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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「資産形成相談役務の類否」の商標審決・判断理由(審判番号:平成9年審判第3616号|請求不成立)

審判番号
平成9年審判第3616号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
資産形成相談役務の類否
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成9年審判第3616号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「資産形成相談役務の類否」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1本願商標

本願商標は、「TACT」と「タクト」の文字を上下二段に書してなり、第36類「預金の受入れ及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,外国為替取引,信用状に関する業務」を指定役務として、平成4年9月29日に登録出願されたものである。

2原査定の引用商標

原査定において本願商標の登録の拒絶の理由に引用した登録第3185355号商標は、別紙に示した構成よりなり、第36類「資産形成に関する相談及び助言,不動産の有効利用の指導,税務相談,税務情報の提供,建物又は土地の情報の提供,建物の貸借の代理又は媒介,建物の売買の代理又は媒介,土地の貸借の代理又は媒介,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務とし、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し、平成4年9月30日に登録出願、同8年8月30日に設定登録がなされているものである。

3当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、前記したとおりの構成からなるところ、その構成文字に相応して「タクト」の称呼を生ずること明らかである。

他方、引用商標は、前記したとおりの構成からなるところ、その構成文字に相応して「タクト」の称呼を生ずること明らかである。

(2)指定役務の類否について

請求人は、引用商標の指定役務中の「資産形成に関する相談及び助言」は、金融機関において日常的に行われているとしても、「預金の受入れ及び定期積金の受入れ,資金の貸付け」という、主たる業務をサポートするために無償で行われている単なる付随業務に過ぎず、これが通常有料で行われているのは、税理士事務所、公認会計士事務所等あるいはコンサルタント会社等においてであり、金融機関の業務と税理士事務所等の業務とは独立しており、無関係であるから、上記指定役務と本願商標の指定役務は、非類似の役務である旨を主張する。

まず、金融機関による「資産形成に関する相談及び助言」については、新聞記載記事によれば、「銀行による十二月の投資信託の販売実績は二千億円弱となり、堅調な滑り出しとなった。顧客の長期的な資産形成の相談に乗りながら投信を販売する『コンサルティング型営業』の手法を取る点は各行とも共通している。」(99.01.15付け 日本経済新聞 朝刊 3頁)、「..銀行は営業店内に、多額の金融資産を所有する富裕層の資産運用相談を手掛けるフロアを展開する。〜リスク商品を交えて、顧客の資産形成に関するアドバイスを行う。〜定期預金のほか、投資信託や外貨預金などの新しい商品を加えて資産運用のコンサルティング業務を行う。」(98.12.18付け 日本経済新聞地方面/九州B)、「..銀行はパソコンによる顧客への相談業務に人工知能(AI)を導入、サービス向上を図ることになった。〜まず〜本店でAI利用による住宅ローンの相談を始める。将来的には資産形成相談にもAIを使って効率的なサービスをしていく考え。」(89.01.12 日本経済新聞地方面/四国)、「都市銀行上位行が、相次いで大型小売店の中に店舗を置く〜資産形成や運用面の相談業務に重点を置く。専門的な教育を受けた行員を常駐させ、店内も相談に適した配置にする。」(99.03.11付け 朝日新聞朝刊 13頁 2経)のように報道されている事実が認められる。そうすると、「資産形成に関する相談及び助言」に係る業務が銀行等の金融機関によって頻繁に、かつ、主要な業務の一つとして行われているものと推認される。そして、それらの業務は、預貯金の獲得、金融商品の販売に直結するものであって、それ自体が一定の目的で計画的に収支計算のもとに反復継続して遂行されるものというべきであり、請求人主張のように「料金表」が存在しないとの理由のみで、付随役務であるということは出来ない。

また、請求人は、「資産形成に関する相談及び助言」の役務は税理士、公認会計士、コンサルタント会社等がその主業務として日常的に行っているのは経験則上明らかであり、相談料として所定の報酬を直接顧客から受け取るのは、これらの者の業務の性格から至極当然である旨主張している。しかしながら、これらの事実を立証する証左はなく、上記認定判断に照らし、請求人の主張は採用することはできない。

そうすると、金融機関によって一般に行われている本願の指定役務と、上記「資産形成に関する相談及び助言」とは密接な関係があるということができる。

かかる事情の下で、この両役務について同一又は類似の商標が使用された場合には、これに接する取引者、需要者がその役務の出所について混同を生ずることは必定である。

したがって、本願商標及び引用商標の指定役務とは類似するものとのいわざるを得ない。

(3)以上のとおり、本願商標と引用商標とは、外観、観念に差異を有するとしても、「タクト」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、各商標の指定役務は類似のものと認められるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

よって、結論のとおり審決する。

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