Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−13488(T2004−13488/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「抗酸化エッセンスイオン」の文字を標準文字で書してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成15年8月7日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、「抗酸化エッセンスイオン」の文字を書してなるところ、化粧品等を取り扱う業界において、皮膚など体内の細胞を酸化させ老化の原因物質とされる活性酸素の悪影響を防止・軽減させるめ、抗酸化作用を応用した各種の化粧品・石けん等が開発・販売されていること、さらに抗酸化作用を応用した美容液・化粧水を「抗酸化エッセンス・抗酸化化粧水」と称している事実が存在すること、そして、マイナスイオンが活性酸素を無毒化するとされることからイオン導入のための化粧品が開発・販売されていることより、全体として「抗酸化作用を有するイオン導入用の美容液」あるいは「イオンを応用した抗酸化作用を有する美容液」程の意味を極めて容易に理解させるものであり、たとえ、同書同大でバランスよく一連に書されているとしても、これに接する需要者・取引者が、愛称的な言葉や特異なネーミングとして認識するとは言い難く、これをその指定商品中、前記の美容液について使用するときは、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の1.ないし4.の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。
1.「抗酸化」の語の使用事実
(1)「抗酸化物質」の項目として、「活性酸素の悪影響を軽減する物質。緑茶に含まれれるカテキン、赤ワインやチョコレートに含まれるポリフェノールなどが代表的。美容の分野でも、これらの抗酸化物質を取り入れた化粧品が注目されている。」との記載(現代用語の基礎知識2003 1200頁)
(2)NPO法人アンチエイジングネットワークのホームページにおいて「注目の抗酸化成分」の項目として、「■肌老化を防ぐ抗酸化成分 ●ビタミンC 美肌の万能成分、ビタミンC。抗酸化成分、コラーゲン増加作用など、美白効果以外にも、実にさまざまな有効な作用があります。以前から「肌によい」とされてきたビタミンCも、実は大変壊れやすい成分のため、浸透力が弱く効果はあまりありませんでした。しかし、「リン酸Lアスコルビル」など、ビタミンCの分子に少し手を加えて改善した「ビタミンC誘導体」と呼ばれる成分が登場し、壊れにくく、有効成分が浸透できるようになりました。また、最近では高濃度のまま安定化された「高濃度安定型ビタミンC」も普及してきています。 ・抗酸化作用 紫外線などの刺激が与えられると活性酸素が発生して、細胞が傷つけれますが、ビタミンCにはそれを防ぐ作用があります。特にビタミンC誘導体は紫外線が当たっても、酸化することもなく活性酸素から肌を守ってくれますので、日中の紫外線を浴びる前、朝のスキンケアとして使うのも効果的です。」との記載(http://www.anti-ageing.jp/seibun/kousanka/)
(3)「じっくりビタミンC -vitaminC-」の項目として、「ビタミンCには、こんな効果があります。1.抗酸化作用 2.コラーゲンの生成促進 この2つが大人のニキビに作用するとき、それは「じっくり」です。まず「抗酸化作用」とは、肌に害をおよぼす活性酸素を消去する働きのことです。大人をとりまく環境は、タバコの煙や排気ガス、睡眠不足やストレスなど、活性酸素をうみだす要因がいっぱいです。その強力な殺菌作用は、体を細菌などからまもるために不可欠ですが、活性酸素がふえすぎると、皮膚細胞を傷つけてしまうので、肌の免疫力がダウンして、炎症をおこしやすくなったり、肌のターンオーバーのサイクルがみだれて、角質層が厚くなったり、『おとなのニキビ』にわるい影響をあたえてしまいます。この活性酸素を除去する「抗酸化作用」は、大人の肌にはとても重要な作用です。」との記載(http://www.otona-nikibi.info/vc_slow.html)
