sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の類似性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90463(T2005−90463/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4870685号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4870685号商標(以下「本件商標」という。)は、「VALEANT」の欧文字を標準文字で書してなり、パリ条約第4条に基づくアメリカ合衆国を最初の出願(2003年10月2日)とする優先権を主張をして、平成16年4月1日に登録出願、第5類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年6月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4597050号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VALENT」の欧文字と「バレント」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成12年7月28日に登録出願、第1類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年8月23日に設定登録されたものである。

(2)登録第4486346号商標(以下「引用商標2」という。)は、「VALENT BIOSCIENCES」の欧文字と「バレント バイオサイエンシス」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成12年7月28日に登録出願、第1類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年6月29日に設定登録されたものである(以下「引用商標1」及び「引用商標2」を併せて「各引用商標」という。)。

3 登録異議の申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、その構成文字全体より「バレント」の自然の称呼を生じ、また「バリーント」と称呼する場合も少なくないと思われる。

一方、引用商標1は、「バレント」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標2は、外観及び称呼上分離される「VALENT」、「バレント」の文字部分より「バレント」の称呼をも生ずる。

そうすると、本件商標と各引用商標とは、称呼「バレント」において同一であり、また、本件商標より生ずる「バリーント」の称呼は、各引用商標より生ずる「バレント」の称呼と相紛らわしいものである。

さらに、本件商標を構成する文字は、7文字中6文字が各引用商標の欧文字と同一であるから、外観上きわめて紛らわしいものである。

したがって、本件商標は、その指定商品・指定役務中、第5類に属する商品は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

各引用商標は、申立人の名称の略称を表し、申立人が製造・販売する全ての商品についてハウスマークとして使用され、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より需要者・取引者の間で広く認識されているものである。

そして、本件商標の指定役務である第42類「薬剤に関する研究及び開発(「臨床研究」を除く。)」は、申立人の業務である「薬剤・化学品等の製造・販売」と密接な関係を有すること、及び本件商標と各引用商標とが出所の混同のおそれがある類似の商標あることから、本件商標を上記の指定役務について使用するときは、該役務が申立人の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、その指定商品・指定役務中、第42類に属する役務については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

先ず、本件商標及び各引用商標より生ずる称呼についてみるに、本件商標は、前記のとおり、「VALEANT」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、特定の称呼を生じさせる親しまれた外国語ということはできないことから、これが称呼される場合、我が国において一般的に普及・浸透している英語風に称呼されるとみるのが相当である。この場合、英語において「leader」、「league」等を「リーダー」、「リーグ」と発音されていることから、本件商標中の「LEA」の欧文字部分は、「リー」と称呼されるとみるのが自然であり、本件商標からは、「バリーント」の称呼を生ずるものと判断される。

他方、引用商標1は、「VALENT」と「バレント」の各文字を二段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「バレント」の称呼を生ずるものである。

また、引用商標2は、「VALENT BIOSCIENCES」と「バレント バイオサイエンシス」の各文字を二段に横書きしてなるものであるところ、構成全体をもって親しまれた熟語的意味合いを想起させるものではなく、構成文字全体から生ずると認められる「バレントバイオサイエンシス」の称呼も極めて冗長であるから、これに接する需要者・取引者は、語頭部分に位置する「VALENT」、「バレント」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって、商品の取引に当たる場合も決して少なくないというが相当である。

そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「バレントバイオサイエンシス」の称呼を生ずるほか、「VALENT」、「バレント」の文字部分より、「バレント」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

そこで、本件商標より生ずる「バリーント」の称呼と各引用商標より生ずる「バレント」の称呼を比較すると、両称呼は、中間部において「リー」と「レ」の音の差異を有するものである。そして、「バリーント」の称呼は、「リ」の音に長音を伴うところから、全体の称呼がやや間延びしたように称呼されるのに対し、「バレント」の称呼は、全体の称呼が平坦に一気に称呼されるものである。

してみると、両称呼は、上記差異により、それぞれの称呼を全体として称呼するときは、その語調、語感が相違したものとなるから、称呼上相紛れるおそれはないというべきである。

また、本件商標より生ずる「バリーント」の称呼と引用商標2より生ずる「バレントバイオサイエンシス」の称呼は、構成する音の数、音質等の差異により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。

次に、本件商標と各引用商標の外観についてみるに、本件商標は、欧文字よりなるものであるのに対し、各引用商標は、欧文字と片仮名文字よりなるものであるから、両商標を全体的に観察すれば、明らかに相違するものである。仮に、各引用商標の「VALENT」の文字部分のみをとって、本件商標と比較したとしても、いずれも短い綴り字からなるものであるから、通常の注意力をもってすれば、外観上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標と各引用商標は、いずれも特定の観念を想起させない造語よりなるものと認められるから、観念上比較することはできない。

したがって、本件商標と各引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、各引用商標がその指定商品について使用され、本件商標の登録出願前より著名であった旨主張するが、その著名性を立証する証拠は何ら提出していないところである。

そうすると、各引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、わが国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。また、前記(1)で認定したとおり、本件商標と各引用商標とは、非類似の商標と認められることから、本件商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する需要者・取引者が、該役務が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。