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Trademark Appeal Case

「味の定番」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−13594(T2004−13594/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「味の定番」の文字よりなり、第30類「穀物の加工品」を指定商品として、平成15年4月18日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、『味の定番』の文字を普通に書してなるところ、これを本願指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に『それぞれの食品の味の種類の中で定番の味である商品』程度の意味合いを認識、理解するに止まり、結局、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、以下の1ないし3の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、証拠調べの結果を通知し、期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは何らの意見もない。

1 「味」の語の有する意味について

(1)「広辞苑(第五版)」(株式会社岩波書店発行)には、「あじ【味】(1)飲食物が舌の味覚神経に触れた時におこる感覚。(2)体験によって知った感じ。(3)(かみしめて知るような)物事のおもむき。(4)(一風かわって)快いさま。気のきいているさま。おつ。(5)手ぎわのよいこと。(6)相場の動きぐあい。」との記載がある。

(2)「大辞林(第二版)」(株式会社三省堂発行)には、「あじ【味】(1)飲食物を舌にのせた時に起こる感じ。飲食物が舌の味蕾を刺激して生じる感覚。→味覚 (2)体験して得た感じ。感触。(3)物事を深く知ることによって初めてわかるおもしろみ。深いところに潜んでいるすばらしさ。味わい。(4)囲碁で、のちに働きを生ずる箇所。また、そのようなさし手。」との記載がある。

2 「定番」の語の有する意味について

(1)「広辞苑(第五版)」(株式会社岩波書店発行)には、「ていばん【定番】流行に左右されず安定した需要のある商品。商品番号(品番)が定められていることからこう呼ぶ。多く衣料品についていう。」との記載がある。

(2)「大辞林(第二版)」(株式会社三省堂発行)には、「ていばん【定番】〔商品台帳に品番が固定して定められていることから〕流行にかかわりなく、毎年一定の需要が保たれている基本型の商品。白のワイシャツ・白のブラウスなど。定番商品。」との記載がある。

(3)「イミダス2005」(株式会社集英社発行)の「ロングセラー商品」の項で、「長期間にわたってユーザーの支持や愛用を得ている商品のこと。一方で顧客の願望の変化、他方で新製品導入の激しさのために、一般的には商品寿命はどんどん短くなっている。このような事態の中で、ロングセラー商品は企業の利益の源泉として貴重な存在となる。ロングセラー商品には、神話的認知構造づくりに成功したものもあるが、多くは不断の改善努力を通じて競争優位を維持した結果である。キリンビール『ラガービール』、ハウス食品『バーモントカレー』、武田薬品工業の『アリナミンA』などはその典型である。これらは定番とよばれる。長い間の市場のテストを受けて生き残っている主力商品という意味である。」との記載がある。

3 食品関係の取引の中で、「味の定番」の語が使用されている事実

(1)三越カタログショッピングの中で、「味の定番百撰便利帳」というカタログのタイトルで、こだわりの〈定番商品〉として、梅干し、漬物、お茶、海苔等を販売している事実。(http://www.mitsukoshi.co.jp/tsuhan/ajinoteiban/index.asp)

(2)にんべんnet倶楽部の商品紹介で「味の定番 にんべんつゆの素 ご家庭の定番「つゆの素」。オレンジラベルが美味しさの目印です。毎日使える、安心・美味しい・便利な「つゆの素」をご利用下さい。持って帰るのが嫌な方、重たくても大丈夫、ご家庭へお届けします。『つゆの素』は保存料無添加。開栓後は冷蔵庫に保管して下さい。」との記載。(http://www.rakuten.co.jp/ninben/445706/445709/)

