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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31268(T2005−31268/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3076907号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月4日登録出願、第36類「生命保険の引受け,資金の貸付け」を指定役務として、同7年9月29日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対し次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

請求人の調査では、被請求人は、いずれの指定役務についても、過去3年以上にわたって、我が国において本件商標を使用していないことが判明した。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

2 平成18年2月6日付け弁駁書における弁駁の理由

(1)被請求人の主張によれば、被請求人は、本件商標を2001年のデザイン変更前の富国生命カード(以下「本件カード」という。)に使用し、本件カードは利用者の手元に残され、現在も本件カードを用いて資金の貸付や保険金の引き出し等のサービスが行われているので、本件商標は、請求に係る指定役務について使用されているということである。

しかし、以下に説明するように、乙各号証によっては、本審判請求の登録前3年以内の本件商標の請求に係る指定役務についての使用は、立証されていないと考えるのが相当である。

(2)被請求人の説明によれば、2001年にデザイン変更されて以降、本件カードは、発行されておらず、本件商標は、被請求人のサービスの提供に利用されるカードには使用されていない。

したがって、被請求人は、本審判請求の登録前3年以内に本件商標の請求に係る指定役務について、利用者の手元に残っている本件カードが実際に利用されたことを立証しなければならない。

ここで、「審判請求の登録」とは、審判請求の予告登録を意味するので、本審判事件においては、平成17年11月9日(甲第1号証)前3年以内の使用を立証しなければならない。

しかしながら、被請求人が本件カードの利用の事実を立証するのは、乙第4号証として提出する「富国生命カードを用いて資金の貸付等のサービスを受けた利用者を示す社内資料」だけであるが、これは平成17年11月24日の利用を示すだけの証拠であり、平成17年11月9日前3年以内の使用を立証するものではない。

また、「富国生命カードを用いて資金の貸付等のサービスを受けた利用者を示す社内資料」にある平成17年11月24日の利用された2種類のカードの作成日が「H.11年5月7日」と「H.6年3月8日」ということであるが、このカードが本件カードであって本件商標が付されているかは、全く不明である。

さらに、平成17年11月24日の本件カードの利用があったとしても、それ以前に継続して本件カードが利用されていたことが推測できる訳でもない。

なお、乙第5号証にある「旧カード」が本件カードである本件商標が付されているかは不明であり、これらのカードが現在でも利用されているかも不明である。

よって、乙各号証によっては、本審判請求の登録前3年以内の本件商標の請求に係る指定役務についての使用は立証されていない。

以上より、請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。

3 平成18年5月19日付け弁駁の理由

被請求人は、「現在使用中のカードの資料」(乙第6号証)を提出し、特定の本件カードの使用を立証しようとしている。

しかし、本件商標においては、黒線と青線が陰のように重ねて配されており、色彩も重要な構成要素と考えられるところ、乙第6号証1頁目には、カードの白黒のコピーしかなく、これでは、本件商標と使用商標には、同一性がないといわざるを得ない。

また、同2頁目にあるのは、本件カードの最新の利用状況を示す照会情報で、同3頁目にあるのは、同カードの利用履歴を示す照会情報とのことであるが、そもそもこれらの資料の作成者などが不明であるばかりでなく、これら照会情報のどの部分から、「平成17年10月3日にATMで利用されたこと」、「平成16年7月6日、平成17年3月22日、平成17年10月3日にATMで利用されたこと」が分かるのか全く説明されていないので、そのような事実があったかも不明である。

したがって、依然として、本件審判請求の登録前3年以内の本件商標の請求に係る指定役務についての使用は、立証されていないと考えざるを得ない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論掲記の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証を提出した。

1 平成17年12月20日付け答弁の理由

(1)本件商標の使用事実の要点

本件商標の商標権者である富国生命保険相互会社は、継続的に現在に至るまで我が国において、本件審判請求に係る指定役務「生命保険の引受,資金の貸付」について、本件商標を使用している。

(2)本件商標の使用の事実

(2−1)商標の使用者

乙第1号証「フコク生命カードの複写」、乙第2号証「フコク生命カードご利用のしおり」、乙第3号証「フコク生命カード追加発注に関する書面」には、「富国生命保険相互会社」の名称が表示されている。

(2−2)使用に係る役務

乙第1号証「フコク生命カード」は、乙第2号証「フコク生命カードご利用のしおり」中の「お取扱内容」(2頁目)、「取扱内容一覧」(5頁目及び6頁目)、フコク生命カード規定(7頁目ないし9頁目)において説明があるように、保険契約者に対する「資金の貸付,同返済,保険積立配当金の引き出し,同残高照会,保険金・祝金の引き出し,同残高照会」に用いられるカードである。当該フコク生命カードは、役務「生命保険の引受,資金の貸付」の提供に当たり、その提供を受ける者の利用に供するものである。

