Trademark Appeal Case
地名と図形の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−1972(T2005−1972/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に表示した構成よりなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月10日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同16年4月30日付け手続補正書により、第29類「新潟県産の牛乳,新潟県産の牛肉,新潟県産の牛肉製品」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は新潟県の形をかたどったと認められる黒色の図形を背景に、『越後牛』の文字を毛筆体で縦書きに書してなるところ、黒色の背景図形は、新潟県の形を表すのに普通に用いられる方法の域を脱し得ないものと認められ、『越後牛』の文字は、新潟県で飼育・生産される和牛の一種として知られる『越後牛』の文字を普通に書したとものと認められるから、本願商標全体としても、『新潟県産の越後牛』程度の意味合いを認識するものであり、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして『新潟県産の越後牛の牛乳』、『新潟県産の越後牛の牛肉』『新潟県産の越後牛の牛肉製品』と、単に商品の品質、産地、販売地を表示したものと理解するにとどまり、自他商品識別標識として機能し得ないものと認められる。よって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、ありふれた輪郭図形と認められる角を丸くした正方形内に、新潟県の地図からなるシルエット図形を描き、該図形の中央に「越後牛」の漢字を太字で大きく縦書きしてなるものである。
しかして、「越後牛」の文字中、「越後」の文字は現在の新潟県の大部分である旧国名を表すものであるから、全体として、「新潟県産の牛」、「新潟県で飼育された牛」等の意を容易に認識させるものであり、このことは、地名(旧国名を含む)と「牛」の文字とを結合して、その地で生産または飼育された牛であることを表示する例として、例えば、「但馬牛」、「近江牛」、「飛騨牛」等の使用例からも、これを首肯し得るものである(http://www.tanbaya.net/goodtaste/topic18/topic18_3.html)。
してみれば、「越後牛」の文字からは、「新潟県産の牛」、「新潟県で飼育された牛」の意を容易に認識させるものといわざるを得ない。
次に、新潟県の地図からなるシルエット図形についてみるに、本願指定商品の属する食品分野との関係においては、該商品の産地等を表示する方法として、文字だけでなく、産地の地図の図形をもって表示する方法も普通に見受けられるところである(例えば、「新潟県産こしひかり」についての新潟県の地図(http://meisan.natchan-honpo.com/nigata.html)、「牛乳」についての北海道の地図(http://www.gattaro.com/obaka/milk/index2.htm)ほか)。
そうとすれば、上記「新潟県産の牛」、「新潟県で飼育された牛」を認識させる「越後牛」の文字と商品の産地等を表示する手法として一般に使用されている「新潟県の地図のシルエット図形」とを結合した本願商標を、その指定商品である「新潟県産の牛乳、新潟県産の牛肉、新潟県産の牛肉製品」に使用しても、取引者・需要者をして、該商品が新潟県産の商品であることを表したものと認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものとみるのが相当である。
なお、請求人は、「本願商標の構成・態様は、その外観に大きな特徴を有している」旨を述べているが、本願商標は格別に特徴的ということもできないから、その主張は採用できない。
したがって、本願商標は、上記のとおり指定商品の品質、産地、販売地を表すにすぎないものであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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