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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号・第3条第1項第3号「称呼の短音と差異音の影響」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2005−3883(T2005−3883/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2005−3883(T2005−3883/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
称呼の短音と差異音の影響
適用条文
第4条第1項第11号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2005−3883(T2005−3883/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の短音と差異音の影響」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「IYO」の欧文字と「イヨ」の片仮名文字を二段に書してなり、第1類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年3月26日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同年11月17日付けの手続補正書により、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),肥料,陶磁器用釉薬,高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,工業用粉類,原料プラスチック,パルプ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「IYO」の文字及び「イヨ」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、株式会社三省堂が発行した「コンサイス地名事典 日本編」によれば、この文字は、「愛媛県全域を占める旧国名」の意味を有する「伊予」の文字をアルファベットと片仮名文字で表したものと認められるから、この商標登録出願に係る商標を指定商品について使用するときは、単に指定商品が伊予で製造・販売される商品であること、すなわち、商品の産地、販売地を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)本願商標は、登録第540871号商標、同第1492129号商標、同第4091199号商標、同第4586161号商標(以下これらをまとめて「引用商標A」という。)及び「イオ」の文字よりなり、平成元年4月24日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年10月30日に設定登録され、その後、第1類及び第5類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされている登録第2467607号商標(以下「引用商標B」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、上記1のとおり、「IYO」の欧文字と「イヨ」の片仮名文字を二段に書してなるものであるところ、たとえ、地名事典において「伊予」の文字が「愛媛県全域を占める旧国名」の意味を有する語であるとしても、本願商標の構成文字並びにその態様からは、直ちに「伊予」に通じるものとして理解、認識されるとは認め難く、これを指定商品に使用しても、原審説示のごとき意味合いを容易に看取させるものともいい得ないものである。

また、当審において職権をもって調査したところ、本願商標の構成文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の産地、販売地等を表すものとして、取引上普通に使用されている事実を発見することもできなかった。

そうとすると、本願商標は、その指定商品のいずれについて使用しても、単に商品の産地、販売地を表したものであるとは認め難く、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するということはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

(ア)本願商標と引用商標Aとの類否について

本願商標は、その指定商品について、前記1のとおり補正された結果、引用商標Aの指定商品と同一又は類似する商品は、すべて削除されたと認められるものである。

したがって、引用商標Aをもって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。

(イ)本願商標と引用商標Bとの類否について

本願商標は、上記のとおり、「IYO」の欧文字と「イヨ」の片仮名文字を二段に書してなるところ、その構成文字に相応して「イヨ」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標Bは、上記のとおり、「イオ」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「イオ」の称呼が生ずるものである。

そこで、本願商標より生ずる「イヨ」の称呼と、引用商標Bより生ずる「イオ」の称呼とを比較するに、両称呼は共に2音という短い音構成からなるうち、語尾において「ヨ」と「オ」の音の差異を有するものである。

しかして、該差異音の「ヨ」と「オ」は、前者が、前舌面を硬口蓋に近づけて発する摩擦音の半母音〔j〕と母音〔o〕との結合した音節であるのに対し、後者は、母音〔o〕であって、唇の両端を少し中央に寄せ、舌を少し後方にひき、後舌面を軟口蓋に向かって高め、声帯の振動によって発するものであり、共に2音という短い音構成からなる両商標の該差異が全体の称呼に与える影響は決して小さいとはいえないものであるから、両者は称呼上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標は、特定の観念を生じない造語と判断するのが相当であるから、両者は観念上比較し得ないものであり、かつ、それぞれの構成よりみて外観上十分に区別し得るものである。

してみれば、本願商標と引用商標Bとは、その外観、称呼及び観念のいずれについても類似しない非類似の商標といわざるを得ない。

したがって、本願商標と引用商標Bとは非類似の商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(3)むすび

上記(1)及び(2)のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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