Trademark Appeal Case
称呼類似性:一音差
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90131(T2005−90131/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4826679号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示したとおり、黒線で縁取られ、薄青色に着色された四角形の図形内に、着色した「NANO−HEX」の欧文字と括弧内に「ナノ・ヘックス」の片仮名文字(欧文字に比して小さく書してなる。)とを二段に横書きしてなり、平成16年6月11日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年12月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人の主張
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
申立人「ナノテックス エルエルシー」(以下「ナノテックス社」という。)は、1998年設立、1999年に米国最大の繊維会社のバーリントン社が資本参加したジョイントベンチャー企業であり、世界で最初にナノテクノロジーを繊維に応用した企業である(甲第1号証)。
そして、ナノテックス社は、主として技術開発に従事する法人で、開発した技術を他社にライセンスしているが、当該技術に基づき生産した商品を販売する場合は、「Nano−Tex」(nano−tex)ブランドを付すことになっている。
わが国においては、「イトーヨーカ堂」、「ユニチカグループ」等がライセンス先企業となっており、ナノテックス社は、この重要な「nano−tex」ブランド保護のために、第25類に属する商品を指定商品とする登録第4603941号商標「NANO−TEX」(以下「引用商標」という。)ほかについて権利取得をしている。
そこで、本件商標中の「NANO−HEX」と引用商標の「NANO−TEX」の各文字とは、「H」と「T」の一文字が相違するだけであるから、見誤るおそれが十分にあり、また、本件商標は、「NANO−HEX」の欧文字と「ナノ・ヘックス」の片仮名文字よりなるから、これより「ナノヘックス」の称呼を生じるものであるのに対し、引用商標は、「NANO−TEX」よりなるものであるから、「ナノテックス」の称呼を生ずるものであって、両者は僅かに「ヘ」と「テ」の差異音を中間に有するにすぎないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは称呼上相紛らわしい類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ナノテックス社の「NANO−TEX」商標は、数多くのライセンス先企業を介して、全国的に宣伝広告がなされており、遅くとも本件商標の出願時までには繊維業界において周知商標となっていた。
したがって、本件商標がナノテックス社の商品と出所の混同を生ずること明白であるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。
3 本件商標に対する取消理由通知
当審において、平成18年1月18日付けで要旨以下の取消理由を通知した。
(1)申立人の引用商標は、「NANO−TEX」の文字を標準文字で表してなり、平成13年6月8日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同14年9月13日に設定登録されたものである。
(2)そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標は、別掲のとおり四角形の図形内に「NANO−HEX」と括弧内に「ナノ・ヘックス」の両文字を配してなるものであり、これら各文字に相応して「ナノヘックス」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、「NANO−TEX」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して「ナノテックス」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標より生ずる「ナノヘックス」の称呼と引用商標より生ずる「ナノテックス」の称呼とを比較すると、両称呼は、共に5音よりなるうちの第3音において「ヘ」と「テ」の音の相違を有するほかは、語頭音及び第2音の「ナノ」並びに第4音及び末尾音の「クス」の各音を共通するものである。
そして、相違する「ヘ」と「テ」の両音は、全体の称呼において殊更に印象に残るともいい難い中間に位置し、しかも、促音を伴って強い音として発音し聴取されると認められる「ク」の音の前音という位置関係にある上、「ヘ」と「テ」の両音の母音〔e〕も共通することを併せ考えれば、それぞれを一連に称呼した場合、互いに相紛れるおそれのある称呼上類似する商標といわざるを得ない。
してみれば、両商標の外観及び観念の点について考慮しても、本件商標は、引用商標と称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
本件商標について、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見を述べる機会を与えたが、商標権者は何ら意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の2第2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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