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Trademark Appeal Case

アクアの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90041(T2005−90041/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4811698号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4811698号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクア」及び「AQUA」の文字を上下二段に書してなり、平成16年2月24日に登録出願、第25類「爪先保護用の先芯を内装した作業靴及びその他の履物」を指定商品として、同年10月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点

本件商標は、上記1に示したとおりの構成よりなるところ、これより「アクアビクス用の、水中運動用、水中・浴中歩行訓練用」等の観念を生ずるものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。

また、前記語意に照応しない商品に使用されると、その商品の品質について誤認せしめるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要旨

当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成17年10月27日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。

(1)本件商標構成中の「AQUA」の文字は「水、液」等の意を有し、また、「アクア」と読まれる語であることは広く知られているところである。しかして、本件商標の構成はいずれも上記意味合いの語の片仮名文字と欧文字とをもって表したものと理解される。

そして、登録異議申立に係る証拠によれば、プール(水中)での運動及び歩行訓練のためのシューズについて「アクアシューズ」と表記する例が多数あることが認められる(甲第2号証ないし同第15号証)。そして、「アクアビクス等、水中での運動に最適な、高機能アクアシューズ」との記載とともに、シューズの図の上に「フィットネス」や「トレーニング」と同様に、「アクア」の表示があることが認められる(甲第4号証)。また、シューズについて「アクアシューズ」と表示するほか、「アクア用シューズ」(甲第8号証)、「アクア・メンズ」及び「アクア・レディス」(甲第15号証)との表示がなされていることが認められる。

(2)そうしてみると、商品シューズについて、「アクアシューズ」の文字が頻繁に使用され、また、それを表すために「アクア」「アクア用」の文字も同時に使用されているから、本件商標をその指定商品中「水中運動及び歩行用のシューズ」に使用しても、これ接する取引者・需要者は、当該商品の品質、用途を表わしたものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としては認識せず、また、これ以外の商品について使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見の要旨

上記3の取消理由に対する商標権者の意見は、要旨次のとおりである。

(1)本件商標は、「水、液体」の観念を有し、「アクア」と称呼されることは否定しないが、だからといって、その指定商品の品質や用途を表すものとは認められない。

前記の観念及び称呼が生ずるとしても、「AQUA」の文字の単独、及びこれと「アクア」の文字の組み合わせによる他の商標登録例(3件)が存在し、これらの指定商品は、いずれも繊維製生地や被服の品質として、防水、撥水などが要求されることがあり、「水や液」に関係する指定商品を含むものである。

以上より、本件商標は、商品の品質、用途を表示するものではなく、他の登録例を勘案しても識別力を備えていることから、商標法第3条第1項第3号には該当しない。

(2)本件商標は、「水中運動及び歩行用のシューズ」以外の商品に使用するときは、品質について誤認を生ずるものと認定しているが、前記シューズは、運動専用に使用されるものと認められ、本件商標で使用する「作業靴をはじめとする一般的な履物」とは異質のものと思われる。

すなわち、「水中運動及び歩行用のシューズ(短冊番号:24C01)」と「作業靴をはじめとする一般的な履物(短冊番号:22A01、22A02、22A03)」は、「類似商品・役務審査基準」(特許庁編)における短冊番号(類似群)が異なり、しかも、両商品の流通経路、販売店及び購入者が共通するものとはいえない。

以上より、本件商標をその指定商品に使用しても、何等商品の品質について誤認を生ずるものではないことから、商標法第4条第1項第16号には該当しない。

5 当審の判断

(1)前記3において記載したとおり、登録異議申立に係る証拠によれば、商品シューズについて、「アクアシューズ」の文字が頻繁に使用され、また、それを表すために「アクア」「アクア用」の文字も同時に使用されている事実が認められる。

以上の事実からすれば、本件商標をその指定商品中「水中運動及び歩行用のシューズ」に使用しても、これ接する取引者・需要者は、当該商品の品質、用途を表わしたものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としては認識せず、また、これを前記以外の商品について使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

(2)ところで、商標権者は、前記4において、本件商標が「水、液体」の観念を有し、「アクア」と称呼されることを否定しないものの、その指定商品の品質や用途を表すものとは認められない旨、及び他の商標登録例の存在を示し、本件商標も識別力を備えている旨主張している。

しかしながら、本件商標が、上記法条に違反して商標登録されたものであることは、登録異議申立に係る証拠に基づき、個別具体的に行った前記認定のとおりであって、他の登録例の存在に左右されるものではない。

(3)さらに、商標権者は、「水中運動及び歩行用のシューズ」と「作業靴をはじめとする一般的な履物」は、異質なものであって、「類似商品・役務審査基準」における短冊番号(類似群)が異なり、しかも、両商品の流通経路、販売店及び購入者が共通するものとはいえないから、本件商標をその指定商品に使用しても何等品質について誤認を生ずるとは思われない旨、主張している。

しかしながら、前記の「水中運動及び歩行用のシューズ」は、主目的が「水中運動及び歩行用のシューズ」等であるものの、その他、ビーチ、岩場、プールサイド、浴室タイル面等の滑りやすい場所に適した履き物でもあることは、以下の(ア)ないし(オ)における甲各号証の記載からも認め得るものであって、「作業靴をはじめとする一般的な履物」とは、その流通経路、販売店及び購入者も通常の運動靴、作業靴、短靴等の靴類のそれと共通にする場合が少なくないものとみるのが相当であり、これらの観点からして、特に異質なものとも、また、短冊番号(類似群)が異なるものともいい得ない。

したがって、本件商標をその指定商品に使用する時は、その商品の品質の誤認を生じさせるおそれが十分にあるものといわなければならない。

ちなみに、「水中運動及び歩行用のシューズ」とほぼ同目的、同機能を有すると思われる「海浜用靴」も、上記理由から「作業靴をはじめとする一般的な履物」と同一の短冊番号(類似群)を付した運用を行っている。

(ア)甲第5号証...アクアシューズは、プール(水中)でのエクササイズやウォーキングする時に、プール底から足を守るシューズとして最適です。すべりにくさ、...動きやすさを十分に考慮した仕様...また、ビーチや岩場を歩くときに活躍する、シューズとサンダルを兼ね備えたフットウエァとしてもいうことありません。

(イ)甲第6号証...アクアシューズは衝撃吸収性、安定性、屈曲性、水抜きのホール、グリップ性に優れ、プールサイドでの動作をしっかりサポートいたします。...アクアゾーンでもその高機能性、安全性、快適性を発揮します。

(ウ)甲第10号証...水中・浴中歩行訓練用 海水浴・釣りなどのアウトドアレジャーにも最適!...フローリングの床や浴室のタイル面またはプールサイドでも滑らず、水中・浴中歩行訓練の時、...海水浴の砂浜、釣りの岩場などアウトドアライフにも最適。

(エ)甲第11号証ないし同第14号証...<アクアシューズ>は、プール(水中)でのエクササイズやウォーキングする時に、プール底から足を守るプール専用シューズです。すべりにくさ、履きやすさ、動きやすさを十分に考慮した仕様になっています。

(オ)甲第15号証...グリップ性(滑りにくさ)が好評。水抜きのホールでプールサイドの動作も快適です。...プールサイドでの足元をしっかりサポート。

(4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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