結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30390(T2005−30390/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4512290号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ZAIA」の文字を標準文字としてなり、平成12年8月11日に登録出願、第42類「建築物の設計,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究」を指定役務として、平成13年10月5日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
本件商標の商標登録原簿謄本写によれば、専用使用権者、通常使用権者の設定登録はなされていない。
(2)弁駁
ア 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人においてその請求に係る指定商品または指定役務のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
イ しかるところ、答弁書および乙第1号証ないし同第5号証のいずれにおいても、本件商標を本件審判請求に係る指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用していることについて、被請求人は何ら証明するところがない。
ウ また、被請求人は、本件商標を使用していないことについての正当な理由を明らかにしていない。この点、商標法第50条第2項にいう「正当な理由」とは、天災地変や時限立法により商標の使用が不可能である場合等、商標権者の責に帰すことができない事由が存する場合に認められるものであるところ、被請求人が答弁書で述べる不使用事由、すなわち被請求人の業務多忙等が、同項にいう「正当な理由」に該当しないことは言うまでもない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、ロボット開発の理念を標章する戦略的商標である。被請求人が全指定役務の実務能力を総体的に訴求する広告及び自社のコーポレート・アイデンティティ(C・I)としてのホームページ(URL:http://www.zaia.co.jp)は、「電子計算機プログラムの設計・作成又は保守」実施例として掲載するもので、長年使用するものであるから、専用使用権者及び通常使用権者の設定登録が無いのは当然のことである。したがって、「使用された事実が存しないものであるから」とする請求人の本件審判請求の理由はこの広告の意味を認知しないか故意に無視するもので、緒より審判請求ありきのシナリオに基づく根拠ある空論であり、詐欺の行為の疑いあるものである。
そこで、被請求人としては、本件事件はその経緯からして請求人及び代理人によって、予め謀議されたものではないかとの証左があるので、不本意ながらそれを論証したく、証拠方法に基いて検証する。
(2)被請求人は、約1年5カ月前の平成15年12月19日付配達の第1回書簡「乙第1号証」を代理人より受けており、それには請求人の名はなく、代理人による本件商標の指定役務一部自発放棄を請求する内容が記されていた。
そこで被請求人としては、名も知れぬ請求人に対して、どう答えたものかと迷ったが、この際無用の紛争を回避したく、請求人をA社と仮称し、本件商標に係る戦略的理念及び指定役務について言明する第1回返書「乙第2号証」を代理人に送付した。
ところが、平成17年4月25日(21日付)、代理人より第2回書簡「乙第3号証−1及び同2」が配達され、第1回返書「乙第2号証」に対する回答かと見れば、請求人の請求理由を一方的に述べ、既に審判請求した旨通知する、それも第1回書簡の体を成すものであった。そこで、被請求人としては「乙第2号証」に本件商標に係る戦略的理念及び指定役務「ロボット開発」について表白言明してあるにも関わらず、予告なく、それも18日遅れの通知を受けたとあっては「請求書副本の送達通知」も遅からずと考え、この14日後の同年5月9日付審判を受けて立つ旨記載した第2回返書「乙第4号証」を代理人に送付した。
よって答弁のため、代理人の第1回書簡「乙第1号証」及び第2回書簡「乙第3号証−1及び同2」を比較検証するに、「乙第1号証」には、(当所No.:8036024)とあるに対し、「乙第3号証−1」には(弊所Ref.8036024)とあり、妙にも数番はどちらも「8036024」と同じ数字であった。
(3)となれば、これの意味するところは一つ、代理人の第1回書簡「乙第1号証」は誤配であり、したがって、被請求人の第1回返書「乙第2号証」は、その誤配に基いて差し出された返書であり、所内弁理士のいずれかの錯誤により紛失確認できないものとする、との抗弁の用意に係るものと認知したが、果たして「請求書副本の代理人欄」を確認するに当初より連名の弁理士並川鉄也氏が除外されていた。つまり被請求人が差し出した「乙第2号証」の証拠目撃者と推定される者は本件審判請求人の代理人たりえないものと認識しているが氏が除外されたその正当な理由の説明なくして被請求人としては答弁に迷うものである。
