結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30805(T2005−30805/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4568336号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年2月16日に登録出願、第1類、第3類、第4類、第5類、第18類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同14年5月17日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
請求人が、本件審判請求に係る登録商標の使用の有無を調査したところ、本件商標は、日本国内において継続して3年以上、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「第5類 医療用腕環及びその類似商品」及び「第21類 電気式歯ブラシ及びその類似商品」のいずれの商品についても使用されていないから、前記商品について、その登録の取消を求める。
(1)乙第1号証について
被請求人である商標権者が、有価証券報告書に記載のとおり、「株式会社ニューステップ」(以下、「ニューステップ」という。)の株式を保有する親会社であること、ニューステップが、親会社から本件商標の使用権を許諾してもらっている通常使用権者であることについて、請求人は争わない。
(2)乙第2号証、同第3号証、同第4号証について
ニューステップが、北海道の4店舗(東苗穂店・琴似店・平岡店・デュオ店)に限り、店名としてニューステップを使用せずに「HEALTHY MENU(ヘルシーメニュー)」(以下、「ヘルシーメニュー」という)という店名を使用していること、ヘルシーメニューが、株式会社ソニープラザのパートナーショップとして雑貨店を営んでいることについて、請求人は争わない。
(3)乙第5号証、同第6号証について
仕入伝票の日付は、2年10月及び3年8月となっているが、2年10月という場合、平成2年10月と読む場合もあり、被請求人のいうように、一概に2002年10月という考え方には納得がいかない。雑貨店の業界では、2年といったら、2002年を明示するというような暗黙のルールが成り立っているという噂を聞いたこともないので、請求人は「電動歯ブラシ」の仕入日を2002年10月及び2003年8月とすることに異を唱えるものである。
(4)乙第7号証について
ニューステップが使用している商標と本件商標とは社会通念上同一と認められる商標であるか否かであるが、ビニール袋やテープに使用している「NUSTEP」の商標(以下、「使用標章1」という。)は、文字のみから構成される文字商標であるが、本件商標は文字と図形とがバランスよく横に並べられた構成よりなる文字と図形との組合せ商標である。このように、全く構成要素の異なる二つの商標は、外観、称呼、観念の点において全く相容れない別異の商標でいうべきであり社会通念上同一と認められる商標ではない。
(5)乙第8号証、同第9号証について
第一に、本件封筒はヘルシーメニュー平岡店で使用されていたとの被請求人の主張は甚だ信憑性に欠けるものがある。
被請求人は、店舗名「HEALTHY MENU」については、商標登録をしておらず積極的に使用することはできず、ヘルシーメニューの領収書・仕入伝票には、ニューステップの商号が記載されていると、あたかも、「HEALTHY MENU」「ヘルシーメニュー平岡店」は使用せず、これらの店の取引も総てニューステップの商号のみで取引をしているかの答弁をしているが、これは事実と異なるところである。
実際は、「HEALTHY MENU」は、ニューステップで取引をしているのではなく、乙第5号証の仕入伝票(買取)でお解りのとおり、「株式会社ニューステップヘルシーメニュー平岡」で取引をし、また、お客に渡すお買い上げ伝票である乙第8号証では、「HEALTHY MENU ヘルシーメニュー平岡店」と明示している。つまり、必ず、「ヘルシーメニュー平岡」「ヘルシーメニュー平岡店」というように、ニューステップの店名を表す表示を使用している。
更に、ヘルシーメニュー平岡店が、お客や取引先に自己の名称や住所の入った封筒を使用せず、同じ会社内とはいえ、異なった名称と住所が印刷されている封筒を自社のものとして使用しているとは、商業道徳上考えられないことである。
乙第9号証として提出された封筒の名称は、「株式会社ニューステップ東京本部店」を指し、住所は「〒東京都中央区新川1−22−15 茅場町中埜ビル」と印刷されていることより、この封筒は、「株式会社ニューステップ東京本部」で使用されていた封筒であることは間違いはないが、「株式会社ニューステップヘルシーメニュー平岡店」で使用されたものではない。
第二に、乙第9号証として提出された封筒に印刷されていた「NUSTEP」の商標(以下、「使用標章2」という。)は、乙第7号証と同様に、本件商標とは社会通念上同一と認められる商標ではない。
