Trademark Appeal Case
全温度スチームの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−23228(T2004−23228/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「全温度スチーム」の文字を標準文字で表してなり、第7類及び第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成15年7月25日に登録出願され、その後、指定商品については、同16年2月16日付け手続補正書によって、第7類「家庭用食器洗浄機、家庭用電気洗濯機」、第9類「電気アイロン」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、その指定商品中の『家庭用食器洗浄機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー』との関係において、『低温から高温までの全温度(に対応する)スチーム』の意味合いを看取させるにとどまる『全温度スチーム』の文字を標準文字で表してなるものであるから、これを前記商品に使用するときは『低温から高温までの全温度(に対応する)のスチームがでる家庭用食器洗浄機・電気アイロン・電気式ヘアカーラー』であることを認識させるにとどまるものであって、自他商品を識別するための標識としての機能を有せず、単に商品の品質・内容・効能を表示したものにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えたが、所定の期間を経過するも、請求人は何らの意見を述べていない。
記
1.「全」、「温度」及び「スチーム」の語の有する意味について、広辞苑等辞書によれば、以下の事実が認められる。
(1)「全」の項に、「まるまる。全部。」(株式会社岩波書店 広辞苑第5版)等の記載がある。
(2)「温度」の項に、「温冷の感覚の度合。」(株式会社岩波書店 広辞苑第5版)等の記載がある。
(3)「スチーム」の項に、「蒸気。湯気。」(株式会社岩波書店 広辞苑第5版、株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典)等の記載がある。
2.新聞記事情報及びインターネット情報において、「全温度スチーム」の文字が、商品「電気アイロン」について使用されている事実。
(1)2002年4月6日付け朝日新聞社(東京朝刊 60頁)に、サンヨーの「コロンシリーズ」として、「低温から高温までの全温度スチームや、スーツなどの立体部のしわを伸ばせるスタンディング・スチームも出来る。」の掲載がある。
(2)東芝コンシューママーケティング株式会社のホームページにおいて、「業界No.1の滑り・・・中略・・・新素材のボロンを採用」2004年8月5日の記事中の「6.その他の機能」として「(2)「全温度スチーム」機能:あて布なしでスチームがけがOK。」の記載がある。 (http://www.toshiba.co.jp/tcm/pressrelease/040805_j.htm)
(3)TOSHIBAのホームページにおいて、コードレススチームアイロン「powerful Lacoo」の紹介中の機能一覧中に「全温度スチーム」の記載がある。 (http://www.toshiba.co.jp/living/webcata/housekeep/ta_fvx2.htm)
(4)アマゾンオンラインのホームページにおいて、「SANYOコードレスアイロン フォレストグリーン」の紹介に、「低温から高温までスチームOK“全温度スチーム”」の記載がある。 (http://www.lovely.ne.jp/amazononline/detail_kitchen/s_B0001ME3TG.htm)
(5)生活家電ディー・プライスのホームページにおいて、「日立コードレススチームアイロン(ホワイト)」の紹介に、「全温度スチーム・パワースチーム」の記載がある。 (http://d-price.co.jp/shop/detail.php?seq=358&Joycartdprice=61dae14162dbe02428f793d410b92d93)
3.「全温度」の文字に関してインターネット情報によれば、以下の事実が認められる。
(1)T−FALのホームページにおいて、「蒸気が違うスチームアイロントライアルキャンペーン!」の紹介中の商品「ヴィルトゥーズ」の説明中に「通常スチームg/分 0〜25(全温度)」の記載がある。 (http://www.t-fal.co.jp/tefal/campaign/trial.asp?mscssid=A5NUU7ESD1CV9MR8PTVAP9HWU7VWDJC3)
(2)amazon.co.jpのホームページにおいて、TOSHIBAコードレススチームアイロンノーブルブラックの製品概要に「全温度3段スチーム」の記載がある。 (http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002Z7MSQ/ref=ase_tokusennettos-22/249-8056089-7866715)
第4 当審の判断
本願商標は、上記第1のとおり「全温度スチーム」の漢字と片仮名文字を、同じ大きさ、同じ書体で等間隔に横書きにしてなるところ、構成中の「全」は「全部」の、「温度」は「温冷の感覚の度合」の意味を有し、「スチーム」は「蒸気」の意味を有する外来語として、一般に良く知られ、親しまれた語であるといえるものである。
そして、「全温度スチーム」の語が、商品「電気アイロン」を取り扱う業界で普通に使用されていることは、上記第3の証拠調べ通知中の2.(1)乃至(5)で通知した、新聞記事情報及びインターネット情報の記載のとおりであり、また、「全温度」の語が、商品「電気アイロン」について使用されている事実があることは、上記第3の証拠調べ通知中の3.(1)及び(2)で通知した、インターネット情報の記載のとおりである。
上記事実を総合すれば、「全」、「温度」及び「スチーム」の文字を結合して一連に表した「全温度スチーム」の文字よりなる本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、全体として「低温から高温までの全温度(に対応する)スチーム」の意味合いを有するものであると、容易に認識、理解されるというのが相当であり、これを本願指定商品中の「電気アイロン」に使用するときは、「低温から高温までの全温度(に対応する)スチームが出る電気アイロン」であることを認識させるにとどまるものであって、自他商品を識別するための標識としての機能を有せず、単に商品の品質・内容・効能を表示したものにすぎないものといわざるを得ないものである。
なお、「家庭用食器洗浄機,家庭用電気洗濯機」の中には、例えば、下記(1)乃至(5)のとおり、スチーム機能を有するものがあることから、本願商標に接する取引者、需要者は、指定商品中の「家庭用食器洗浄機,家庭用電気洗濯機」においても同様に、単に「低温から高温までの全温度(に対応する)スチームが出る商品」であることを認識するにとどまるものと言うのが相当である。
(1)シティ・ガス株式会社のホームページのシティ・ガスショッピングのサイトに「スライドオープン食洗機に「スチーム洗浄」機能搭載の見出しのもと、リンナイ食器洗い乾燥機の商品説明が掲載されている。 (http://www.citygas.co.jp/shop/008139.html)
(2)東邦ガス株式会社のホームページ中に、ビルトインタイプのリンナイ(株)製食器洗い乾燥機の商品説明として「大きなお鍋もまな板も、余裕の大容量ワイド引き出し式。大家族の食器もラクラク、スチーム洗浄でスッキリ落とします。」の記載がある。 (http://www.tohogas.co.jp/living/kitchen/wash/img_p/03.pdf)
(3)ネット通販mallのサイトに、東芝食器洗い乾燥機輝き仕上げDWS−60X6の商品説明に「新洗浄方式・高温スチームパワー、4つの引き出しカゴ採用」の見出しのもと、「●うかす!とかす!飛ばす!洗浄力アップの『スチームつけおき洗い』コース搭載」の記載がある。 (http://www.tac-net.ne.jp/~kujime/netmall/c_kaden/araikansou.html)
(4)日立ホーム&ライフソリューション株式会社のホームページ中の2005年5月26日のニュースリリース記事として、「業界初『ナノスチーム浸透洗浄』方式を採用し、洗浄力がアップした食器洗い乾燥機『ナノスチーム浸透洗浄きらきら生活』KF=W70EVを発売」の記載がある。 (http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/05/0526a.html)
(5)三洋電機株式会社のホームページにドラム式洗濯乾燥機AWD=ST74の商品説明として、マンションにぴったりのコンパクトボディ スチームランドリーとして、スチーム洗浄機能、スチーム乾燥機能の説明が記載されている。 (http://www.sanyo-laundry.com/st74/index.html)
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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