(4)更に「乙第3号証−1」を検証すれば、代理人の言に「パームワン社の把握しております限りでは、貴社の業務は主として土木・建築設計に関するものであり『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』については『ZAIA』商標を使用しておられないようにお見受けします。」とあり、頭語のパームワン社が三人称であるに対し、結語は「お見受けします。」と一人称表記になっている。頭語のパームワン社が三人称主語であれば文脈は「把握しておられる限り(調査の結果)では」とする三人称解釈も可能となり、結語は当然「お見受けできるとされます。」または「お見受けされるとのことです。」となり、責任の所在が三人称と明確になるべきところ、「パームワン社の」以下は述語が一貫して一人称であり代理人の主観ではないかとの疑念を抱かせるものである。よって被請求人としては請求人及び代理人のいずれの調査に基づく言であるのか文法的に確定し難い述語になっており、本件審判の請求理由(責任の所在)が不明確であり、予め争点を予断し難く、答弁に苦しむものである。
よって、「乙第1号証」及び「乙第2号証」並びに「乙第3号証−1及び同2」交換の経緯を総括勘案し、交換順に論ずるなら、請求人及び代理人は第1回書簡「乙第1号証」に対する被請求人の「乙第2号証」において、本件商標に係る戦略的理念及び指定役務「ロボット開発」の表白を受けたことは図らずも被請求人において、本件審判請求の正に3年以内に本件商標及びその指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」が使用された事実を目撃確認した証人となるべきところのものであるが、これでは緒より審判請求ありきのシナリオが崩れることを意味するもので、これを無きものにするため、「乙第1号証」(当所No.:8036024)を「乙第3号証−1及び同2」 の (弊所Ref.8036024)に改竄して「乙第1号証」をパソコンソフトから消去または一から書き換えるなどの作業に着手する一方、被請求人が差し出した「乙第2号証」の証拠は見当たらない、あるいは本件審判請求書の代理人欄から除外された弁理士並川鉄也氏の錯誤または「乙第1号証」誤配の失敗を隠匿するため氏自ら破棄したので確認していないなどと「君側の奸」更迭の偽装の下、緒より審判請求ありきのシナリオ再編成に約1年3ヶ月の冷却期間を要し、今回の第2回書簡「乙第3号証−1及び同2」が請求日平成17年4月7日の18日後、同年4月25日に遅配されるよう操作して被請求人に対する特許庁よりの「請求書副本の送達通知日」同年5月19日を接近させて「乙第3号証−2」にあるように代理人への返答を迫る一方、審決を待たずして請求を取り下げる用意があると仄かし、被請求人がそれを問えば、答弁書を提出しないのが取り下げの条件、提出すれば裁判になるなどと称しては、被請求人をして錯誤に陥れ、答弁書提出の機会の逸失を画策するといったあわよくば、職権により標的の本件商標の指定役務一部取消、撃墜させ、万一撃墜に成功せずとも、これによって事後の和解交渉に情状酌量の余地を温存することも可能という手の込んだもので、因みにその成功報酬の根拠は(両罰規定)商標法第82条の2項に記載の1億円以上とされるのが業界の常識であるとのことである。したがって、被請求人としては平成17年5月9日付「乙第4号証」を代理人に送付し、審判は受けて立つ旨通知したので、請求人及び代理人において本件審決を待たずして取り下げることを認めないものである。
(5)ともあれ、被請求人は目下「乙第4号証」に記載のLNGプラント設計の受注を抱えており、指定役務に係るロボット開発には向う一年間専念できないものであるが、本業務もまた被請求人の指定役務と密接に連関する業務であり、秘匿契約であるため、発注元及び受注部分については公表できないが、本LNGプラントの設計そのものも指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に係って電子計算機において設計されている。本指定役務の保有(実務能力)があればこそ発注元より発注されたものと推定するのが論理的に妥当である。そして更に被請求人は該プラント設計終了後を睨んで「乙第5号証」に関する業務提携契約を締結しており、該役務について一部取消を受けることは業務上も不都合であり、容認できない。
(6)そして何より「乙第2号証」並びに「乙第4号証」は「乙第5号証」の業務提携に係る当社社外戦略室長遠藤孝利が被請求人より聞き取り作成した文書であり、本件商標が正に本件審判請求の3年以内に指定役務について使用され、請求人及び代理人に文書送付された事実を目撃確認しているもので、証言に立つ了解あるものである。よって本件審判は緒より成立し得ないものである。