(4)日本抗酸化学会のホームページにおいて、「抗酸化とは」の項目として、「人間は空気を吸って生活しています。空気の21%は酸素です。酸素は体の中で栄養素と結びついてエネルギーを作り出します。ところが体の中に入った酸素がすべてエネルギーを作るために使われれば良いのですが、使われなかった分は酸化してしまいます。簡単に考えると「さび付いた状態」になるということです。金属にさびが出た状態を想像してください。それと同じ現象が体の中で起きると考えてください。一度酸化がおき始めるとどんどん連鎖反応で進んでしまうのです。体の中の機能がさび付くと正常な働きが出来なくなり、糖尿病、高脂血症、肝臓の機能の低下などなどの生活習慣病といわれる問題が起きてきます。体の中を錆付かせないようにするのが「抗酸化作用」(酸化を抑える作用)と言えます。つまり、活性酸素を取り除き、生活習慣病を予防や老化を抑えることです。動脈硬化や、ガンなど生活習慣病、白髪やしみ、しわなど老化の原因で、肝臓にもっともたまりやすいといわれています。」との記載(http://www.jsa-site.com/about_kousanka.htm)
2.「エッセンスイオン」の語の使用事実
(1)「最強ビタミンC10%イオン導入エステ!」の見出しで、「高濃度の水溶性ビタミンC誘導体のエッセンスイオンを導入!!増えてしまったシミの素(メラニン色素)にダイレクトに働きかけ若々しい肌に!シワ・タルミ・毛穴の広がりが気になる方におすすめです!」との記載(http://www.cathy-n.com/beauty/ion/ion.html)
(2)「ブライダルエステのご案内」の項目として、「シンプルコース(4回):30,000円」の中に「吸引・エッセンスイオン導入」との記載(http://www2.odn.ne.jp/primary/page019.html)
3.「イオン導入用エッセンス(美容液)」の語の使用事実
(1)「インディバ・ジャパン[INDIBA JAPAN] 肌に優しい高濃度ベアベリーエッセンス(イオン導入専用エッセンス)」の項目で、「エステやサロンで注目のイオン導入エッセンス”ベアベリーエッセンス”・・・[お手入れ方法] イオン導入用エッセンスですが、濃度を高くしてありますので、そのままお使いになれます。」との記載(http://cosme.beauty-style.tv/item/58-42.html)、また、インディバ日本総輸入元・販売元 株式会社 インディバ・ジャパンのホームページにおける「ベアベリー・エッセンス(スキン・ケア用)」の項目として、「メラニン生成の抑制効果とメラニン生成の 因をなすチロシナーゼ活性阻害のほかメラニンそのものを分解する美白効果を主とします。イオン導入専用エッセンス/6mlX4本」との記載(http://www.indiba.co.jp/goods/2/essence3.html)
(2)「ESSエステVCエッセンス」の項目で、「イオン導入用の美容液としてつくられたビタミンCの美容液。美白や保湿効果の高いクワエキス、ユキノシタエキス、ハトムギエキス、甘草エキスなどの植物成分とビタミンC誘導体を配合。イオン導入時だけでなく普段の美容液としても。ビタミンCは美白作用だけでなくハリを保つコラーゲンの生成促進や皮脂抑制などの働きを持つといわれています。」との記載(http://cosme.beauty.yahoo.co.jp/bin/search?type=detail&idx0=343513&come=sbrand)
(3)「イオン導入器&専用美容液」の項目で、「μ3専用ディープクレンジングローション(イオン導入用美容液) 成分中の炭酸水素ナトリウムが、落ちにくい汚れを分解・吸着。エレクトロクレンジング機能を高めて細部の汚れもきれいに落とします。」、「ビューリ エッセンス(イオン導入用美容液) 鈴木形成外科・鈴木晴恵院長が監修。植物性プラセンタと呼ばれる「バイオアンテージ」を中心に、リン酸型ビタミンC、ヒアルロン酸を配合。」との記載(http://www.mk-s.jp/mk/item_list_p_all.jsp?pid=05_01)
(4)「イオン導入専用エッセンス プロ使用 スキンロジカル「プロ」シリーズ」の項目として、「イオン導入専用エッセンス「スキンロジカルシリーズ」のプロ仕様です。最初はスキンロジカルシリーズで、徐々にプロ仕様に切り替えていくことをお薦め致します。業務用で容量もたくさん入っています。実際にクリニックで使用されており、イオン導入専用エッセンスとして、本当に良質です。2種類をご用意しておりますので、お悩みにあわせて、お選び下さい。イオン導入は何を導入するかという「エッセンス選び」が重要です。」との記載(http://www.hapima.com/prd/02000167/0200016700134/)
4.「抗酸化力の高いマイナスイオン配合の美容液」の使用事実