(2−3)使用に係る商標

乙第1号証ないし乙第3号証には、本件商標が記載されている。

(2−4)使用時期

本件カードは、本件商標が出願された平成4年頃から用いられ、継続的に現在も18000枚以上が保険契約者に貸し出されて利用に供されている。

フコク生命カードは、2001年にデザインが変更され、新規に貸し出しされるカードは、乙第1号証と異なるデザインとなった。しかし、本件カードも数多く利用者の手元に残されており、現在も本件カードを用いて資金の貸付や保険金の引き出し等のサービスが行われている。

乙第4号証は、「フコク生命カードを用いて資金の貸付等のサービスを受けた利用者を示す社内資料」の一部であり、当該頁において平成17年11月24日に少なくとも2人が本件カードを用いて資金の貸付等のサービスを受けたことを示すものである。

また、乙第5号証は、平成17年10月現在で保険契約者に貸し出しされている本件カードの枚数を支社別に集計した社内資料である。ここに示すように、現在も18604枚の本件カードが、役務の提供を受ける者の利用に供されている。

(3)結び

以上のとおり、本件商標は、現在も日本国内において商標権者により指定役務「生命保険の引受,資金の貸付」について使用されているものであるから、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求める。

2 平成18年2月28日付け答弁の理由

本件カードは、役務「生命保険の引受,資金の貸付」の提供に当たり、その提供を受ける者の利用に供する物として、現在も多くの保険契約者に貸し出され、利用されている。

乙第6号証は、「現在利用中の本件カードの資料」である。

1頁目は、現在保険契約者に貸し出されている特定の本件カード(以下「同カード」という)の複写である。2頁目は、同カードの最新の利用状況を示す照会情報であり、同カードが平成8年10月18日に発行され、同一保険契約者の複数の保険契約において利用され続け、少なくとも平成17年10月3日にATMで利用されたことを示す。3頁目は、同カードの利用履歴を示す照会情報であり、少なくとも平成16年7月6日、平成17年3月22日、平成17年10月3日にATMで利用されたことを示す。

以上のとおり、本件商標は、日本国内において商標権者による指定役務「生命保険の引受,資金の貸付」について使用されているものである。

第4 当審の判断

被請求人より提出された乙第6号証によれば、以下の事実が認められる。1 (1)乙第6号証の1頁目は、フコク生命カード(写し)と認められるところ、上部のやや左側に大きく本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が表示されている。その右に「Fukoku Card」の文字が小さく表示され、その下にカード番号と認められる「9834 0003 0163 9603」の数字が打ち込まれている。そして、カードの右下の楕円形内に「フコク生命」の文字が白抜きで表示されている。

(2)乙第6号証の2頁目は、カードの利用状況を記録した「カード照会(A)」と表題の付された書面(写し)と認められるところ、この照会情報には、カードNO.は、「9834−0003−0163−9603」、同カードの作成日は、「H.8年10月18日」、そして、複数の利用状況が記録されている中に、取引日「H.17年10月3日」、取引額「33000円」、同じく取引日「H.17年10月3日」、返済額「31000円」が記載されている。その下部には「取扱支社」、「取扱者」の欄があり、それぞれ数字が記入されている。また、登録契約として「記号207」、「証番7291」等の数字が記入されてある。

(3)乙第6号証の3頁目は、カードの利用履歴を記録した「契約者貸付 ヒストリー照会 回答書」とタイトルの表示された書類(写し)と認められるものであり、書類の上部には「記号 207」、「証券番号 7291」と記載されている。そして、利用履歴を記録した中に、「一部返済」として「返済日 16−7−6」、「払込額 100000」、「残高 371」、「入金経路 郵貯ATM」。また、「新規貸付」として「貸付日 17−3−22」、「貸付金 10105」、「手数料 105」、「支払額 10000」。さらに、「貸増」として「貸付日 17−10−3」、「貸付金 10317」、「手数料 210」等との記載がされている。

2 前記1で認定した事実を総合すると、上記のフコク生命カード、利用状況及び利用履歴を記録した書面は、取引の実際で使用されたと認め得るものであり、本件商標の商標権者である被請求人(富国生命保険相互会社)は、少なくとも、平成17年3月22日に、カード番号を「9834−0003−0163−9603」とし、「記号 207」及び「証券番号 7291」とする保険契約者に対し「資金の貸付け」の役務を提供したことが推認される。

そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成17年11月9日)前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る本件商標の指定役務中の「資金の貸付け」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したと認め得るところである。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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