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Trademark Appeal Case

環境市場の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−21194(T2004−21194/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「環境市場」の漢字を標準文字で書してなり、第1類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月3日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における平成16年11月2日付けの手続補正書により、第1類「食品保存剤,その他の化学品」及び第5類「台所用除菌剤,その他の薬剤」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、昨今においては、「環境ビジネス」とも呼ばれる、環境重視、環境保護ニーズに対する企業活動が盛んに行われており、新聞記事にも「環境市場」の文字が広く一般に用いられているから、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する事項を特徴とする商品に使用しても、これに接する取引者・需要者に、「環境に配慮した商品の売買を行う場所」程の意味合いを認識させるにすぎず、単に商品の品質及び販売場所を表示するものと理解させるにとどまるものであって、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと認められるから、商標法第3条第1項第3号又は第6号に該当するものであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当するものである旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり、「環境市場」の文字よりなるところ、株式会社岩波書店発行の広辞苑第五版によると、本願商標の構成中、前半の「環境」の文字については、「かんきょう【環境】」の項に、「めぐり囲む区域。四囲の外界。周囲の事物。特に、人間または生物をとりまき、それと相互作用を及ぼし合うものとして見た外界。自然的環境と社会的環境とがある。」を意味する語として記載があり、また、後半の「市場」の文字については、「いちば【市場・市庭】」の項に、(1)「毎日または定期に商人が集まって、商品売買を行う場所。」及び(2)「常設の設備があって、おもに日用品・食料品を販売する所。しじょう。マーケット。」を意味する語として記載があるほか、「しじょう【市場】」の項に、(3)「狭義には、売手と買手とが特定の商品を規則的に取引する場所をいう。魚市場・青果市場・証券取引所など。いちば。具体的市場。」及び(4)「広義には、一定の場所・時間に関係なく相互に競合する無数の需要・供給間に存在する交換関係をいう。国内市場・国際市場など。抽象的市場。マーケット。」を意味する語として記載がある。

そうすると、上記の意味を有してなる「環境」の文字と「市場」の文字とを結合した本願商標の構成全体からは、原審説示の意味合いを直ちに看取させるものとはいい難く、また、原審がその拒絶の理由で引用している「環境市場」の文字に関する新聞記事、すなわち、「環境市場ではコンサルティングから、水環境、大気保全、土壌環境、廃棄物処理・資源化、新エネルギー、地域環境の7分野が主なターゲット。」(2001.04.23付け日刊工業新聞)、「環境関連の技術・ノウハウを持つ企業や自治体など50団体が参加、最新の情報を提供するほか、環境市場の拡大につなげる。」(2001.09.06付け日刊工業新聞)及び「京都メカニズム推進基盤整備を倍増するなど地球温暖化対策の遂行に関する要求を四〇%増額したほか、環境市場拡大に向けた取り組みも大幅に上乗せした。」(2003.08.29付け化学工業日報) 等の記事に関しても、これらは、いずれも「市場」の語が前記(4)の意味合いでもって使用されているにすぎないものであるから、これらの新聞記事によっても、「環境市場」の文字が、例えば、魚市場(魚介類を専門に取引する市場)や青果市場(青果物を専門に取引する市場)などのように特定の商品の取引を行うための場所(販売場所)を意味するものとして使用されているということはできない。

また、当審において職権をもって調査したが、「環境市場」の文字が商品の品質及び販売場所等を直接的あるいは具体的に表示するものとして、取引上、普通に使用されていると認めるに足りる事実も発見できなかった。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質及び販売場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえないし、ほかに需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であると認めるに足りる事実も存しないから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものということはできない。

そして、本願商標は、これをその指定商品中のいずれの商品に使用したとしても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるということもできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第6号並びに同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものではないから、これらを理由に本願を拒絶することはできない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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