また仮に、本件商標が指定役務に対して使用された使用例がことごとく認定されないとしても、商標法第50条の2項の規定により、不使用の正当な理由による「乙第4号証」に記載の役務に忙殺されるもので、特許出願を待たずして軽々に取消されるべきものではないと信ずるものである。
最後に被請求人の調査によれば、請求人の商標「ZIRE」の「PDA」は現在本邦においては販売されていないとのことである(販売店調べ)。よって、被請求人の本件商標による実害が殆んど無い請求人の請求理由及びその真意が理解できない。
以上、証拠方法に基づいて(1)ないし(6)を論じてきたが、審決を待たずしての取り下げを仄かす、本件審判請求はレトリック(修辞)であり、詐欺罪に相当するから、刑事告発されるべきものであり、被請求人の許可なく審決前に取り下げた場合は、それに承服したものと見なされるから本件審判は成り立たないものである。
(1)商標法第50条第1項による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人において、その取消請求に係る指定役務のいずれかについて当該登録商標の使用をしていることを証明するか、または使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、同条第2項の規定により、その登録の取消しを免れないものである。
(2)本件審判は、本件商標の指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、その登録の取消しを求めるものであるところ、被請求人の提出した乙各号証によっては、前記役務について本件商標が使用されていたことを証明するものがなく、他にこれを認め得る証左は見いだせない。
すなわち、乙1号証は、請求人代理人から被請求人に宛てた本件商標権についての一部放棄を要望する内容の書面であり、同第2号証は、乙1の書面に対する被請求人の回答である。そして、同第3号証は、請求人代理人から被請求人宛ての、本件商標の不使用取消審判を請求した旨の書面であり、同第4号証は、乙3の書面に対する被請求人の回答である。また、同第5号証は、被請求人と件外第三者との業務提携契約書であるところ、「ZAIA」がマルアール(「○」の中に「R」の文字)の記号とともに記載されているのが認められるけれども、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に関するものとは認められない。
いずれをもってしても、本件審判請求の登録前3年以内において、本件商標が、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について使用された事実を証明するものとはいえない。
(3)さらに、商標法第50条第2項ただし書の「正当な理由」があるというには、天災地変に遭遇した場合のような、商標権者において登録商標を使用できなかったことが真にやむを得ないと認められる特別の事情が具体的に主張立証される必要があると解される。
被請求人は、「LNGプラント設計の受注を抱えており、指定役務に係るロボット開発には向う一年間専念できないものであるが、本業務もまた被請求人の指定役務と密接に連関する業務であり、秘匿契約であるため、発注元及び受注部分については公表できないが、本LNGプラントの設計そのものも指定役務『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』に係って電子計算機において設計されている。本指定役務の保有(実務能力)があればこそ発注元より発注されたものと推定するのが論理的に妥当である。そして更に被請求人は該プラント設計終了後を睨んで『乙第5号証』に関する業務提携契約を締結して」いる旨の主張をしている。
しかしながら、かかる被請求人の主張及び上記乙各号証によっては、商標権者の責めに帰することのできない特別の事情があったと認めることはできず、また、他に上記特別の事情を認めるに足りる証拠もない。
(4)以上、被請求人は、本件商標を「電子計算機のプログラムの設計・作
成又は保守」について使用していることを証明するところがなく、使用をしていないことについての正当な理由を明らかにしたものとはいえない。
したがって、本件商標の指定役務中結論掲記の指定役務についての登録は、取消しを免れないものである。
なお、被請求人は、審理終結通知後に答弁書を提出しているがその内容によっても、本件商標が請求前3年以内に日本国内において請求に係る指定役務について使用していることを証明していないから、審理再開の必要は認めない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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