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Trademark Appeal Case

記述的表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−10186(T2004−10186/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「金運の矢」の文字を横書きしてなり、第21類「破魔矢,その他のお守り用矢」を指定商品として、平成15年7月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「神社等において、金運の向上を祈願する『破魔矢、お守り用矢』が取引されている実情からすると、本願商標は、これを本願の指定商品に使用しても、『試験の合格を祈願する破魔矢及びお守り用矢』程の意味合いを認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「金運」の文字は、「お金についての運勢。金が手に入る運。」を意味する語としてよく知られ親しまれているものであるばかりでなく、「開運」、「無病息災」、「家内安全」、「交通安全」、「学業成就」、「合格祈願」等と同様に、神社仏閣において祈願する際に用いられる用語としても普通に使用されているものである。

ところで、本願商標の指定商品である「お守り用矢」は、「破魔矢」、「御神矢」、「守り矢」等とも称され、社寺から請い受けて身に帯びたり門戸に張りつけたりする「守り札」や、この守り札を入れて身につけておく袋である「守り袋」等と同様に、神社仏閣においてお守りないしは正月の縁起物として提供されているものである。そして、お守り用矢には、上記祈願用語を記載した札や絵馬、鈴等が結び付けられているのが通例であり、請求人の提出に係る証拠によれば、「お守り用矢」は、その色彩、形状、祈願目的等によって「赤鏑矢」、「黒鏑矢」、「金神矢」、「朱神矢」、「開運福矢」、「むすびの矢」、「初宮矢」、「七五三矢」、「五色守矢」等と称して取引されていることが認められる。

また、破魔矢について、例えば、「・・・風水をもとにした黄色の『金運の矢』や緑色の『和みの矢』など4色の30センチほどの破魔矢も売り出される予定。・・・」とする報道記事(2004.12.01朝日新聞東京地方版/青森)や、インターネット上のサイトにおいて「年の瀬が近づき、貴船神社(大間々町)では新年用の破魔矢の準備が進んでいる。・・・また、正月三が日限定で用意されるカラー破魔矢は、赤が幸せの矢、金が金運の矢、緑が健康の矢、紫が必勝の矢になっている。・・・」(www.nikkannet.com/2005hp/2005-12.html)、「金運招福の矢:1年間ご自宅や事務所などに飾って金運招福を祈願した後は、お近くの神社仏閣にお納めいただくか、・・・」(www.ugafukuya.com/omoshiro_omamori.html)等と記載されているものがある。

かかる実情の下に、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、金運を祈願するための矢であることを認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。

なお、請求人は、「金運」の文字が指定商品に現実に使用されていないから本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、ある商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かで争われた裁判(東京高裁 平成12(行ケ)76 平成12.9.4判決)において示された「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」との判示は、取引者、需要者が金運を祈願するための矢として認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識として認識し得ない本願商標にも、そのまま当てはまるものであり、当審も同様に判断するものであるから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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