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Trademark Appeal Case

品番・型式表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2005−89043(T2005−89043/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4789337号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4789337号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年10月17日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポータ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品として、同16年6月11日に登録査定がなされ、同年7月23日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第4592004号商標は、「ケイツー」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成12年8月15日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,落下傘」、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、平成14年8月2日に設定登録されたものであり、その外に、別掲(2)ないし(10)に示したとおりの9件の登録商標(以下、これらの商標を纏めて「引用商標」という。)を引用している。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第95号証を提出した。

(1)商標法第3条第1項第3号、同第5号及び同第6号について

本件商標中の前半の「K」の部分は、「アルファベットフォント一覧」(甲第2号証)によれば、本件商標中の「K」とほとんど同一の書体と認識されるものが見られる。およそフォントなるものは、厳格に定型化されたものではなく、自由に美観をかもし出すように状況に応じ創作し、変形して差し支えないもので、あくまでも一つの事例に過ぎないものであることからすれば、本件商標中の「K」は、完全に文字の範疇に属するものと認識され、直観されるものというべきである。

次に、本件商標中の後半を検討するに、当該部分は、見る人によって、数字の「2」とアルファベット文字「O」と見えたり、数字だけの「20」と認識されるかもしれないが、いずれにしても、あまりにも簡単な文字、数字から成るに過ぎないものである。

このことは、「商標審査基準」(甲第3号証)に照らして考察しても、首肯し得るものであり、株式会社パテントジャパン発行「商標顕著性事典」(甲第4号証)の商標法第3条第1項第5号の拒絶一覧表を見ても、多数の事例が存在するものである。

そして、アルファベット文字「K20」をネットで検索すると、36694件ヒットし、そのうち、被服、その他の商品の品番、型式、記号として使用されているものは、甲第5号証ないし甲第23号証のとおり、多数存在することが判明した。

してみれば、本件商標は、アルファベット「K」と数字の「2」及びアルファベット文字「O」を平易な書体で表示されたものと認識されるか、アルファベット文字「K」に数字の「20」を付加したものにすぎないと認識されることが明らかであり、かつ、種々の商品の番号、型式等に広く使用されているものであるから、まさに、審査基準及び審査・審判例どおりに、商標法第3条第1項第3号、第5号又は第6号の規定に該当し、自他商品識別力を否定され、その登録を拒絶されるべきである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

仮に、本件商標の自他商品識別力が是認されるとしても、本件商標は、請求人が所有し、かつ使用する引用商標に抵触するものである。

本件商標の構成は、前記したとおりであるから、アルファベット大文字「K」、数字「2」、アルファベット大文字「O」との結合からなると認識された場合には、「ケイツーオー」と呼称されるものである。

しかして、「K2」が後述するとおり、請求人の著名商標と共通する文字及び数字を要素としてなり、「O」が商品の記号的なものと認識され得るから、本件商標は、単に「ケイツー」とも省略して認識される場合があるものといわなければならない。

他方、引用商標は、アルファベット文字「K」と数字の「2」を素材としてなること明らかであり、「ケーツー」の呼び名で著名商標となっているものである。

したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似する商標といわなければならない。そして、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似の関係にあることは多言を要しないところである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

さらに、仮に、本件商標が商標法第4条1項第11号にも該当しないとしても、同法第4条第1項第15号に該当するものである。

請求人の製造・販売に係る「K2」ブランドのスキーは、1964年製造開始当時、僅か250組の販売にすぎなかったものが、1965年のワールドカップ大回転や1984年のサラエボオリンピック等において、「K2」ブランドのスキーを使用した選手が活躍したこと等により、その性能と独創性から一大人気を博し、僅か数年で数万台規模の販売数に伸びるに至った(甲第35号証)。

請求人は、1978年にわが国において、株式会社ケーツージャパンを設立し、スキー以外のスノーボード、マウンテンバイク、インラインスケート、スケートボード等の製造販売にも積極的に進出し、それに関連するバッグ、シャツ、パンツ、ジャケット、手袋、帽子、靴類を並行して販売しており(甲第43号証ないし甲第70号証)、これらの商品は、大手のスポーツ用品量販店であるVictoriaや石井スポーツ等でも数多く取り扱われている(甲第71号証ないし甲第85号証)。

そして、ケイツージャパン社は、1982年頃から今日にいたるまで継続して、日本スポーツ工業新聞社(甲第87号証)、株式会社山と渓谷社発行の雑誌「skier」(甲第88号証、甲第91号証)ばかりでなく、ケイツージャパン社のホームページにおいても、「K2」ブランドの宣伝・広告をすると同時に、多くのスポーツイベントを開催している(甲第89号証、甲第90号証)。

