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Trademark Appeal Case

烏骨鶏の記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−12740(T2004−12740/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月4日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における平成18年3月28日付けの手続補正書により、第30類「烏骨鶏の卵を使用してなる菓子及びパン」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、「うこっけい」「烏骨鶏」の文字よりなるから、これを本願指定商品中「烏骨鶏を使用した食品」に使用しても、単に商品の品質、原材料等を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における職権証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、「烏骨鶏」及び「うこっけい」の文字について、次の事実が認められるとして、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知(平成18年1月24日付け)し、意見を求めた。

(1) 「広辞苑第5版」(株式会社岩波書店 1998年11月11日第5版第1刷発行)には、「うこっけい【烏骨鶏】」の項に「ニワトリの一品種。アジア東部の原産。頭頂に羽冠があり、羽毛は白・黒などで、細裂して絹糸に似る。皮・肉・骨ともに暗紫色なので、この名がある。愛玩用。絹糸鶏。絹羽鶏。」との記載がある。

(2) 「改訂調理用語辞典」(社団法人全国調理師養成施設協会 平成10年12月25日改訂版第1刷発行)には、「うこっけい【烏骨鶏】」の項に「キジ科の鳥でニワトリの一品種。羽毛が白色のものと黒色のものがある。結合組織に多量の色素胞を含むため,白色種も黒色種も,ともに皮膚(ひふ),筋肉,内臓は黒紫色である。羽毛は絹糸のような光沢がある。長寿の源として中国で王侯貴族に用いられた。原産地は中国またはインドで,日本には江戸時代初期に中国から入った。薬膳料理のスープとして用いられることが多い。」との記載がある。

(3) 1989年6月14日付けの日本経済新聞(地方経済面 (中部))には、「トーカイビケン、漢方薬の原料、烏骨鶏の量産に成功――まず卵販売。」の見出しの下に、「...ニワトリの一品種で、古くから中国で薬用鶏として飼育されている烏骨鶏(うこっけい)の量産飼育に成功、生卵や半熟卵の試験販売を始めた。七月東京・晴海で開かれる『フードマーケティングショー』(二十六―二十八日)に出品し、百貨店や健康食品店向けへ本格的に発売する。...七月のフードショーには生卵や半熟卵のほか、すでに一月から発売している卵黄油、近く発売予定の清涼ドリンク剤、卵白を使った菓子などを出品する。...」との記載がある。

(4) 1991年11月14日付けの日刊工業新聞には、「福光屋、健康食品分野に進出。鳥骨鶏商品中心にまず発酵酒販売」の見出しの下に、「...烏骨鶏は中国で古来から目や肝臓、婦人病に効果のある薬用鶏として珍重され、国内でもビタミンやミネラルを多く含むことから健康ブームに乗り、高級健康食品として注目を集めている。...健康美事業部はこの一嘉天の販売のほか、中国医食研究所が商品化している烏骨鶏エキスの顆(か)粒や錠剤、ドリンク、卵からつくった卵黄油など、烏骨鶏商品の代理店販売も全国的に展開する。...」との記載がある。

(5) 1994年12月6日付けの日本経済新聞(地方経済面 (北陸))には、「福光屋――『烏骨鶏』商品を次々開発(ザ戦略北陸の企業)」の見出しの下に、「...福光屋の烏骨鶏商品は、ドリンク、栄養補助食品、卵黄油などのほか、八月からはアイスクリーム、薬膳(やくぜん)スープを発売するなど幅広い。...」との記載がある。

(6) 2001年1月16日付けの中国新聞(朝刊)には、「烏骨鶏の卵でビスケット 下蒲刈の古里産品グループ 観光客からも好評(広島県)」の見出しの下に、「...健康食品として注目されている烏骨鶏(うこっけい)の卵を使ったビスケットを製造、販売している。江戸時代に下蒲刈島を訪れた朝鮮通信使が烏骨鶏を好んで食べていた、という郷土とのかかわりに着眼した新商品で、観光客からも好評を博している。...古里産品グループがつくった烏骨鶏ビスケット」との記載がある。

