Trademark Appeal Case
商品の用途表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−10187(T2004−10187/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「金運の絵馬」の文字を横書きしてなり、第20類「絵馬」を指定商品として、平成15年7月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「神社等において、金運の向上を祈願する『絵馬』が取引されている実情からすると、本願商標は、これを本願の指定商品に使用しても、『金運の向上を祈願する絵馬』程の意味合いを認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「金運」の文字は、「お金についての運勢。金が手に入る運。」を意味する語としてよく知られ親しまれているものであるばかりでなく、「開運」、「無病息災」、「家内安全」、「交通安全」、「学業成就」、「合格祈願」等と同様に、神社仏閣において祈願する際に用いられる用語としても普通に使用されているものである。
ところで、本願商標の指定商品である「絵馬」は、「祈願や報謝のために、社寺に奉納する絵の額。馬または木馬を奉納する代わりに馬の絵を描いたが、後に馬以外の画題も扱われるようになった。」(岩波書店「広辞苑第5版」)とされるものであり、社寺から請い受けて身に帯びたり門戸に張りつけたりする「守り札」や、この守り札を入れて身につけておく袋である「守り袋」等と同様に、神社仏閣において提供され、祈願や祈願成就の感謝の証として奉納されているものである。そして、絵馬には、馬の絵を始めとする各種の絵と共に、上記祈願用語が記載されているのが通例であり、請求人の提出に係る証拠によれば、「絵馬」は、その祈願目的、記載された絵、形状等によって「祈願絵馬」、「開運絵馬」、「招福絵馬」、「安産絵馬」、「合格祈願絵馬」、「学業成就絵馬」、「初宮絵馬」、「七五三絵馬」、「七福神絵馬」、「稲荷絵馬」、「羽子板絵馬」、「五角合格」等と称して取引されていることが認められる。
また、絵馬について、例えば、新聞報道において「・・・神職が描いた開運の竜や金運の小判などの特性の『手描き絵馬』に・・・」(2003.05.04読売新聞大阪朝刊)、「『金運向上』には『宝くじが当たる』と評判の宝当神社(唐津市)で、会場にはお守りや絵馬なども展示している。」(2004.12.30毎日新聞地方版/福岡)等と掲載されているものや、インターネット上のサイトにおいて「大前恵比寿神社・・・金運招福を願う人達が、たくさんの絵馬を掛けていきます。・・・皆様の願いを宮司が絵馬に記入し・・・」(http://www.ebisujinja.com/omamori.html)、「★風水絵馬&置物&コード★金運アップ★ ・・・黄色の色は金運・クジ運向上願掛けの色です。・・・」(http://bidders.auction.biglobe.ne.jp/item/)、「eお守り発行サイトが電子絵馬サービスを開始・・・幸せを呼ぶ絵馬、夢を叶える絵馬、元気の出る絵馬、金運の絵馬の5種類です。」(http://www.e-omamori.com/Ema/emadisp.asp?n=4&p=1&s=1)等と記載されているものがある。
かかる実情の下に、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、金運を祈願するための絵馬であることを認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
なお、請求人は、「金運」の文字が指定商品に現実に使用されていないから本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、ある商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かで争われた裁判(東京高裁 平成12(行ケ)76 平成12.9.4判決)において示された「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」との判示は、取引者、需要者が金運を祈願するための絵馬として認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識として認識し得ない本願商標にも、そのまま当てはまるものであり、当審も同様に判断するものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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