結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30883(T2005−30883/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4115379号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年2月2日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,印刷物,文房具類」を指定商品として、同10年2月20日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
本件商標は、請求人が調査したところによれば、商標権者によって日本国内において継続して3年以上指定商品中、第16類「文房具類」について使用された様子がない。また、本件商標の登録原簿には専用使用権並びに通常使用権の設定登録がなく、このため使用権者が存在するとも思えず、これらの者が前記商品について使用している形跡もない。
したがって、本件商標の指定商品中「文房具類」については、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消しを免れないものである。
(1)通常使用権の許諾について
被請求人が株式会社キアラ(以下、単に「キアラ」という。)に対して通常使用権を許諾していることは不知である。
なお、乙第1号証によれば、キアラの代表取締役であるとされる橋本浩二の住所は、「東京都八王子市長房町1592番地の5」であり、被請求人とは別人である。また、他に、被請求人とキアラの代表取締役とが同一人であるとする証拠はなく、被請求人が、本件商標についての通常使用権を当該会社に対して許諾しているとする主張は成り立たない。
(2)本件商標の使用について
以下は、キアラが通常使用権者としての権原を有していることを前提に弁駁する。
ア 乙第3号証(パンフレット)について
乙第3号証は、会社案内ともいうべきものであって、会社の沿革、業務内容等を紹介する目的で作成されたものである。会社案内は、それ自体が商品の販売等を目的に作成されていないので、商品についての記事が掲載されていたとしても、それは取扱商品を紹介しているのであって、商品の宣伝又は広告のために作成される商品カタログとは異なるものである。
13頁下段左欄に「1998年5月 オリジナル封筒、レターヘッドの販売開始」が記載されているが、本パンフレットには、「オリジナル封筒,レターヘッド」が如何なるものであるについての具体的な記載がなされていない。換言すれば、これらの記載は、商品の宣伝又は広告といったものではなく、1998年5月にオリジナル封筒及びレターヘッドの販売を開始したということだけのことであり、本件商標の使用事実を示すものではない。たとえ、14頁に本件商標が記載されているとしても、これは、上記商品の広告として使用されたものでないから、本件商標が「オリジナル封筒、レターヘッド」に使用されていることにはならない。
また、9頁下段に記載された「様々な印刷物の企画・デザイン・印刷」の記載は、これらの業務を引き受けることができる旨を記載したものであり、当該記載が、「オリジナル封筒及びレターヘッド」に本件商標が使用されていることを示すものでない。
さらに、乙第3号証の裏表紙右下「2005.1」の記載により、本パンフレットが西暦2005年1月に作成されたことを証明しているとしても、本パンフレットには「オリジナル封筒、レターヘッド」が記載されてなく、また、同商品についての広告は掲載されていないから、結局のところ、同商品に使用していることを示す証拠とはなり得ない。
イ 乙第4号証(森下幸証明書)について
乙第4号証には、証明者が被請求人の依頼によって乙第3号証のパンフレットを印刷したことが記載されているが、他に印刷年月日、印刷部数、印刷価格等についての記載がないので、パンフレット印刷についての証明力を有していない。
また、証明書作成者は、被請求人が乙第3号証のパンフレットを被請求人の顧客に配布したことを証明しているが、被請求人から乙第3号証パンフレットの配布を受けた者による証明がなされていないので、被請求人が乙第3号証のパンフレットを被請求人の顧客に配布したとの部分には疑問がある。