(7) 2001年3月27日付けの河北新報記事情報には、「販路を開く 東北・農業生産現場」及び「ブランド養鶏 本宮烏骨鶏生産組合(福島・本宮町)/健康ブーム追い風」の見出しの下に、「...健康食品として人気の高い中国原産の鶏の一種『烏骨鶏(うこっけい)』。この鶏を町の特産品として売り込もうと、福島県本宮町の農家や自営業者が1998年4月、本宮烏骨鶏生産組合(...組合長)を結成した。...『今後は菓子類、薫製なども商品化し、これまで以上に客を集めたい』と話し、本宮烏骨鶏のブランド化に一層力を入れていく考えだ。...【写真】烏骨鶏ラーメンの登場もあって、人気は急上昇中だ...」との記載がある。

(8) 2001年12月15日付けの日本経済新聞(夕刊)には、「烏骨鶏2万羽の鶏舎、金沢市――苦心の飼育、卵に結実(いちばん図鑑)」の見出しの下に、「...中国で医薬に使われている烏骨鶏だが、日本では健康食品として人気が広がりつつある。スープやラーメンの具材、カステラ原料など用途は多様。...」との記載がある。

(9) 2003年5月17日付けの河北新報記事情報には、「みせ/『パレット』(宮城・築館町)/素材厳選 パン好評」及び「烏骨鶏の卵でプリンも」の見出しの下に、「...漢方飼料で育てた烏(う)骨鶏の卵を使い、栄養価を重視したプリンも開発した。...」との記載がある。

(10) 2003年7月18日付けの日本農業新聞には、「[消費トレンド]地域限定原料こだわりプリン続々」の見出しの下に、「...烏骨鶏(うこっけい)や名古屋コーチンの卵で作ったプリンも人気だ。...」との記載がある。

(11) 2003年9月6日付けの読売新聞(東京朝刊)には、「[トップインタビュー]中国医食研究所社長 ...=石川」の見出しの下に、「...カステラから基礎化粧品まで四十種類の製品の原料として、鶏の一種、ウコッケイ(烏骨鶏)から抽出したエキスを製造、販売している。...」との記載がある。

(12) 2003年12月28日付けの西日本新聞(朝刊)には、「カステラ1本1万円 パクッと一口500円」及び「北九州市の専門店発売烏骨鶏卵100%使用 『「一期一会」贈り物として好評」の見出しの下に、「北九州市の卵とカステラの専門店が、一本一万円のカステラを売り出し、評判になっている。最高級の卵として知られる烏骨鶏(うこっけい)の卵のみを使用し、厳選した小麦粉や砂糖を使って焼き上げるカステラで、...デフレ、不景気の中、烏骨鶏カステラで元気を出してください...」との記載がある。

(13) 2004年5月29日付けの毎日新聞(大阪夕刊)には、「[味のプレゼント]烏骨鶏マヨネーズ」の見出しの下に、「...中でも自家製烏骨鶏(うこっけい)マヨネーズは大好評。烏骨鶏卵は地元玉城町産。...烏骨鶏マヨネーズ(1箱2個入り、2000円相当)を20人にプレゼントします。...」との記載がある。

(14) 2004年7月15日付けの日経流通新聞MJには、「中国医食研究所、社名『烏骨鶏』に、主力商品と統一。」の見出しの下に、「【金沢】卵や肉などの栄養価が高い烏骨鶏(うこっけい)製品メーカーの中国医食研究所(金沢市)は新会社『烏骨鶏』(同)を設立した。...卵を使ったカステラなどの製品の生産、販売、開発といった主力業務を新会社へ移し、九月一日から営業を始める。...」との記載がある。

(15) 2004年12月2日付けの読売新聞(大阪朝刊)には、「全国の“名菓”15店集合 神戸スイーツハーバー、あす開業=兵庫」の見出しの下に、「...貴重な黒烏骨鶏(うこっけい)の卵を使用したプリンや、甘酸っぱいイチゴとクリームの味が絶妙のクレープなど、趣向を凝らした菓子が楽しめる。...」との記載がある。

(16) 2005年5月18日付けの朝日新聞(北海道夕刊)には、「しょっぷ /北海道」の見出しの下に、「...烏骨鶏(うこっけい)の卵を使った菓子を製造・販売する<カムカンパニー>の『マキマキパイ』などは実演販売。...」との記載がある。

