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Trademark Appeal Case

氏のローマ字表記と使用識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−14436(T2004−14436/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「SAWAI」の欧文字を横書きしてなり,第5類「薬剤」及び第32類「清涼飲料」を指定商品として,平成15年9月3日に登録出願,その後,指定商品については,原審における同16年5月20日受付の手続補正書により,第5類「薬剤」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は「本願商標は,ありふれた氏である「沢井」,「澤井」に通じる「SAWAI」の文字を普通に用いられる方法で表してなる標章のみからなるものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第4号に該当する。また,提出された資料からは,本願商標の態様において,かつ,単独で出願人の業務に係るものであると取引者,需要者間に広く知られるに至っているものとは認め難く,本願商標が商標法第3条第2項に該当するという主張は,認められない。」として,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,前記のとおり「SAWAI」の欧文字よりなるところ,日常の商取引において氏を表す場合に,必ずしも漢字のみに限らずローマ字で表示する場合も少なくないところである。

そして,本願商標を構成する「SAWAI」の文字は,「沢井」又は「澤井」の字音をローマ字で表示したものと容易に認識されるものであるところ,該文字は,普通に用いられる書体で表されているものであるから,本願商標をその指定商品に使用した場合,本願商標に接する取引者・需要者は,ありふれた氏の「沢井」又は「澤井」をローマ字で表したものと容易に理解,認識するというのが相当である。

これに対し,請求人(出願人)は,出願人(沢井製薬株式会社)が永きにわたり一貫して医薬品の製造販売事業に携わってきたものであり,本願商標は,使用により識別力を備えるに至った旨を主張している。

そこで,この点について検討するに,当審の手続補足書において提出された証拠(甲第1号証ないし甲第29号証)によれば,本願商標とほぼ同じ書体で使用されていたと認められる証拠は製品一覧表(2002年,2004年,1992年,1994年,1996年)の各表紙の左上に表示されていること,及び,平成16年度新製品一覧表の各表紙の中央上部に表示されていることが一部認められる(甲第1号証ないし甲第5号証及び甲第9号証)にすぎず,他の証拠のほとんどは,「sawai」の文字からなるものであり,他に,図形(丸十の図形)の下に「SAWAI」の文字を併記してなる証拠(甲第25証及び甲第26号証)が一部に認められるだけであって,提出に係る証拠をもってしては,本願商標の態様で統一的に永年使用されてきたものとは,到底認められない。

してみれば,本願商標は,使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至ったものということができないものである。

他に,上記認定を覆す証拠は,見当たらない。

したがって,本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当し,かつ,同法第3条第2項に該当しないとして,本願を拒絶した原査定は,妥当なものであって,取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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