仮に、被請求人の顧客に配布していたとしても、前述したとおり、乙第3号証のパンフレットは商品の広告をしたものではないと認められるから、本件商標を使用していたとする証拠になり得ない。
ウ 乙第5号証(封筒)、同第6号証(レターヘッド(ルーズリーフ用紙))について
乙第5号証の封筒及び同第6号証のレターヘッド(ルーズリーフ用紙)は、いずれも商品であるかが疑わしいものである。なぜなら、提出された封筒及びレターヘッド(ルーズリーフ用紙)は、他に販売価格、販売数量、販売店などについての証明がなされていないので、これらが商品として流通しているものであるか否か全く不明である。
乙第5号証及び同第6号証に付された標章は、本件商標と類似ではあっても、同ー又は同一とみなされるものでない。また、当該標章は、いずれも自他商品を区別するための標識として使用されているのではなく、封筒及びレターヘッド(ルーズリーフ用紙)に施されたデザインの一部として施されていると認められる。したがって、乙第5号証の封筒及び同第6号証のレターヘッド(ルーズリーフ用紙)が商品であるとしても、当該商品には本件商標が使用されているとはいえない。
仮に、封筒及びレターヘッド(ルーズリーフ用紙)であるとすれば、それは,被請求人又は通常使用権者であると称する者が自家用として製造したものである。
したがって、乙第5号証及び同第6号証は、商品とは認められないものであるから、たとえ、第三者から当該商品を作成・納品したとする証明書(第7号証)が提出されたとしても、これによって、本件商標がキアラによって「封筒,レターヘッド,ルーズリーフ用紙,リポート用紙」について使用されていたことを証明することにはならない。
エ 乙第7号証(竹嶋和義の証明書)について
乙第7号証は、印刷タケシマが、乙第5号証、同第6号証の「封筒及びリポート用紙」をキアラに納品したことを証明した証明書であるが、第3(被請求人の答弁)2(3)によれば、「キアラが本件審判請求に係る指定商品「文房具類」に含まれる商品「封筒,ルーズリーフ用紙」について本件登録商標の使用をしていることが証明されている。」であって、証明書と第3(被請求人の答弁)2(3)とでは、商標を使用している商品が異なっている。
なお、乙第7号証は、証明書中で「当社が貴社からのご依頼により、」と記載されているが、法人としての種類が表記されていないので、当該証明書は、法人の証明書であるか又は個人の証明書であるかが明確でなく、この点からも証拠能力に問題がある。
(3)結論
以上のように、本件商標は、キアラによって指定商品中「文房具類」に含まれる商品「封筒,レターヘッド,ルーズリーフ用紙,リポート用紙」のいずれにも使用されていないものであるから、指定商品中「文房具類」については、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁の理由をを要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出した。
被請求人(橋本浩二)は、「東京都八王子市日吉町10番18号」に本店を有するキアラの代表取締役である(乙第1号証)。
しかして、本件商標は、その全指定商品について、被請求人が経営するキアラに使用させる目的で登録させた商標であり、登録された時点から現在に至るまで継続して無償の通常使用権を許諾している(乙第2号証)。そのことは、被請求人の商標原簿上の住所(居所)と、キアラの本店住所が同一であることからも、客観的に認められるところである。
(1)キアラは、本件商標を、本件商標に係る指定商品(封筒、レターヘッド(ルーズリーフ用紙))に関する広告(乙第3号証:パンフレット)に付して展示し若しくは頒布しており、これは、商標法第2条第3項第8号に規定される商標の「使用」に該当する。
すなわち、乙第3号証本文の14頁(裏表紙の前頁:右隅上部に鉛筆でP14と注記した。乙第3号証の頁について、以下同じ)上段には、本件商標がマルRの記号(審決注:登録商標である旨の円内にRの文字の表示)と共に付されている。同13頁下段左下行には「1998年5月 オリジナル封筒、レターヘッドの販売開始」と記載され、同2頁下段の「キアラの充実サポート」の欄には「オリジナル封筒・レターヘッド作成」と記載されている。同9頁下段には「様々な印刷物の企画・デザイン・印刷」と記載され、その下には「...封筒...」と記載されている。これらの記載から、乙第3号証が、本件商標に係る指定商品「封筒、レターヘッド(ルーズリーフ用紙)」の印刷・販売に関する広告を含むものであることが判る。
