結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2004−65024(T2004−65024/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、2002年1月28日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権主張をし、国際登録簿記載の第35類に属する役務を指定役務として、2002年7月10日を国際登録の日とするものである。
その後、指定役務については、2003年8月19日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、「Advertising;business management;commercial administration;office tasks;promotion of goods and services of third parties,by means of contractual agreements,particularly sponsorship and licensing agreements,providing them with increased brand awareness and enhanced image derived from cultural and sporting events,particularly international events.」となったものである。
原査定は「本願商標は、その構成中前半「VANCOUVER」がカナダの都市名を、後半の「2010」が西暦年数を,それぞれ表すものと認められるとしても、全体として地名と数字からなり、自他役務の識別機能を有しないものであるから、これをその指定役務に使用しても需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号の規定に該当する。」旨認定、判断をして本願を拒絶したものである。
本願商標は、前記のとおり「VANCOUVER」の欧文字及び「2010」の数字の間に半角程度の間隔を設け「VANCOUVER 2010」と書してなるところ、構成中の「VANCOUVER」は、カナダの都市名を、「2010」は西暦年数又は4桁の数字を想起するものである。
ところで、請求人(出願人)が原審及び当審において提出した参考資料によれば、「VANCOUVER(バンクーバー)」は、平成15(2003)年7月2日に開かれた請求人(出願人)(IOC)の総会において、2010年オリンピック冬季競技大会の開催地に選出され、このことはテレビ、新聞等で我が国はもとより世界中に報じられたことが認められる。
また、前記事実は、当審において調査した以下の新聞記事情報よりも明らかである。
(1)「カナダはバンクーバー選出 2010年冬季五輪開催地」のタイトルのもと、「カナダ・オリンピック委員会は一日、二〇一〇年冬季五輪の立候補地にバンクーバーと近くのスキーリゾート、ウィスラーを選んだと発表した。」との記載(1998.12.02 共同通信)。
(2)「ハルビンなどが立候補 2010年の冬季五輪」とのタイトルのもと、「国際オリンピック委員会(IOC)は28日、ハルビン(中国)とハカ(スペイン)が2010年冬季五輪の開催都市に正式に立候補したことを明らかにした。・・・バンクーバー(カナダ)が既に立候補。IOCへの届け出は2月4日が締め切りで、開催地は03年に決まる。」との記載(2002.01.29 共同通信)。
(3)「2010年冬季五輪に8都市が立候補/IOC」とのタイトルのもと、「国際オリンピック委員会(IOC)理事会は5日、2010年冬季五輪の開催都市に、計8都市の立候補を承認した。立候補都市は、フランス、スペイン国境の小国、アンドラの首都アンドララベリャをはじめ、ベルン(スイス)、ハルビン(中国)、ハカ(スペイン)、平昌(ピョンチャン)(韓国・江原道)、ザルツブルク(オーストリア)、サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、バンクーバー(カナダ)。8都市は、今年8月のIOC理事会による事前審査で、五輪の実施能力があると見られる都市に絞られ、2003年7月のIOC総会で最終決定される。」との記載(2002.02.06 東京夕刊)。
(4)「2010年冬季五輪 来月2日に開催地決定 バンクーバー優勢か」のタイトルのもと、「2010年冬季五輪の開催地が7月2日、チェコ・プラハで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まる。立候補しているのは、バンクーバー(カナダ)、ザルツブルク(オーストリア)、平昌(ピョンチャン)(韓国)の3都市。国際的に知名度のあるバンクーバーとザルツブルクが有力で、・・・・、巻き返しを図っている。」との記載(2003.06.29 毎日新聞社 大阪朝刊)。
(5)「2010冬季五輪はバンクーバー 決選で韓国・平昌を逆転」のタイトルのもと、「国際オリンピック委員会(IOC)は2日、当地で第115回総会を開き、2010年冬季五輪の開催都市にバンクーバー(カナダ)を選んだ。カナダでの五輪開催は76年夏のモントリオール、88年冬のカルガリーに次いで3度目。
バンクーバーはIOC都市評価委から高い評価を受け、本命視されていた。スキーの主会場ウィスラーとの距離が120キロと離れているのが不安材料だったが、二つの選手村を設置するなど、『選手本位』の計画をアピール。08年五輪招致でトロントが北京に敗れた同情票も味方にした。」との記載(2003.07.03 朝日新聞社 東京朝刊)。
(6)「10年冬季、12年夏季 五輪放映権をEBUが獲得」のタイトルのもと、「国際オリンピック委員会(IOC)は18日、2010年バンクーバー冬季五輪、12年夏季五輪の欧州向け放送権契約を欧州放送連合(EBU)と結んだと発表した。AP通信によると、契約料は総額8億4000万ドル(約930億円)を超えるのが確実とみられている。」との記載(2004.06.19産経新聞社 東京朝刊)。
(7)「バンクーバーの星が優勝 スノーボードから(一)完」のタイトルのもと、「男子HPで優勝した青野は『2010年バンクーバー五輪の星』(全日本スキー連盟の佐々木峻(ささき・たかし)スノーボード部長)と期待される15歳の中学生。・・・。
松山市出身で『地元の室内HPで1年中練習している』という環境で成長してきた逸材だ。『4年後は世界でみんなに認められたいので、バンクーバー五輪で金メダルを取りたい』と、さらなる飛躍を誓った。」との記載(2006.01.14 共同通信)。
(8)「[低迷ニッポン]ジャンプ、複合/トリノ五輪」のタイトルのもと、「トリノ五輪は第12日を終えた21日時点で、日本勢はメダルを獲得できていない。ノルディックスキーのジャンプと複合、スピードスケート、ショートトラック、スノーボードなど期待種目が振るわなかったのは、なぜか。次回2010年バンクーバー大会に向け、どう立て直していくのか。現場から緊急リポートする。」との記載(2006.02.23 読売新聞社 東京朝刊)。
そうとすると、「VANCOUVER 2010」は、遅くともIOCの総会において2010年オリンピック冬季競技大会の開催地がVANCOUVER(バンクーバー)に決定された平成15(2003)年7月頃より現在に至る間、我が国の需要者、取引者間に、2010年にVANCOUVER(バンクーバー)において開催されるオリンピック冬季競技大会を表すものとして、広く知られるに至ったものと認められる。
そして、請求人(出願人)は、各オリンピック競技大会の開催地を決定する者であり、同競技大会に関する商品化権やテレビ放送権の契約に係る者である。
してみると、「VANCOUVER 2010」からなる本願商標をその指定役務について使用したときに、これに接する取引者・需要者をして、単に地名と数字からなるものとして認識されるよりは、請求人(出願人)の業務に係る「2010年にVANCOUVER(バンクーバー)において開催されるオリンピック冬季競技大会に係る役務」であることを認識させるから、十分に自他役務の識別標識として機能するものであって、何人の業務に係る役務であるかを認識することができるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消されるべきである。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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