その結果、「K2」ブランドのスノーボードの売上では、わが国における主要ブランド別売上で首位となり、スキーの売上でも上位10社以内に位置するようになっており(甲第92号証、甲第93号証)、「K2」の標章は、請求人の社章として、また、ブランドとして著名になっていたものである。この事実は、「K2」ブランド品の日本における各取扱店の証明書でも証明されている(甲第71号証ないし甲第85号証)。

したがって、引用商標は、スポーツ分野で著名であり、かつ、請求人により、様々な商品化・サービス化が行われているから、当該著名な引用商標を含んでなる本件商標がその指定商品に使用された場合には、請求人の努力によって化体された引用商標の顧客吸引力を利用していると直観され、請求人と経済的・資本的・組織的になんらかの関連のある商品であろうと看者に混同を起こさせるものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、答弁していない。

5 当審の判断

請求人は、本件商標は商標法第3条第1項第5号にも該当する旨主張しているので、この点について検討する。

本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなるところ、全体としてやゝデザイン化された構成からなっているものではあるが、その字形からみて、アルファベットの「K」の文字と数字の「20」を表したものと容易に理解・認識し得るものである。この点、「K」の文字は、やゝ特徴のある書体からなってはいるが、請求人の提出に係る「アルファベットフォント一覧」(甲第2号証)に照らしてみれば、該字形と似通った態様の「K」の文字が複数掲載されており、しかも、本件商標の場合は、該字形が単独で表されているのではなく、「20」の数字とともに表されていることとも相俟って、アルファベットの「K」以外のもの、例えば、図形の如きものとして認識されるおそれはないものというべきである。

しかして、様々な商品分野において、自己の製造・販売に係る各種商品について、その商品の管理等の必要性から、商品の品番又は規格等を表示するために、欧文字と数字の組合せからなる記号・符号が用いられており、欧文字の「K」と数字の「20」との組合せも例外ではない。

これを請求人の提出に係る甲号証に照らしてみれば、本件商標の指定商品以外の商品分野においては、くまの親子オルゴールの品番として「K20」の表示が用いられており(甲第7号証及び同第23号証)、神楽の面(大国主命)の品番として「K20」の表示があり(甲第8号証)、人形の隆鳳の日本人形価格表に「K1」から「K43」までの品番が用いられており(甲第9号証)、オーガンジーの品番として「K20」等の表示があり(甲第10号証)、宝石類の分野においても「K20」が品番として使用されており(甲第11号証)、屋台などで使用される吊り下げ旗についても「K20」をはじめ「K」に二桁の数字を付加して品番として使用されており(甲第12号証)、パッチワーク材料、服地、民芸品材料等に使用される反物の品番にも「K20」が使用されており(甲第13号証)、吸いのみの品番としても使用されており(甲第17号証)、ラテラルロッドの品番にも「K20」が用いられており(甲第18号証)、ユニワイヤの型式にも「K20」が使用されており(甲第19号証)、DVDの品番にも「K20」が使用されており(甲第20号証)、ピアノのモデル(型式)にも「K20」等が使用されており(甲第21号証)、花瓶においても「K20」が商品番号として使用されている(甲第22号証)。

そして、本件商標の指定商品の分野についても、婦人服の上衣デザインパターン番号として「K20」の表示があり(甲第5号証)、長袖ブルゾンの品番として「K20」の表示が使用されており(甲第6号証)、パウスカートの商品番号として「SKーK20」の表示が用いられており(甲第14号証)、ジャケットの商品番号として「K20」の表示があり(甲第15号証)、マフラーキットの商品番号としても「K20」の表示が使用されている(甲第16号証)。

上記の事実に照らしてみれば、「K20」の表示は、本件商標の指定商品ばかりでなく、様々な商品分野において、商品の品番又は規格等を表わすための表示として、取引上普通に採択・使用されているものということができる。

そうとすれば、本件商標は、全体としてみても、特殊な構成態様からなるものとはいうことはできず、これに接する取引者・需要者をして、商品の種別、型式、規格、品番等を表すための記号・符号の一類型を表示したものとして理解させるに止まるというのが相当である。

してみれば、本件商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべきものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。

この点について、被請求人は、請求人の主張に対して、何ら反論していない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第5号に違反してされたものであるから、請求人のその余の主張について判断するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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