(17) 2005年11月9日付けの朝日新聞(東京地方版/新潟)には、「お歳暮商戦、火ぶた 新潟三越 /新潟県」の見出しの下に、「...今年は、希少な烏骨鶏(うこっけい)の卵を使ったバームクーヘンなどもお勧めという。...」との記載がある。

(18) 2006年1月10日付けのFujiSankei Business i.には、「ホテルオークラ東京が『烏骨鶏(うこっけい)プリン』を販売」の見出しの下に、「...本館一階の『シェフズガーデン テラス』で、『烏骨鶏プリン』を販売している。中国政府機関が認定した指定農場、天来烏骨鶏農場センター(石川県金沢市)の天来烏骨鶏の卵や、徳島県産の和三盆糖などの厳選素材を使用した。...」との記載がある。

(19) 「新宿文明堂」のウェブページ(http://www.tokyo-bunmeido.jp/pitem/56087540)には、「烏骨鶏卵100%使用の限定生産品!★1個500円の烏骨鶏卵を使用!★【文明堂の烏骨鶏カステラ】」との記載がある。

(20) 「IFショップ」のウェブページ(http://store.yahoo.co.jp/if-shop/gc-05s-1026.html)には、「【送料無料】烏骨鶏カステラ(2本)」及び「一年に40個しか産まれない烏骨鶏(ウコッケイ)の卵。その貴重な卵だけを使って作りました。」との各記載がある。

(21) 「烏骨鶏友の会」のウェブページ(http://www.alulu.com/ukokkei/it140.html)には、「烏骨鶏バームクーヘン」、「年平均10日に1個しか産まれない天来烏骨鶏の卵をふんだんに使いました。」及び「烏骨鶏ならではの味わいです。」との各記載がある。

(22) 同じく、「烏骨鶏友の会」のウェブページ(http://www.alulu.com/ukokkei/it27.html)には、「烏骨鶏(うこっけい)プリン」及び「烏骨鶏のたまごをふんだんに使いました。」との各記載がある。

(23) 同じく、「烏骨鶏友の会」のウェブページ(http://www.alulu.com/ukokkei/it43.html)には、「天来烏骨鶏デニッシュパン」及び「烏骨鶏の卵を使って美味しいデニッシュパンを作りました。」との各記載がある。

(24) 「有限会社ダブル・プラン」のウェブページ(http://www.wplan.co.jp/ukkokeikakaku.htm)には、「烏骨鶏商品のご案内」の見出しの下に、「烏骨鶏かりんとう(365円) 烏骨鶏の骨粉と卵にスープ、ジャジー牛乳で練り上げたカルシウムたっぷりのかりんとう。」との記載がある。

(25) 「うなぎの“街道市”」のウェブページ(http://www2.ask.ne.jp/~gen1923/ukokkei%20mayo%20setsumei.htm)には、「烏骨鶏マヨネーズ」及び「幻の鶏と賞賛されてきた烏骨鶏の卵黄と...を使用し製造した手作りマヨネーズです。」との各記載がある。

(26) 「葛城古道茶屋むすひ」のウェブページ(http://katuragikodou.com/menu-bentou)には、「滋味 烏骨鶏しょうゆめし弁当」、「...滋味『烏骨鶏しょうゆめし弁当』の『めし』はこのおいしい『吐田米』と烏骨鶏の肉をしょうゆで炊き込んだ『とりしょうゆめし』です。...」及び「滋味『烏骨鶏しょうゆめし弁当』のおかずの『煮たまご』は当店で飼育している烏骨鶏の新鮮なたまごです。...」との各記載がある。

(27) 「株式会社まる友」のウェブページ(http://www.nas.ne.jp/usr/marutomo/ordemainr.htm)には、「...『烏骨鶏健康ラーメン』は,当社自慢の明るく清潔な農場で、のびのびと放し飼いで育った純正烏骨鶏の高純度粉末とエキス、有精卵を厳選し、生ラーメンに打ち込んで丹念に作り上げた...製麺の過程で麺自体に烏骨鶏の有効成分を打ち込んだ、『味良し健康に良し』のこれまでにないまったく新しい試みの日本で始めての烏骨鶏ラーメンです。」との記載がある。