確かに、封筒に印刷されている使用標章2は、使用標章1が文字のみであったのに比して、図形と共に文字が使用されてはいる。しかし、本件商標は図形と文字は重なり合うことなく横にただ並列に書されているのに対し、使用標章2の図形は本件商標の図形より遥かに大きく、かつ、使用標章2の「NUSTEP」の文字よりも大きく描かれ、また、「NUSTEP」の文字は図形の上に重なりあって一体不可分に書されている。その結果、使用標章2の図形と文字部分のバランスは、本件商標とは異なり大きく離れ、これにより、二つの商標は、外観、称呼、観念の点において全く相容れない別異の商標でいうべきであり社会通念上同一と認められる商標ではない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び弁駁に対する再答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第14号証を提出した。
ニューステップは商標登録原簿上において、通常使用権者として登録されていないが、商標法上第50条における使用において登録されていない通常使用権者でも使用している事実が立証されれば不使用取消を免れるものである。
本件商標権者は、通常使用権者ニューステップの株式を有価証券報告書(乙第1号証)に記載のとおり保持し、同社の関係会社(親会社)であり、ニューステップに通常使用権を付与している。
ニューステップは、北海道において4店舗のみヘルシーメニューという店名を使用し、(株)ソニープラザのパートナーショップとして、雑貨店を営んでいた(乙第2号証、同第3号証)。
ヘルシーメニューでの販売商品は、菓子、文具、家庭用品、化粧品、化粧雑貨、衣料品、玩具、キャラクター商品など多技にわたる取扱いをしていた(乙第4号証)。
本件使用商品については、仕入伝票(買取)に「電動歯ブラシ」の記載があることから、少なくとも審判の請求の登録前3年以内である2002年10月及び2003年8月においては、ヘルシーメニュー平岡店にて取扱いがあったことが立証できる(乙第5号証、同第6号証)。
ヘルシーメニューにおいて、お買上げ商品は、「NUSTEP」とともに、ニューステップが運営する店舗名「NUSTEP」「KIXZONE」「MYLAND」が印刷された共通のビニール袋に入れて包装するか、包装を希望しないお客さまには、「NUSTEP」のテープを商品に貼付して、お客さまにお渡していた(乙第7号証)。
ヘルシーメニューの領収書・仕入伝票には、当然ニューステップの商号が記載されており、お客さまや取引先への送付する場合には、商標「NUSTEP」が入った同社の封筒を使用していた(乙第8号証、同第9号証)。
これらの様態は商標法第50条の適用においては登録商標の使用に該当するものである。
(1)乙第5号証、同第6号証について
請求人は「電動歯ブラシ」の仕入日について、仕入伝票の日付が、2年10月及び3年8月となっており、平成2年と読む場合もあると主張しているが、これは明らかに失当である。
当該仕入伝票に記載されているヘルシーメニュー平岡店は、イオン札幌平岡ショッピングセンター(ジャスコ札幌平岡店)のテナントであり、同ショッピングセンターの正式開店日は、平成12年11月15日である(乙第10号証)。その開店日の10年前にテナントとして出店し、商品仕入れを行うはずはあり得ないのであるから、当該仕人伝票の日付は、明らかに審判請求登録前3年以内である2002年と2003年であるのは、明白な事実である。
(2)乙第7号証について
ア 請求人は、被請求人の「NUSTEP KIXZONE MYLAND」が印刷された共通のビニール袋及び「NUSTEP」と印刷されたお買上げテープにつき本件商標と社会通念上同一と認められるものではないと主張しているが、これは過去の特許庁の審決(平成11年審判31464号:乙第12号証)及びその他裁判例(東京高等裁判所平成3年2月28日判決:乙第11号証及び前記平成11年審判31464号審決取消訴訟の東京高等裁判所平成15年2月19日判決:乙第13号証)、パリ条約第5条C(2)を無視した独自の理論である。
イ そこで、これを本件についてみると、本件商標は、「NUSTEP」と図形の構成であり、使用標章1の文字は、被請求人の提出した乙各号証によれば、本件商標の構成文字と同一構成よりなるものである。そして、使用標章1の文字単独でも、需要者にニューステップの販売票として認識されるものということができ、したがって、使用標章1は、本件商標を構成する「NUSTEP」と「図形」が物理的に別々又は単独に使用されている点において、本件商標とは相違するとしても、この程度の変更使用は、商取引の実際においては通常行われているところであり、本件商標の識別性に影響を与えない程度の表示態様の変更とみるのが相当であって、社会通念上同一の商標が使用されているというべきである。
(3)乙第8号証、同第9号証について
ア 乙第8号証(領収書(控)、レシート写し)は、店舗控えであるため、その店舗欄は空欄になっているが、実際には領収書の店舗欄にはヘルシーメニュー平岡店の名称及び住所が記載されていることは、何らかの理由でお客さまに交付しなかった中止領収書をみれば一目瞭然である(乙第14号証)。