乙第3号証が作成され頒布された日時については、裏表紙右下隅に「2005.1」と記載され、西暦2005年1月であることが示され、森下幸の証明書(乙第4号証)により、平成17年1月頃に作成され頒布されたことが証明されている。
(2)キアラは、本件商標を、その指定商品「封筒」(乙第5号証)、及び「レターヘッド(ルーズリーフ用紙)」(乙第6号証)に付して譲渡しており、これは、商標法第2条第3項第1号又は第2号に規定される商標の「使用」に該当する。
すなわち、乙第5号証及び乙第6号証の表紙下段には、本件商標(標章)と同一と見なされる商標(標章)が付されている。
乙第5号証及び乙第6号証が作成され譲渡された日時については、竹嶋和義の証明書(乙第7号証)により、平成10年5月頃から現在に至るまで継続して作成され譲渡されたことが証明されている。また、上記乙第3号証及び乙第4号証により、遅くとも西暦2005年1月頃には、乙第5号証及び乙第6号証が作成され譲渡されていたことが示されている。
(3)以上のように、乙各号証により、本件審判請求の登録前3年以内に、本件通常使用権者であるキアラが本件審判請求に係る指定商品「文房具類」に含まれる商品「封筒、ルーズリーフ用紙」について本件商標の使用をしている。
よって、本件審判請求に係る指定商品について本件商標の登録を取り消すことはできない。
(1)通常使用権の許諾
ア 被請求人が、本件商標について通常使用権をキアラに対して許諾している事実は、被請求人提出の乙第1号証及び乙第2号証によって既に立証されている。
なお、被請求人の本件商標原簿上の住所(居所)「東京都八王子市日吉町10−18」は、被請求人が代表者であるキアラの本店住所と同一であって、被請求人の居所である。この事実は、本件審判請求書及び本件弁駁書が、特許庁により、被請求人の上記居所宛に送達されている事実からも明らかである。
(2)乙第3号証(パンフレット)
ア 請求人は、乙第3号証パンフレットは商品の広告をしたものではないと認められるから、本件商標を使用していたとする証拠になり得ないと主張する。
しかしながら、前述(2(1))のとおり、具体的に指摘した箇所で、本件商標に係る指定商品に含まれる商品が、本件通常使用権者(キアラ)の印刷・販売する取り扱い商品であることが記載されている。
例えば、乙第3号証の第2頁下段には「オリジナル封筒・レターヘッド作成」と記載され、その右側には「潜在顧客」と記載され、さらにその右側には「CHIARAサポート」と記載されている。このように、乙第3号証には、本件通常使用権者であるキアラが、本件商標の指定商品に含まれる「封筒及びレターヘッド」を業として作成し、顧客に対し譲渡する旨の「広告」文書が明らかに示されており、同14頁上段には、本件商標が付されている。
乙第3号証には、キアラの会社案内としての記載とキアラの印刷・販売する上記取り扱い商品についての記載があり、これらの記載は、明らかに、キアラの取り扱い商品若しくは役務に関する広告であって、商標法第2条第3項第8号に規定される本件商標の使用に該当する。
商標法第2条第3項第8号に規定の「広告」は、請求人が主張する商品カタログに限定されるものではなく、乙第3号証のように、会社案内としての記載中に取扱商品を紹介して記載している場合にも、それが当該会社が業として譲渡する商品の宣伝又は広告を目的として作成された「広告」に属するものであることは、取引の実状に照らし明らかである。
(3)乙第5号証(封筒)、同第6号証(レターヘッド(ルーズリーフ用紙))、同第7号証(竹嶋和義の証明書)
ア 請求人は、乙第5号証ないし同第7号証の証拠価値を否定するが、根拠がなく、争う。
請求人は、乙第5号証、同第6号証に付された標章は、いずれも自他商品を区別するための標識として使用されているのではなく、デザインの一部として施されていると主張するが、商標を商品にデザイン的に施こして使用することは、取引の実状において、商標の使用として一般的に行われており、
