものである。

そうしてみると、商標権者は、本件商標が申立人の業務に係る特定商品又は役務を表示するものとして広く認識されている商標と類似のものであることを承知のうえ、当該商標の顧客吸引力に便乗し不当な利益を得る等の目的のもとに出願し、権利を取得したものと推認せざるを得ないところであって、本件商標の使用により当該商標の出所表示機能を希釈化させたり、その名声等を毀損させるおそれがあるから、本件商標は、不正の目的をもって使用する商標に該当するというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものである。

3 当審の判断

商標権者に対し、上記2の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記2の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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