(28) 「餃子本舗 青山商店」のウェブページ(http://www.rakuten.co.jp/syofuku/598654/699540/)には、「新メニュー!おためし! 『烏骨鶏餃子』&『烏骨鶏焼売』オークション! 貴重な『烏骨鶏』を使いました!」及び「じつは!この烏骨鶏という鶏、非常に高級な鶏! 卵は1個300円から500円という高値!とても栄養価が高く濃厚で美味しい卵なんです!もちろんその肉も貴重品! そんな貴重なお肉を使って餃子と焼売を作ってみました!」との各記載がある。

4 証拠調べ通知に対する意見

請求人は、今回の証拠調べで挙げられた証拠が何ゆえに比較的最近のものだけを集められたのかは、証拠調べ通知にも記載されておらず分からないとした上で、過去の登録例として、「烏骨鶏かすていら」(「烏骨鶏」の漢字部分の上段には、「うこっけい」の平仮名文字が小さく振り仮名風に書されている。)の文字からなり、指定商品を第30類「カステラ」とする登録第2615033号商標外10件(甲第7号証を除いた甲第1号証ないし甲第12号証(枝番のあるものは枝番を含む。))があり、これらが適法に登録されたのであるから、本願商標も同様に登録されるべきであること、また、烏骨鶏は、鳥の一品種を表す名称に過ぎず、本願商標の指定商品の品質や原材料を表すものではない旨意見を述べた。

5 当審の判断

(1) 本願商標は、別掲のとおり、「烏骨鶏」の漢字を横書きし、その上段に「うこっけい」の平仮名文字を小さく振り仮名風に書した構成よりなるところ、その指定商品は、上記1のとおり、第30類「烏骨鶏の卵を使用してなる菓子及びパン」に補正されたものである。

(2) 本願商標に関して行った上記3の職権証拠調べの結果によれば、「烏骨鶏(うこっけい)」とは、アジア東部を原産とするニワトリの一品種であり、中国では古来から目や肝臓、婦人病に効果のある薬用鶏として珍重され、我が国でもビタミンやミネラルを多く含むことから健康ブームに乗り、高級健康食品として注目を集めていること、そして、その烏骨鶏の卵を使用した商品には、ビスケット、プリン、カステラ、バームクーヘン、かりんとう及びデニッシュパン等の菓子・パン類も製造・販売されていること、また、それらの商品を単に「烏骨鶏ビスケット」、「烏骨鶏カステラ」「烏骨鶏バームクーヘン」、「烏骨鶏(うこっけい)プリン」及び「烏骨鶏かりんとう」と称しているものもあることが認められる。

(3) そうとすれば、本願商標をその補正後の指定商品「烏骨鶏の卵を使用してなる菓子及びパン」に使用する場合には、これに接する取引者・需要者に、本願商標がその商品の原材料又は品質を表示するものと認識され得るものであり、かつ、本願商標は、前記商品の取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわなければならない。

(4) 請求人は、上記4のとおり、今回の証拠調べで挙げられた証拠が何ゆえに比較的最近のものだけを集められたのかは分からないとした上で、過去の登録例と同様に本願商標も登録すべきであること、また、烏骨鶏は、鳥の一品種を表す名称に過ぎず、本願商標の指定商品の品質や原材料を表すものではない旨主張する。

しかし、今回の証拠調べで挙げた各証拠が、比較的最近のものであるか否かはさておき、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に当たるものであるかどうか、すなわち、自他商品識別標識として機能し得るか否かの判断時期は、査定又は審決時(本願商標の場合は本件審決時)であるから、それら証拠をもって判断することに何ら問題はない。そして、同号該当性の判断は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるものであって、請求人が例示する過去の登録例が存在することのみによって、本願商標が同号に該当することを否定することはできず、また、本願商標についての同号該当性の判断が、かかる過去の登録例に拘束されるものでもない(平成12年(行ケ)第76号事件 東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)。そうすると、上記認定のとおり、本願商標は、取引者・需要者をして、その補正後の指定商品の原材料又は品質を表示するものと認識され得るものといわなければならない。したがって、請求人の上記主張は採用できない。

(5) 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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