結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30949号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1998517号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和60年11月5日に登録出願され、「エクセローン」の文字を左横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和62年11月20日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
(1)請求人が知る限り、本件商標は、継続して3年以上、その指定商品中「薬剤」について日本国内で商標権者により使用された事実がない。
また、本件商標が「薬剤」について、専用使用権者または通常使用権者により使用されていることを推認する根拠もない。
したがって、本件商標の指定商品中「薬剤」について継続して3年間本件商標が使用されていることを証明し、または証明されていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきである。
(2)平成10年11月12日付けの審判事件答弁書に対して次のとおり弁駁する。
被請求人提出の製品ラベルには、この商品は「芝専用の着色剤で、運動場、公園、ゴルフ場等の芝の休眠時に使用することにより、自然の色彩を蘇生させる」ものであると記載されている。すなわち、これは「物を着色する化学的製品」であると想像される。そうとすると、これは、例えば、染料、顔料、または塗料の一種ではないかと思われる。さらに、同ラベルには「固着性、耐久性に優れており、使用後、降雨による流亡又は、日光による退色等が少なく、長時間、着色効果を維持します」との記載もあるので、もっと具体的には、この商品はおそらく芝(物体)の表面に塗布すると固化し塗膜を形成して、茶褐色化した枯れ草を緑色に保つ働きをする「塗料」の一種であると解釈せざるを得ない。
そこで、前記のような性能、機能をもつ「芝用着色剤」が、昭和34年法の商品区分における「薬剤」の範疇に属していたと判断できるか否かが問題となる。
すなわち、「薬剤」に属すべき商品は、薬事法にいう「医薬品」の大部分とすべての農薬であるとされている。問題の商品は明らかに「医薬品」ではない。また、「農薬」とは、農薬取締法の定義によれば『農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進または抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤』である。被請求人の「芝用着色剤」がこのように定義される農薬に属するとは到底考えられず、現に、被請求人のこの「芝用着色剤」が農薬取締法に基づいて登録されているという事実も発見できない。
なお、請求人の調査によれば、上記「芝用着色剤」と実質的に同一または同種の商品ではないかと思われる商品について、例えば米国における商標登録(出願)例中に以下のような指定商品の表現が散見され、いずれの場合も国際分類では第2類「塗料」に分類されていることが判明したので、参考までに以下にその抄訳を記載する。
(イ)米国商標登録第968940号 TURF GREEN(図案化商標)
国際分類: 2(塗料)
米国分類: 16(皮膜、装飾用塗装)
商品(サービス):芝および芝地の着色用のアクリル性エアゾル剤
(ロ)米国商標登録出願番号75−540,514(1998年8月21日出願) MAKERS OF THE WORLD’S FAVORITE COLORS
国際分類: 1(化学品)
T&T国際分類: 2(塗料)
米国分類: 1、5、6、10、26、46
T&T米国分類: 14
16(皮膜、装飾用塗装)
商品(サービス):農産物に使用する着色剤および特殊化学品、...
農業用レーキ顔料、芝用および木用の塗料、...
以上を要すると、被請求人が本件商標を使用していると主張している商品は、請求人が取消しを求めている指定商品中に含まれるとする根拠がないので、被請求人の主張ならびに証拠は採用されるべきではない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として製品ラベル及び第40期ないし第42期報告書を提出した。
(1)本件商標「エクセローン」は、被請求人本人により、緑化関連薬剤(芝用着色剤)として、昭和62年より、本件答弁書提出日に至るまで、主に日本国内のゴルフ場、サッカー場等のスポーツターフを中心に、芝用着色剤として継続的に販売している。
本人による本件商標の使用の根拠として、製品ラベルを、また、継続して3年以上使用している根拠として、決算報告書の写しを連続3年分を提出する。よって本件商標の登録の取消審判は成立しないものと確信する。
(2)平成11年2月12日付けの審判事件弁駁書に対して次のとおり答弁する。
▲1▼当社は緑化関連の薬剤、資材等の販売会社で、当社商品は市場において緑化関連の薬剤又は資材として、ユーザー及び取扱関係業者から広く認識されている。
▲2▼一般的に着色するにあたっては、動物、植物(芝)に用いられるものが薬剤で、無生物に用いられるものが塗料と解釈されている。
▲3▼芝用着色剤は、市場において塗料という概念がなく、緑化関連薬剤として位置づけられている。
▲4▼単に芝の表面に散布するだけでなく、芝を霜害から守る薬理作用も有する薬剤である。
▲5▼農薬の重複散布を避ける散布識別剤(補助剤)とても使用されている。
▲6▼多くのユーザーに農薬と同様に薬剤として、管理、取り扱われている。
よって本商品「芝用着色剤」は指定商品の薬剤に含まれるものと確信する。
被請求人の提出に係る製品ラベルによれば、被請求人が使用しているとする商品「芝用着色剤」(以下「使用商品」という。)は、1.芝専用の着色剤で、運動場、公園、ゴルフ場等の芝の休眠時に使用することにより、自然の色彩を蘇生させます。2.固着性、耐久性に優れており、使用後、降雨による流亡又は、日光による退色等が少なく、長時間、着色効果を維持します。とその特長が記載されているように、その使用商品は芝を着色するものであると認められる。
しかして、被請求人は、「当社は緑化関連の薬剤、資材等の販売会社で、当社商品は市場において緑化関連の薬剤又は資材として、ユーザー及び取扱関係業者から広く認識されている。一般的に着色するにあたっては、動物、植物(芝)に用いられるものが薬剤で、無生物に用いられるものが塗料と解釈されている。芝用着色剤は、市場において塗料という概念がなく、緑化関連薬剤として位置づけられている。多くのユーザーに農薬と同様に薬剤として、管理、取り扱われている。」等と説明し、使用商品が「薬剤」の範疇に含まれるものである旨主張しているが、その主張を裏付ける例えば使用商品が農薬取締法に基づいて登録されている等の事実を何等示していないから、上記のとおり使用商品が芝を着色するものであると認められるとしても、使用商品は、請求に係る商品「薬剤」の範疇に属する商品であるとは認められない。
してみれば、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「薬剤」についてその登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。