(3)紀伊国屋書店の「Kinokuniya Book Web」における「マンガで読む『ロングセラー商品』誕生物語〈2〉」の書籍の紹介で、「日本人なら誰もが知っている、定番商品と呼ばれるものがある。商品名やパッケージで有名なもの、どんな味かが即座に思い出せるもの、TPOに応じた必需品等々、我々の暮らしの中でずっと変わらず愛され続けている商品たちだ。それらは、誰がどんな思いを込めて世に送り出したのか?大好評の前作に続き、商品開発に賭けた人間たちの姿をマンガで描く感動のドラマ・待望の第2弾。 味の定番(キリンラガービール;不二家の「ミルキー」;ブルドックソース ほか) 技術の定番(カシオ計算機の電卓;オルファの「カッターナイフ」;日本ビクターのVHSビデオ ほか) 暮らしの定番(ヤマト運輸の「宅急便」;タミヤのプラモデル;ライオンのハミガキ ほか)」との記載。(http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4569577555.html)

(4)講談社の「BOOK倶楽部」における「不滅の家庭料理 厳選60」の書籍の紹介で、「何度も作りたくなる料理、家族からのリクエストの多い料理は結局は食べ飽きない味の定番料理ではないでしょうか。この本では初心者でも手軽に作れる和・洋・中60の究極の定番レシピを全プロセスつきで紹介しました。少ない材料といつもの調味料だけで誰が作っても失敗しません。料理のことではもう一生困らない!そんな自信が持てる1冊です。」との記載。(http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2716429)

(5)東三河のショッピングモール あるじゃん.netの紹介記事の中で、「大正軒・味の定番」の項目として、「みたらしだんご 価格1本 ¥84(税込) 企業秘密の製法で、6つの工程に分けて作られるだんごは、大正軒随一のロングセラー。」との記載。(http://www.arujan.net/taisyouken/catalog002.html)

(6)「お菓子のご案内」の項目として、「備前屋の代表銘菓 (備前屋の味の定番、広く愛される味だからこそ大切な方に)」との記載。(http://www.bizenya.co.jp/menu.htm)

(7)「お買物」の項目として、「N702 5,000円 定番の美味しさがぎっしり詰まった味の定番。量も味も大満足の詰合せです。」との記載。(http://www.satumaage.co.jp/haradaya/okaimono.htm)

(8)「変わらぬ 味の定番メニューです。」の項目として、「手作りわらびもち 525円 人気の秘密は自慢の食感です!当店オープンから変わらぬ 味を守ってきたわらびもち。プルプルとした食感がたまらない1品です。これを求めてご来店くださるお客様も少なくありません。」との記載。(http://www.rav.co.jp/shop/hiroshima/yusoshi-hiroshima/yusoshi-hiroshima.html)

(9)「ふるさとフェア95 20日から東京ドームで開幕 地域情報もたっぷり=特集」の記事中、「〈岐阜〉飛騨のみそ、漬物、白川茶、しいたけスナックのほか、地元で作ったハム、カモ肉の薫製、地酒、富有柿といった味の定番人気商品の品ぞろえを充実させる。」との記載。(1995年1月14日 読売新聞朝刊24頁)

(10)「イチゴ味って安心できる お菓子の世界は保守回帰『つぶつぶイチゴ』、目標の倍」の記事中、「もともとイチゴは、味の定番。1967年に発売された明治製菓の『ストロベリーチョコレート』がまだ好調、というように根強い人気がある。」との記載。(1993年2月19日 毎日新聞夕刊3頁)

以上の事実によれば、本願商標からは、「その味が需要者の支持を集め、長年にわたり愛用されている商品」の意味合いが容易に看取し得るものであり、これに接する取引者、需要者は、前記意味合いを有するものとして、食品の分野におけるロングセラー商品(定番商品)の誇称表示の一種として認識し、把握するにすぎないものである。

第4 当審の判断

本願商標は、「味の定番」の文字を書してなるところ、上記の証拠調べ通知のとおり、これからは、「その味が需要者の支持を集め、長年にわたり愛用されている商品」の意味合いを容易に看取し得るものであり、また、食品関係の分野において、前記意味合いを表すものとして「味の定番」の語が使用されている事実が認められることから、取引者、需要者に、ロングセラー商品(定番商品)の誇称表示の一種として認識し、把握されるにすぎないものといわざるを得ない。

また、ロングセラー商品(定番商品)以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号にに該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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