Trademark Appeal Case
著名商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90345(T2004−90345/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4755370号商標(以下「本件商標」という。)は、「CHANTAL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成15年5月14日に登録出願され、第3類「スキンローション,その他の化粧品,せっけん類」及び第5類「外皮用薬剤,その他の薬剤」を指定商品として、同16年3月12日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1218150号商標(以下「引用A商標」という。)は、「CHANEL」の文字を横書きしてなり、昭和45年9月18日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同51年9月13日に設定登録され、その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく登録第1431169号商標は、「CHANEL」「シャネル」の文字を二段に書してなり、昭和48年7月20日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同55年8月28日に設定登録され、その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
その他、申立人を商標権者とする、「CHANEL」の文字よりなる登録第860151号商標の外9件の登録商標を引用しているものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されている引用A商標と類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用A商標と類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、引用商標と類似し、かつ、その指定商品も引用商標が著名性を獲得している商品と非常に高い関連性を有するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名性を獲得している引用商標と類似し、かつ、著名な引用商標に化体した名声・信用・評判にフリーライドする目的で出願したものというべきであり、引用商標の出所表示機能を希釈化させるものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものであり、取り消すべきものである。
(5)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第92号証を提出している。
4 本件商標に対する取消理由
当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成17年6月8日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。
申立人「シャネル エス アー エール エル」より提出された甲各号証によれば、申立人の商標「CHANEL」は、申立人の業務に係る商品「高級婦人服、香水、化粧品、ハンドバッグ、ベルト、靴、宝飾品、時計」等を表示するものとして、我が国を含め世界の一流品、有名ブランドとしての信用が形成されていたことが認められる。
特に、1922年に発表された香水「CHANEL No.5」は、日本において発売されて以来人気を博し、今日に至るまで雑誌やテレビによる広告・宣伝により、あるいは世界の一流ブランドを紹介する各種雑誌に紹介されてきたことが認められる。
その結果、「CHANEL」の文字よりなる商標は、本件商標の出願時、既に申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認めることができる。
しかして、本件商標は、前記のとおり「CHANTAL」の欧文字よりなるところ、上記著名な商標「CHANEL」の欧文字とは、識別上、最も印象に残る前半部の「CHAN」の文字及び語尾の「L」の綴り字を同一にし、異なるところは、印象に残りにくい中間部分において、わずかに「E」の文字が「TA」の文字に置き換えられて連綴してなるにすぎないものである。
そうすると、時と処を異にして離隔的に観察した場合には、外観上かなり近似し相紛らわしいものといわなければならない。
また、本件商標の指定商品も、申立人の業務に係る商品「香水」等とは同一又は密接な関係を有する商品について使用するものであるから、これに接する取引者・需要者は、前記実情よりして容易に申立人の使用に係る著名な商標「CHANEL」を連想・想起するものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、申立人の業務に係る商品又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
5 商標権者の意見
商標権者は、上記4の取消理由に対して、何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
本件商標の登録は、上記4の取消理由により、商標法第4条第1項第15号に違反してされたと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。