Trademark Appeal Case
著名図形商標の類否と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90481(T2005−90481/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4872386号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成16年11月30日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,茶」を指定商品として、平成17年6月17日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標又は標章は、以下のとおりである。
(1)申立人が「被服、靴、かばん」等に使用する標章(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものである。
(2)登録第4005973号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、パリ条約4条に基づくフランス共和国を最初の出願(1994年12月16日)とする優先権の主張を伴うものとして、平成7年3月1日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年5月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4115095号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、パリ条約4条に基づくフランス共和国を最初の出願(1994年12月16日)とする優先権の主張を伴うものとして、平成7年3月1日に登録出願、第18類「原革,原皮,なめし皮,模造の皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服」を指定商品として、平成10年2月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第2715031号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成4年2月5日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成8年7月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(上記(1)ないし(4)をまとめて、以下「各引用商標」という。)。
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人がファッション関連の商品に使用して著名な各引用商標と外観及び観念において類似する商標である。
また、本件商標の指定商品と各引用商標が使用される商品とは、いずれも一般の消費者を需要者とするばかりなく、近時、企業間のコラボレーションも盛んになり、異業種間での商品開発もめずらしくはないから、著名な各引用商標と酷似する本件商標が付された商品は、商品の区分を超えて出所の混同を引き起こす可能性が高いといえる。
したがって、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第19号について
前記(1)で述べたように、本件商標は、ファッション関連の商品等に使用して著名な各引用商標と類似する商標であるから、各引用商標の著名性を希釈化し、不正の目的をもって使用するものというべきである。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、左下から時計回りと逆方向に円を描くように書き出した円輪郭状の線の末尾を、一筆書き風にそのまま続けて円輪郭状の内部に筆記体の「b」を想起させるローマ字を描いてなるものである。そして、本件商標は、上記のような、円輪郭状図形とローマ文字とを一筆書き風に描いてなるところに特徴があり、構成全体をもって看者に印象づけられるというのが相当であって、その構成全体からは、特定の称呼、観念を生じないものと認められる。
これに対して、申立人がその業務に係る香水、時計、被服、帽子、かばん、靴、アクセサリー等に使用している商標は、各引用商標中引用商標1及び引用商標4(甲第14号証ないし甲第31号証)のみであり、引用商標1は、別掲(2)のとおり、円輪郭内に筆記体の「b」とピリオドを配してなるものである。また、引用商標4は、別掲(4)のとおり、筆記体の「b」とピリオドを書してなるものである。そして、引用商標1及び引用商標4は、いずれも筆記体の「b」とピリオドが一体のものとなって、看者に印象づけられるというのが相当であって、構成全体をもって、「ベー」と称呼され、ファッション関連商品の分野における需要者にある程度知られているものと認められる。
そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標4とは、外観上看者に与える印象において異なるものであり、また、観念上も互いに類似するものということはできない。
さらに、本件商標は、その指定商品を「コーヒー及びココア,茶」とするものであるのに対し、引用商標1及び引用商標4が使用される商品は、上記のとおり、「香水、時計、被服、帽子、かばん、靴、アクセサリー」等のファッション関連商品である。
してみると、本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標4が使用される商品とは、生産者、取引系統、販売場所等を異にするばかりでなく、商品の品質等において大きく異なるものであるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者が各引用商標を想起又は連想することはきわめて少ないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせる蓋然性はきわめて低いものといわなければならない。
確かに、申立人の主張のとおり、近時、企業間のコラボレーションが盛んになり、異業種間での商品開発もめずらしくはないことは窺えるとしても、引用商標1及び引用商標4が本件商標の指定商品の分野において使用され、著名性を獲得したという事実を見出すことはできないし、社会通念からみて、上記のように判断するのが相当である。
以上によれば、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記(1)で認定したとおり、引用商標1及び引用商標4とは、外観上看者に与える印象において異なるばかりでなく、本件商標は、特定の称呼、観念を生じないものであるから、引用商標1及び引用商標4と称呼、観念において比較することはできない。
したがって、本件商標と引用商標1及び引用商標4は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標であり、不正の目的をもって使用するものということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。