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Trademark Appeal Case

称呼類似性:長音と撥音

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−1100(T2005−1100/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「NOSULIN」の欧文字を書してなり、第29類「にがうりを主成分としたタブレット状・粉末状・カプセル状の加工食料品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成16年3月31日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4760462号商標(以下「引用商標」という。)は、「ノンシュリン」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成15年7月7日に登録出願、第29類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同16年4月2日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「NOSULIN」の欧文字を書してなるものであるところ、該文字綴りからは特定の語義を有する外国語を表したものと認められない造語であるから、これに接する取引者、需要者は、ローマ字式あるいは一般世人に親しまれている英語の読み方に倣って称呼するというのが自然である。

加えて、本願指定商品中の「にがうりを主成分としたタブレット状・粉末状・カプセル状の加工食料品」は、いわゆる「健康食品」とみて差し支えないものであり、その需要者には、肥満、高脂血症、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持つ者、あるいは、これを予防するため、特に摂取する食品に高い関心を有する者も決して少なくないといえるものであるから、この点も考慮して本願商標から生ずる称呼を認定すべきである。

(2)これを踏まえて、本願商標の綴りから生じる称呼について検討するに、「nosu・・・」で始まる綴りの英単語は見いだせず、その構成綴りからみて、請求人(出願人)が述べる「ノスリン」又は「ノサリン」の称呼が生ずることを必ずしも否定するものでない。

しかし、「no」が「いいえ、いや、否定・拒否・禁止・反対を表す。」の意味のものとして「ノー」と発音されるばかりでなく、かかる意味で「ノーガード」「ノークラッチ」「ノーネクタイ」などの用例のように各語に冠して日常的に使用される語であるから、かかる綴り字を「ノー」と発音するといえるものである。

そして、「SULIN」の綴り字をみるに、「SU(su)」からは、英単語「sugar」が「シュガー」と発音され日本語化した如くに一般に親しまれた語であり、かつ、各種食品にあって糖分の摂取過多を気遣う者に対して「ノンシュガー(nonsugar)」や「シュガーレス(sugarless)」の語を用いて、健康に留意した商品であるかの如く喧伝される状況も窺えるところであるから、「su」の綴り部分を「シュ」と読まれることもあるというべきであって、また、後段の「LIN」の綴り字は「リン」と発音することは明らかである。

加えて、本願指定商品中の当該健康食品との関係では、その需要者は、「血糖値を下げるホルモン」として知られる「インシュリン」又は「インスリン」とも読まれる「insulin」を連想、想起する場合も決して少なくないものということもできるから、かかる綴り字は、「シュリン」とも発音するとみて差し支えないといえるものである。

なお、請求人(出願人)は、本願商標からは、「ノスリン」及び「ノサリン」の自然称呼のみしか生じない旨主張しているが、本願商標から生ずる称呼がそれのみに限定されるような格別の事情及びその証左は見いだせない。

以上よりすれば、「NOSULIN」の文字よりなる本願商標からは、「ノーシュリン」の自然称呼をも生ずるというのが相当である。

(3)他方、引用商標も、特定の意味合いを有する既成語とは認められないところ、これからは、構成文字に相応して「ノンシュリン」の称呼が生ずること明らかである。

(4)そこで、本願商標から生ずる「ノーシュリン」の称呼と引用商標から生ずる「ノンシュリン」の称呼とを比較するに、両者は、語頭音「ノ」に続く音が長音であるか、「ン」であるかの差異にすぎず、語頭音「ノ」及び後段部の音「シュリン」を同じくするものである。

そして、前者の長音は、前音「ノ」の母音「オ(o)」を発音した状態でやや伸ばした音の如く聴取され、それ自体は必ずしも明瞭に聴取され難い場合が少なくないものであり、また、同じく、後者の「ン」は、単音としての響きの弱い鼻音であって、前音の「ノ」の母音「オ(o)」に吸収されやすく、それ自体が明確には聴取し難いものである。

そうすると、第2音目におけるこれらの差異が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいい難く、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語韻語調が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、上記称呼において紛れ得るものであり、称呼上類似の商標というべきである。

また、引用商標の指定商品中には、本願商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれている。

(5)したがって、本願商標から、「ノーシュリン」の称呼をも生ずることを前提に、商標法第4条第1項第11号に該当するものとの理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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