自他商品の識別機能を有し、商標としての使用であることは明らかである。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその取消に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
これを本件についてみるに、被請求人は、乙各号証により、本件審判請求の登録前3年以内に、本件通常使用権者であるキアラが本件審判請求に係る指定商品「文房具類」に含まれる商品「封筒、ルーズリーフ用紙」について本件商標の使用をしていると主張している。
そこで、まず、被請求人がキアラに対して通常使用権を許諾しているか否かについてみるに、商標登録原簿によれば、商標権者は、東京都八王子市日吉町10−18を住所とする橋本浩二であること、また、乙第2号証(報告書)によれば、前記商標権者(橋本浩二)と同一人で自身が代表取締役社長であるキアラに対し、平成10年2月頃から現時点(同17年9月1日)まで、本件商標の通常使用権を無償で許諾していること、乙第1号証(履歴事項全部証明書:平成17年8月1日付け東京法務局八王子支局発行)によれば、キアラの本店は前記商標権者(被請求人)と同じ住所(居所)であることが認められる。
これらによれば、被請求人が、平成10年2月頃から現時点である同17年9月1日まで、本件商標について通常使用権をキアラに対して許諾していたことが認められ、上記期間については、キアラは、本件商標に係る商標権について通常使用権者であったということができる。
(1)被請求人は、キアラが、本件商標を、本件商標に係る指定商品(封筒、レターヘッド(ルーズリーフ用紙))に関する広告(乙第3号証:パンフレット)に付して展示し若しくは頒布しているので本件商標の使用に該当すると主張する。
そこで、乙第3号証をみるに、該証拠は、表紙に「CHIARA Co.,Ltd.」「@chiara」と題し、裏表紙に前記文字及びホームページのアドレス、所在地、電話番号、FAX番号を、更に右隅に2005.1の表示があり、13頁、14頁に会社の沿革・概要を紹介し、その14頁の上段には、本件商標の図形部分と同一の図形及び「CHIARA」の文字、及び当該文字の右隣に小さく、登録商標である旨の円内にRの文字の表示がされているパンフレットであることから、2005年1月にキアラが発行した会社案内であるとともに、その中に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した、キアラの取り扱う業務を紹介したパンフレットであることが認められる。
つぎに、当該パンフレットで紹介している業務をみるに、
ア 1頁には、「CHIARA Co.,Ltd.」「@chiara」「キアラにしてよかった、そしてこれからも...。」の見出しの下、「販売促進ツールの企画・デザイン・制作。ホームページ作成,Webデザイン、レンタルサーバ、SEO対策、ショッピングサイト構築と運営サポート、システム開発、大規模Webシステムの構築で企業を総合的にサポートしています。」との記載がある。
イ 2頁には、「キアラの充実サポート」の見出しの下、左の欄に潜在顧客として「DM、ちらし、ポスティング、オリジナル封筒・レターヘッド作成、新聞折り込みちらし、サインポスター、ショッピングサイト」を、見込顧客として「企画立案、資料提供、見積もり作成」を、右の欄に新規顧客、得意顧客として「売上増大計画、販売促進計画立案」等を記載し、中央に配置した「CHIARA/サポート」から、左欄の「DM」、「企画立案」等及び右欄の「売上増大計画」等へ矢印を描き、全体として、キアラの業務(サポート内容)を図式化している。
ウ 3ないし8頁には、ウエブ・コンサルティング、ショッピングサイト・サポート、キャンDメールの業務内容について紹介している。
エ 9頁には、「グラフィック・デザイン」の見出しの下、「『デザイナーはコピーライターであり、営業マン、そしてコンサルタントたれ!』の指針のもと、キアラのグラフィックデザインはデザイナーが直接お客様と打ち合わせを持ち、また企画・提案をさせて頂くという体制でお客様のお手伝いをします。(中略)」とし、その下欄に「様々な印刷物の企画・デザイン・印刷」及びその内容として「カタログ、チラシ・パンフレット・名刺・封筒・シール・ポスター・ディスプレイなど、ビジネスアイテムからパーソナルユースまで幅広く取り扱っております。」との記載がある。
