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Trademark Appeal Case

豊醇の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90005(T2005−90005/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4810366号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第4810366号商標(以下「本件商標」という。)は、「豊醇」の文字を標準文字で書してなり、平成16年1月21日に登録出願、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」を指定商品として、同年10月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、「豊醇」の文字よりなるところ、その構成中の「醇」の文字は、「こってりとして重みのある酒」「水で薄めていないもとの濃い酒」の意味を有し、本件商標を構成する「豊醇」の文字は、「ゆたかで、うるおいのあること」「ゆたかでみずみずしいこと」を意味する「豊潤」と同じ意味を有する語とされている(甲第2号証及び同第3号証)。

「豊醇」の文字が、上記意味合いを有することから、日本酒(清酒)、焼酎、ワイン、ウイスキー、カクテル等の品質が「こってりとして重みのある酒」、「水で薄めていないもとの濃い酒」、「ゆたかで、うるおいのあること」、「ゆたかでみずみずしいこと」であること等を表現する品質表示として普通に使用されている(甲第4号証ないし同第48号証、同第88証ないし同第101号証)。

そして、本件商標の指定商品についても、品質表示として本件の商標権者及び商標権者の商品を取り扱う業者によって使用されている(甲第49号証ないし同第56号証)。

また、他のビール製造、販売業者によって、本件商標の指定商品についての品質表示が広く一般に使用されている(甲第57号証ないし同第87号証)。

そうしてみると、本件商標を構成する「豊醇」の文字は、商品の品質を表示するものとして広く一般に使用され、知られているというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、上記のとおり「豊醇」の文字よりなるところ、「豊」は「ゆたかなこと。たっぷりあること。」等の意味、「醇」は、「酒のまじりけがなくて味の濃いこと。また、その酒。」(いずれも株式会社岩波書店 広辞苑第五版)、或いは「こってりとして重みのある酒。水で薄めていないもとの濃い酒」(甲第2号証)等の意味を有する漢字を結合させたものと認められるが、一般に広く使用されている、例えば広辞苑等の辞典に該「豊醇」の語の掲載はない。

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「ゆたかで、うるおいのあること」「ゆたかでみずみずしいこと」を意味する「豊潤」と同じ意味を有する語(甲第3号証)から、日本酒(清酒)、焼酎、ワイン、ウイスキー、カクテル等の品質が「こってりとして重みのある酒」、「水で薄めていないもとの濃い酒」、「ゆたかで、うるおいのあること」、「ゆたかでみずみずしいこと」であること等を表現するものとして、また、ビールについても商品の品質を表示するものとして広く一般に使用され、知られている旨主張している。

しかしながら、申立人の提出に係る証拠によれば、「豊醇」の文字が各種のアルコール飲料について使用され、ビールの説明文に使用(甲第57号証ないし同第87号証)されている事実は認められるとしても、例えば、甲第57号証ないし同第59号証のようにその掲載内容が同一のもの、または、重複しているものが多いうえに、これらの使用例のすべてが「豊潤」と同じ意味で使用しているとは認め難く、「ゆたかで、うるおいのあること」「ゆたかでみずみずしいこと」という具体的な意味をも認識させるものということはできない。

そうとすれば、これをその指定商品に使用した場合、商品の品質等を具体的に表すものと認識されるとは認められず、かつ、指定商品を取り扱う業界において、該文字が商品の品質等を表すものとして普通に使用されている事実を見いだすこともできない。

以上により、本件商標は、商品の品質を表示すると認識されるものでは

なく、商品の識別標識としての機能を十分に果たすものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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