(1)「BEAUTY MALL EXCITE」の「フェイシャルケア」の項目として、「イオン導入×エレクトロクレンジング(肌深部に美容成分を浸透&ディープクレンジング) 皮膚には雑菌の進入を防ぐバリアゾーンという自然障壁があります。そのため、肌にただ塗布しただけでは美容成分は浸透できません。そこで微弱電流を流して栄養分をイオン化し、電極の反発しあう力を活用することによって、肌の奥深くまで浸透可能にしたのが、今話題のイオン導入です。エレクトロクレンジングで、洗顔では落としきれない毛穴や肌深部に溜まった汚れも、微弱電流のパワーで吸着し取り除いていきます。 ⇒美白成分ハイドロキノン、抗酸化成分ビクノジェノールなど、話題の美容成分を国内で唯一導入できます。」との記載(http://www.bme.ne.jp/bme/facial.html)
(2)「美白工房」の「クリスタルメイクエッセンス」の項目として、「お肌の老化(酸化)を抑える抗酸化力の高い天然ミネラルマイナスイオン配合で、<美容液>+<ベースメイク>+<保湿パック>+<UVカット>と4つの機能が揃った全く新しい美肌を育てるベースメイク美容液です。危険な紫外線もカットして素肌美を守ります。アロエベラ、おとぎり草、褐藻、カミツレ、トウキンセンカ、冬菩提樹花、矢車菊、カミツレなどの植物エキスによる長時間保湿パック効果とリフトアップ効果に優れた人気アイテムです。」との記載(http://www.bihaku-kobo.com/cristal.htm)
第4 職権証拠調べに対する意見
請求人(出願人)は、上記証拠調べ通知に対して、「「抗酸化」という言葉や、「エッセンスイオン」という言葉は、この業界にある言葉かもしれないが、本願商標は、「抗酸化」、「エッセンス」及び「イオン」という言葉を一連に一体不可分に結合してなる「抗酸化エッセンスイオン」という、出願人が作出した全くの造語である。そのため、この「抗酸化エッセンスイオン」なる表示は、この業界以外の人はもちろん、この業界の者にとっても日常的に使う言葉ではなく、聞きなれてもいない言葉であるから、本願商標は、非常に変わった新造語としてとらえられ、その意味合いが決して単なる内容表示として認識されるとは考えられず、十分に自他商品識別力を発揮し、十分に商標の資質を有するものである。」旨述べている。
第5 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり、「抗酸化エッセンスイオン」の文字を書してなるところ、職権証拠調べで挙げた使用事実、すなわち、「抗酸化」、「エッセンスイオン」、「イオン導入用エッセンス(美容液)」及び「抗酸化力の高いマイナスイオン配合の美容液」の使用事実よりすれば、請求人(出願人)が、本願商標をその指定商品中の「抗酸化作用を有するイオン導入用の美容液」又は「イオンを配合した抗酸化作用を有する美容液」に使用するときは、これに接する需要者等は、これを特定の意味合いを有しない造語と認識するというよりは、むしろ、該商品が「抗酸化作用を有し、イオン導入用に使用される美容液であること」又は「イオンが配合された抗酸化作用を有する美容液であること」を表すものと看取し認識するというのが相当である。
(2)ところで、請求人(出願人)は、「本願商標は、「抗酸化」、「エッセンス」及び「イオン」という言葉を一連に一体不可分に結合してなる新しい造語であり、単なる内容表示としては認識されず、自他商品識別力を発揮するものである。」旨主張している。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年9月4日判決 東京高裁平成12年(行ケ)第76号)とされるように、たとえ、「抗酸化エッセンスイオン」の語順自体が、一般に使用されていない羅列によるものであるとしても、これを構成する各単語の語義及び前記の使用事実よりすれば、前記(1)の認定のとおり看取し認識されるというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有さないものといわざるを得ない。
したがって、請求人(出願人)の前記主張は採用することができない。
(3)以上のとおり、本願商標をその指定商品中、「抗酸化作用を有するイオン導入用の美容液」又は「イオンを配合した抗酸化作用を有する美容液」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品の品質を表示したにすぎないものと理解し、自他商品識別標識としての機能を有するものとは認識しないというべきであって、また、その指定商品中、前記照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれのあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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