オ 11頁には、「インダストリアルデザイン」の見出しの下、具体的内容として12頁に「設計・デザイン・版下・製版」と共に「試作品印刷」として「オペパネやネームプレート等の試作品印刷を承っております。少量の印刷物など、どこよりも安く、どこよりも便利に使って頂けます。」との記載がある。
カ 13頁、14頁には、「沿革・概要」の見出しの下、キアラの沿革、概要を概略紹介した上で、「HISTORY」(沿革)の欄で「1996年9月 デザインセンターを分社独立,株式会社キアラを設立」、「1998年5月 オリジナル封筒、レターヘッドの販売開始」、「1999年3月 大判出力機ならびにA1イメージセッターの導入、Windows対応の入出力センターをはかる、ホームページ作成サービスを本格化する、独自ドメインレンタルサーバのサービス化」と記載されている。
キ 当該パンフレットには、13頁の「HISTORY」(沿革)の欄における「1998年5月 オリジナル封筒、レターヘッドの販売開始」との記載以外に、商品としての封筒を製造または販売しているという記載はない。
ク 乙第1号証であるキアラの履歴事項全部証明書(平成17年8月1日付け東京法務局八王子支局発行)には、目的の欄に「3.広告代理店業、4.出版業及び印刷業、5.インターネットについてのコンサルティング及びインターネットを利用したサービス業務ならびにコンピュータソフトウエアの開発及び販売、6.商業、工業デザインの企画、制作及び販売、8.日用品雑貨、食料品、玩具、事務用品、衣料品、ポスター、スポーツ用品、服飾雑貨等の商品の企画及び販売促進についての企画及びコンサルティング」等と記載されているが、封筒、ルーズリーフ用紙、あるいは文房具類の製造あるいは販売を業務としていることの積極的な記載はない。
ケ 上記アないしクの認定事実によれば、キアラは、(a)日用品雑貨・事務用品・ポスター・服飾雑貨等の商品の企画及び販売促進についての企画及びコンサルティング(b)インターネットについてのコンサルティング及びインターネットを利用したサービス業務ならびにコンピュータソフトウエアの開発(c)商業、工業デザインの企画、制作などの業務を取り扱っている会社であって、乙第3号証のパンフレットにおいては、1頁、2頁でそれら取り扱っている業務、すなわち、各種販売促進ツールとしての企画やデザイン及びホームページの作成やショッピングサイトの構築などを概括的に紹介し、3頁以下で個別の業務を紹介している。
しかしながら、当該パンフレットでは、本件審判の請求の登録前3年以内に、キアラが商品としての封筒、ルーズリーフ用紙、あるいは文房具類の製造あるいは販売をしていたことを伺えるような記載がないから、その期間の前記商品に関する広告とは認めることができず、したがって、前記商品について本件商標を使用していたとは認められない。
コ 被請求人は、当該パンフレット2頁下段の「オリジナル封筒・レターヘッド作成」と記載、9頁下段の「...封筒...」と記載、13頁下段の「1998年5月 オリジナル封筒、レターヘッドの販売開始」との記載から、同パンフレットが、本件商標に係る指定商品「封筒、レターヘッド(ルーズリーフ用紙)」の販売に関する広告である旨主張する。
しかしながら、同2頁下段の「オリジナル封筒・レターヘッド作成」と記載は、前記ア、イ、クの事実に基づきケで認定したとおり、キアラは事務用品等の商品の企画及び販売促進についての企画及びコンサルティングやインターネットについてのコンサルティング等を取り扱っている会社であって、当該パンフレットにおいては、1頁と2頁でそれら取り扱っている業務を概括的に、かつ、図式化して紹介しているもので、この「オリジナル封筒・レターヘッド作成」は、販売促進ツールとしての独自のオリジナル封筒を企画からデザインの作成、印刷に至るまでの行為を提供していることを表すにすぎず、商品としての封筒を製造、販売することを表すのものではない。このオリジナル封筒の企画からデザインの作成、印刷に至る行為は、商標法上の役務であるといえるとしても、当該封筒が、オリジナル封筒の企画からデザインの作成、印刷に至るまでの行為と独立し、商取引の目的物として一般市場を転々流通するところの商標法上の商品とは認めることができない。
