Trademark Appeal Case
「カビクリーン」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−10954(T2003−10954/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「カビクリーン」の文字(標準文字)を書してなり、第11類「家庭用電熱用品類」を指定商品として、平成14年6月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『カビクリーン』の片仮名文字を標準文字をもって書してなるところ、構成中後半の『クリーン』の文字部分は、『きれいにする、掃除する』ほどの語義を有する外来語であって、その指定商品との関係では、ルームクーラー・空気清浄器等の商品の品質・用途を表すものとして一般的に使用されているものである。また、前半の「カビ」の文字部分も、衣服・器具などの表面に生ずる糸状菌等を指称する語であるから、全体としても「カビをきれいにする(カビを取り除く)」ほどの意味合いを容易に認識させ、これをその指定商品中、上記商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が前記意味合いのものであることを認識するに止まり、単に商品の品質を表示したものと把握し、理解するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり、「カビクリーン」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、「カビ」と「クリーン」の2文字を結合したものであることは、容易に認識、把握できるといわなければならない。
そして、その構成中、語頭部の「カビ」の文字は、「飲食物・衣服・器具などの表面に生ずる微生物の集落」(広辞苑第5版)である「黴」を片仮名文字で表記したものであり、続く「クリーン」の文字は、「きれいにする、清潔にする」(現代英和辞典:研究社刊)といった意味合いを有する外来語として広く一般に親しまれ用いられている語と認められるから、これよりは全体として「カビをきれいにする(取り除く)」といった、まとまりのある意味合いを容易に認識、理解させるというべきである。
(2)請求人(出願人)は、請求書において、片仮名文字よりなる「カビ」に該当する用語はなく、平仮名「かび」には、「牙」、「柄」、「華美」などの様々な用語があり、また、「クリーン」の外来語は、「清潔な、純粋な、高潔な」といった形容詞的意味合いを想起することが多いから、「カビ」と「クリーン」に対する原審の認定には問題があり、また、全体としても原審でいう意味合いは不自然であり、本願商標は一体不可分の造語商標として認識されるとみるべきであると主張している。
しかしながら、「カビ」と「クリーン」の両文字には、請求人(出願人)の主張する上記それぞれの意味合いのあることを否定するものではないが、これをその指定商品との関係でみた場合、本願商標よりは前記認定のとおりの意味合いを認識、理解させるに止まるというべきであるから、かかる請求人(出願人)の主張は採用することができない。
すなわち、原審でも説示している、ルームクーラー、空気清浄器等の各種電化製品の分野においては、消費者等のニーズに応えるため、これら製品の本来の機能に加え、ほこり、ダニ、臭いやカビ等を除去し、あるいは付着を防ぐための様々な機能が当該製品に装備され提供されている実情にあることは、一般に知られたところであり、そして、それら製品の商品説明中には、「カビ」及び「クリーン」の文字が、それぞれ、「黴」、「きれいにする」といった意味合いをもって、単独で、あるいは商品の品質を表示する他の語と結合され広く使用されていることは、これら電化製品を取り扱う製造メーカーのインターネットホームページ中において容易に確認することができる。以下、(ア)を参照。
しかも、これらインターネットホームページ中には、本願商標「カビクリーン」の文字が、カビを除去するための機能あるいは付着を防ぐための機能を装備した電化製品(例えば、ルームクーラー、家庭用電気洗濯機等)について、その機能、性能を表示する語として普通に使用されている事実も認められる。以下、(イ)を参照。
(ア)「カビ」及び「クリーン」の文字について
(a)【松下電器】http://national.jp/product/air/aircon/wall/cs_x286a/p4.html
《エアコン》について、「空気中のホコリやカビ、ウィルスに付着し、帯電しながら除菌します。」、「酸素チャージ、空気清浄、換気機能のエアークリーン機能が快適空間を生み出します。」。《空気清浄機》について、「フィルター上で、ウイルス、カビ菌・浮遊菌や年中12種類の花粉・ダニ(死がい・フン)などを抑制。」。《電気洗濯機》について、「トリプルクリーンシステムで黒カビの発生をおさえて『清潔洗濯』。」との記載。
