Trademark Appeal Case
称呼の類似性と出所混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90643(T2005−90643/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4895481号商標(以下「本件商標」という。)は、「ASEXSOL」の欧文字、及び「アセックスソル」の片仮名文字を2段に書してなり、平成17年1月20日に登録出願、第1類及び第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月16日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1910986号商標(以下「引用商標」という。)は、「EXXSOL」の欧文字を書してなり、昭和58年11月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年11月27日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
ア 商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標と引用商標とは、いずれも指定商品「化学品」については、抵触する関係にあること明らかである。
本件商標と引用商標は、「ASEXSOL/アセックスソル」と「EXXSOL」であり、両者の欧文字について比較すると、本件商標の構成文字7文字中、後半5文字「EXSOL」は、引用商標の構成文字6文字に完全に包含されている。このため、簡易迅速を旨とする商取引の現場においては、両者に共通する5文字「EXSOL」により、需要者・取引者が両者を見誤るところがあることを否定することはできない。
このため、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反するものである。
イ 商標法第4条第1項第15号該当について
申立人は、エクソン(EXXON)とモービル(MOBIL)とが合併し成立した米国籍の世界最大の石油化学企業である。申立人は、「エッソ(ESSO)」「モービル(MOBIL)」の商標のもと、日本国内で給油所(ガソリンスタンド)のチェーンを大々的に展開して今日に至っていることは、顕著な事実である。
申立人は、その子会社「エクソンモービル有限会社」を通じて、引用商標を日本国内で「溶剤」に使用している(甲第3号証ないし同第5号証)。
また、申立人は、引用商標につき多数の国で商標登録を取得すると共に(甲第6号証ないし同第9号証)、広く現実に使用している(甲第10号証)。
ここで、引用商標の第1類の指定商品に注目してみると、アスファルト(asphalt)に関連した化学品を意図していることが容易にわかり、本件商標の欧文字は一連には構成されているものの、アスファルト(asphalt)の綴りから、語頭部分「AS」を取り出して、「EXSOL」に結合させた結果、造りだされたものと理解することができる。
前記のように、申立人と子会社が引用商標を世界的に広く使用していることから、化学品の業界に従事・関係する人間にとって、本件商標は、アスファルト関係の用途に用いられる「EXSOL」として、申立人の引用商標と一定の関連性があるかの如く想起・認識させるものである。
また、既存の英単語としての「as」には、「〜のように」、「〜として、〜だということで」等の意味合いがあることから、「EXSOLのように」、「EXSOLとして」、「EXSOLだということで」のような意味合いも想起する可能性もある。
とすると、本件商標は、申立人の企業グループと関連する企業が社会に提供している商品であるかの如く消費者に誤解される危険性があることから、結局、申立人の業務と関連性を有する商品であるかの如く混同を生ずるおそれが客観的に認められることになり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、本件商標の指定商品中、第1類「アスファルト合材・アスファルト舗装材その他のアスファルト含有物からアスファルトのみを抽出・溶解・希釈するための溶剤,その他の化学剤,その他の化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」について、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「ASEXSOL」の欧文字、及び「アセックスソル」の片仮名文字からなるものであるところ、当該構成各文字は同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって表されており、構成中「EXSOL」の文字部分のみを限定抽出して、これより生ずる称呼をもって取引に資されるとすべき特段の理由は見いだせない。そして、これより生ずる「アセックスソル」の称呼も淀みなく一気に称呼し得るものである。
してみれば、本件商標は、特定の観念を生ずることのない一連の造語からなり、「アセックスソル」の称呼を生ずるものというのが相当である。
一方、引用商標は、その構成文字に相応して「エクソール」の称呼を生ずるものである。
本件商標の構成中、語頭の「as」の文字について、申立人は、アスファルトを意味することや英語「as」の意味合いから「EXSOLのように」、「EXSOLとして」、「EXSOLだということで」の意味合いを想起すると主張するのみで、その証拠の提出もないものであるから、該主張は採用できない。
そして、本件商標と引用商標とは、明らかに文字の綴りを異にするものであり、いずれも、比較的短い文字構成であることをも併せみれば、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とが見誤るおそれがあるとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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