また、9頁下段の「...封筒...」の記載は、キアラが取り扱っている業務の一つである「グラフィック・デザイン」のなかで紹介しているもので、販売促進ツールとしての企画からデザインの作成、印刷をする業務の対象物の一つとして、すなわち、「(販売促進ツールとしての)封筒について、その企画やデザインの作成、さらに、印刷も取り扱っていますよ。」旨紹介しているものであり、前述同様、商標法上の商品としての封筒を製造、販売することを表すのものではない。
さらに、13頁下段の「1998年5月 オリジナル封筒、レターヘッドの販売開始」との記載は、キアラの沿革の中で紹介しているもので、当時のオリジナル封筒、レターヘッドがいかなるものか不明であるものの、当該パンフレットの2頁、9頁同様なものであれば、前述同様、商標法上の商品としての封筒とは認められず、仮に、商標法上の商品としての封筒を販売したとしても、1998年5月にオリジナル封筒及びレターヘッドの販売を開始したというだけのことであり、本件審判の請求の登録前3年以内にその販売をした事実にも当たらない。
そうすると、当該パンフレットによっては、本件商標に係る指定商品「封筒、レターヘッド(ルーズリーフ用紙)」の販売に関する広告であると認めることができず、したがって、前記商品について本件商標を使用していたとは認められない。
なお、被請求人は、森下幸の証明書(乙第4号証)により、当該パンフレットを平成17年1月頃にキアラに納品し、これをキアラが顧客に頒布していることが証明されている旨主張するが、当該パンフレットが本件商標に係る指定商品「封筒、レターヘッド(ルーズリーフ用紙)」の販売に関する広告であると認めることができないから、その前提を欠き、前記判断には影響しない。
(2)次に、被請求人は、キアラが、本件商標を、その指定商品「封筒」(乙第5号証)、及び「レターヘッド(ルーズリーフ用紙)」(乙第6号証)に付して譲渡しており、本件商標の使用に該当する旨主張する。
そこで、乙第5号証の封筒及び同第6号証のレターヘッド(ルーズリーフ用紙)をみるに、いずれにも、本件商標の図形部分と同一の図形及び「chiara」の文字が表示され、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されてはいるものの、他に製造者、販売者、販売価格等の表示がなく、さらに、実際に販売したと認め得る納品伝票、代金請求書、領収書等の取引書類がない。
この点の請求人の弁駁(第2の2(2)ウ)に対して、「根拠がなく、争う。」と主張するのみで、実際に販売したと認め得る取引書類の提出がない。
なお、被請求人は、竹嶋和義の証明書(乙第7号証)により、当該封筒及びリポート用紙(表紙部分のみ)が平成10年5月頃から現在に至るまで継続してキアラに納品され、キアラが商品として継続して販売されていることが証明されている旨主張するが、当該証明書により、代表取締役竹嶋和義の印刷タケシマが平成10年5月頃から現在に至るまで継続してキアラに納品していることは伺えるものの、具体的にどのような事実に基づいてキアラが封筒及びリポート用紙を商品として販売していたことを証明したのか、それを裏付ける的確な証拠がないから、実際に販売したと主張するキアラより取引書類等の提出がない以上、竹嶋和義の証明書(乙第7号証)をもって、キアラが封筒及びリポート用紙を商品として販売していたと認めるには困難というべきである。
したがって、乙第5号証ないし同第7号証によっては、キアラが、本件商標をその指定商品「封筒」及び「レターヘッド(ルーズリーフ用紙)に使用していたとは認めることはできない。
(3)そうすると、乙各号証によっては、本件審判請求の登録前3年以内に、本件通常使用権者であるキアラが本件審判請求に係る指定商品「文房具類」について本件商標の使用をしていることを証明していないといわざるを得ない。また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「文房具類」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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