結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−31176(T2005−31176/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4601972号商標(以下「本件商標」という。)は、「オーキット」の片仮名文字と「Orkit」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成13年7月12日に登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,税務相談,税務代理,慈善のための募金」を指定役務として、同14年9月6日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証(本件商標の商標登録原簿)を提出している。
(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定役務中「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」について本件商標を使用していない。
(2)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定役務中「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」については取り消されるべきである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第8号証を提出している。
(1)被請求人は、本件商標「Orkit」の商標について、3年間、保険業務に関わることを何もしなかった訳ではない。
エキスパートアライアンス社(以下「EXA社」という。)の代理店取得のために2年前(平成15年度)から業務を進める予定で、説明会にも何度も足を運び準備をしてきた。その当時におけるEXA社資料も、代理店登録書にサインし始める予定の資料も残されている。一緒に行き、説明会に同席した者の証言もあり、又、主催者側が被請求人の出席を確認したという証言もある。
しかし、体調不良のため、代理店取得が遅れ、業務遂行がしたくてもできなかったが、現在(平成17年11月から)では、EXA社の代理店取得をし、業務を進めている(乙第1ないし第8号証)。
(2)被請求人は、平成14年8月26日に、本件商標の商標登録料を10年分収めており、3年以上、登録商標をもって業務が行われていない場合、取消審判が申請され得ることがあるということを知らなかった。少なくとも10年分の登録料を払っているので、10年間はあり得ないと思っていた。先になって別な事業を起こしたいと思っても3年間というのは、あまりにも短く、法律とは何か不条理のように思われる。
(3)請求人が本件商標と類似する商標を使用しても、被請求人は、商標法違反としての審判請求をするつもりはなく、請求人は、現在も将来も、被請求人から被害を被ることは考えられない。
(4)被請求人は、話し合いによる解決を望むものである。
(1)商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから、商標登録を受けた場合においても、一定期間、登録商標の使用をしない場合には、保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考えられる。他方、そのような不使用の登録商標に対して、排他独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることとなるから、商標法は、このような場合、請求をまって、不使用商標の登録を取り消すこととしている。いいかえれば、本来、使用をしているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなくなれば取り消されてもやむを得ないというのが制度の趣旨である。
そして、商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
(2)そこで、乙各号証をみるに、乙第1号証は、被請求人が平成16年4月22日に開催されたとされるEXA社と称する保険会社の代理店募集説明会に出席したと証言する2名の者からの「証言書」及び「EXA事業説明会のご案内」と題するパンフレットであり、乙第2号証は、EXA社の事業案内及び新聞記事からなる資料であり、乙第3号証は、EXA社の「2003年度決算概況」と題する資料であり、乙第4号証は、EXA社の代理店登録案内及び登録申込書であり、乙第5号証は、EXA社の「EXA 商品総合カタログ(平成15年12月改定)」と題する資料であり、乙第6号証は、「EXA/あなたの『夢実現』のサポート」と題する資料であり、乙第7号証は、EXA説明ビデオであり、乙第8号証は、被請求人に対する「ID番号」の通知、EXA社からの「ご挨拶」及び「登録手続き完了のお知らせ」と題する資料である。
上記の乙各号証及び被請求人の主張からみれば、被請求人は、平成16年4月頃からEXA社の代理店取得のための準備を始め、平成17年には、該EXA社の代理店取得の手続きを完了したものと認められる。
(3)しかしながら、乙各号証は、第三者からの証言書を除けば、いずれもEXA社の代理店募集に関する資料と該EXA社の事業説明書等であるから、当然のことながら、そのいずれの資料にも、被請求人の所有に係る「オーキット」の片仮名文字と「Orkit」の欧文字からなる本件商標が使用されていた事実は認められない。
本件商標が取消請求に係る指定役務について使用されていたといい得るためには、本件審判請求の登録日(平成17年10月19日)前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれかによって、需要者が利用する物(保険の申込書、保険証書等)に本件商標を付していたとか(商標法第2条第3項第3号)、本件商標を付した保険の申込書や保険証書等を用いて実際に保険の引受け等の役務提供を行っていたとか(同4号)、あるいは、保険加入者募集のパンフレットやポスターに本件商標を付して展示・頒布していた(同7号)等の事実を立証する必要があるところ、被請求人は、これらの事実を立証する資料を何ら提出していない。
また、被請求人は、体調不良のため、代理店取得が遅れ、業務遂行がしたくてもできなかった旨述べているが、商標法第50条第2項ただし書きの登録商標の使用をしていないことについての正当な理由としては、その商標の使用をする予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって、工場等が損壊した結果、その使用ができなかったような場合、時限立法によって一定期間(3年以上)その商標の使用が禁止されたような場合等、極めて限定的な理由による場合のみが該当するのであって(特許庁編集、社団法人発明協会発行「工業所有権法逐条解説」参照)、被請求人が述べているような理由は、商標法第50条第2項ただし書きの登録商標の使用をしていないことについての正当な理由に該当するものとはいい難い。
(4)してみれば、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判請求の登録日(平成17年10月19日)前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定役務について使用されていなかったものであり、商標法第50条第2項ただし書きにいうところの使用をしないことについての正当な理由があったものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定役務中「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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