(b)【シャープ】http://www.sharp.co.jp/ion/clusterion/effect.html
《エアコン》について、「除菌イオンはカビ菌に効く、カビが繁殖する際のカビ臭さも抑え、快適なお部屋環境を守ります。」。《空気清浄機》について、「除菌イオンで空中攻撃。アレル物質(ダニのふん・死がい・花粉...)、浮遊カビ菌、浮遊ウイルスをとらえます。」。《エアコン》について、「エアコンの中もお部屋の空気も、とことんクリーン。」との記載。
(c)【三洋電機】http://www.e-life-sanyo.com/osusume/06kafun/index1.html
《空気清浄機》について、「花粉、カビ菌、ダニのフンや死がい、浮遊するウィルス。そのさまざまな空気の汚れに効果を発揮するのが空気清浄機の『電解除菌ミスト』です。」。《電気洗濯機》について、「手間もコストもかけずにドラムの黒カビを抑制します。月に一度、『カビガード』コースを使用するだけで、ドラムを清潔に保ちます。」。《エアコン》について「『UV・除菌クリーンシステム』で空気清潔」との記載。
(d)【日立】http://kadenfan.hitachi.co.jp/ra/aircon/eseries/02_joshitsu.html
《エアコン》について、「『カラッと除湿』ならカーペットの奥まで湿度約40%。ダニ、カビ抑制に効果的。」。《電気洗濯機》について、「除湿乾燥だから、室内の温度上昇や、湿気、結露・カビなどを抑えて快適に乾燥できます。」。《エアコン》について、「肌寒さを迎える『健康除湿』。ナノチタンで空気をクリーンに。」との記載。
(イ)「カビクリーン」の文字について
(a)www.daikinaircon.com/catalog/ air/2_air_arekore/07_mold.html
「クリーンエアワールド/ダイキン工業株式会社」の見出しのもと、「では対策は? メーカーとして、エアコン内のカビの抑制は重要な開発テーマと捕らえており、技術開発に努力を重ねています。ダイキンの最新ルームエアコンには独自の『カビクリーン換気機能』や『カビクリーン乾燥機能』を搭載し、エアコン内のカビ繁殖を押えるようにしていますが、・・・」との記載がある。
(b)kadenfan.hitachi.co.jp/ra/aircon/eseries/04_clean.html
「日立の家電/エアコン」の見出しのもと、「とる『ナノステンレスフィルター』で、菌・ニオイをとる。 抑制する『カビクリーン脱臭熱交換器』で、ニオイ・カビを抑制する。 」等の記載がある。
(c)www.kojima.net/netshop/original/ newheritage/nesy/laundry.html
「kojima.net - ネットでお買い物 - コジマオリジナル商品」の見出しのもと、「60 ゚Cの温水洗い、カビクリーンコース、槽洗浄コースと、3つの清潔機能を搭載。洗濯槽の裏側に発生しやすい黒カビの繁殖を強力にシャットアウト。いつもクリーンな環境で洗濯ができます。」との記載がある。
(d)panasonic.co.jp/corp/news/official.data/ data.dir/jn060112-2/jn060112-2.html
「洗濯乾燥機 「NA−FV500」 を発売 | ニュース | 松下電器産業株式会社を発売」の見出しのもと、「洗濯は、ご好評の『泡フル浸透洗浄』を搭載し、泡のパワーを引き出して汚れをしっかり落とします。また、『カビクリーンタンク』、『槽乾燥コース』、『槽洗浄コース』の3つの機能で、洗濯槽への黒カビの発生を抑え、清潔洗濯を実現します。」との記載がある。
(3)そうすると、上記(1)(2)の本願商標の認定及び本願指定商品の分野における商取引の実状を合わせ勘案すれば、本願商標をその指定商品中、例えば「カビ取り機能を有するルームクーラー,空気清浄器」について使用した場合には、単に当該商品にはカビを除去するための機能、あるいは、カビの付着を防ぐための機能が備わっている商品であること、すなわち、商品の品質(機能)を表示したにすぎないものと認識し、理解させるに止まり、また、上記機能を有しない商品について使用した場合には、当該商品にカビ取り機能が備わっているかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人(出願人)は、審決例を挙げ述べているところあるが、それら事例は本願商標とはいずれも構成文字、構成態様を異にするものであるから、かかる事例をもって本願商標の判断の基準とすることは適切でない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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