また、乙第9号証の封筒については、ヘルシーメニュー平岡店の営業主体であり、領収書・発行責任がある法人は、ニューステップであり、その商号や本社の住所の記載された封筒を第三者との通信に使うには至極当然のことである。勿論、ヘルシーメニュー平岡店から当該封筒を使用して、郵送する場合などは封筒裏面に差出人としては店名、住所が入った印を押印するのは、商取引上ごく自然なことである。
イ 次に、各取引先との販売商品決定の商談、経理・会計は、すべて東京本部で行われている。したがって、ヘルシーメニュー平岡店の本件商品に関する取引書類が東京本部から「NUSTEP」と表示した商標の封筒をもって発送されることは当然であり、これを否定することは、流通業に対する無知以外の何ものでもない。実際、乙第5号証、同第6号証は、取引先である株式会社ソニープラザがニューステップに対して発行したものは明らかであり、店舗控え以外は、東京本部に送られ、支払決済処理がなされるものである。
ウ さらに、請求人は、使用標章2が、本件商標と社会通念上同一ではない旨主張するが、前述のとおり、この程度の変更使用は、商取引の実際においては通常行われているところであり、本件商標の識別性に影響を与えない程度の表示態様の変更とみるのが相当である。よって、全体としてその使用態様は本件商標の同一性を逸脱しない範囲のものであり、社会通念上同一の商標が使用されているというべきである。
まず、ニューステップが、(a)本件商標の通常使用権者であること(b)北海道の4店舗(東苗穂店・琴似店・平岡店・デュオ店)においてヘルシーメニューという店名を使用していること(c)ヘルシーメニューにおいて株式会社ソニープラザのパートナーショップとして雑貨店を営んでいることについて当事者間に争いがない。
次に、乙第5号証、同第6号証、同第10号証によれば、ヘルシーメニュー平岡店は、2002年10月30日、2003年8月25日に株式会社ソニープラザから電動歯ブラシを仕入れている事実が認められ、これによれば、本件商標の通常使用権者であるニューステップは、ヘルシーメニュー平岡店において、本件審判請求登録前3年以内である2002年10月30日、2003年8月25日に本件取消請求に係る指定商品に含まれる電動歯ブラシを取り扱い、これを販売していたと推認することができ、これに反する証拠はない。
次に、被請求人は、ニューステップが使用する使用標章1及び同2は、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められるので本件商標を
使用していると主張するので、以下検討する。
(1)被請求人の提出した証拠(乙第7号証)によれば、ニューステップがビニール袋やテープに使用していたと主張する使用標章1は、いずれも「NUSTEP」の欧文字のみからなり、ビニール袋の「NUSTEP」は赤色で、テープの「NUSTEP」は橙色で表してなるものである。
(2)同じく、証拠(乙第9号証)によれば、ニューステップが封筒に使用していたと主張する使用標章2は、別掲(2)のとおり、中央部分に黒地の矩形内に白抜き(地色は薄いグレー)で「NUSTEP」の文字を表し、該文字部分の上下に同じ黒い線の矩形(正確には、NとPの上下で「NUSTEP」の文字部分と交差している。)を表してなることから、黒い線の矩形が全体で正方形を形成してなるものである。そして、黒い線の正方形内に、前記「NUSTEP」文字部分を挟んで、かまぼこ形の黒色図形が向き合うように大小各2個配した、図形と文字からなるものである。
(3)本件商標は、別掲(1)のとおり、全体が薄いグレーの地の左側に、黒い線の正方形内の左上部と右下部に黒色の楕円形を描いた図形を配し、その右側に黒地の矩形内に白抜き(地色は薄いグレー)で「NUSTEP」の文字を配した、図形と文字からなるものである。
しかして、その結合は、いずれが主要部分でいずれが補助的(付記的)部分であると断じることは不可能なほど分かち難いものである。
(4)そこで、本件商標と使用標章1とを比較すると、使用標章1は、前記のとおり、文字部分のみからなるものであり、本件商標の主要な部分である図形部分を欠いているものである。
ところで、図形と文字との結合された商標において、その結合が、いずれを主要部分とし、いずれを補助的(付記的)部分とするかとの判断を不能ならしめるほど分かち難いものであるときは、その商標の文字部分のみを抽出して、それを商標として使用したとしても、それは当該商標の使用には該当しないと判断するのが相当である(昭和55年(行ケ)第337号・東京高裁昭和57年9月30日判決参照)。
そうすると、使用標章1をもって、本件商標を使用しているとは認めることができない。
(5)次に、本件商標と使用標章2とを比較すると、いずれも、図形と文字よりなるところ、文字部分が同一といえるものの、次のような点に相違がある。
(ア)文字部分と図形部分の大きさの点
(イ)文字部分と図形部分の配置状態、すなわち、本件商標は図形部分と文字部分とが並列状態で描かれているのに対して、使用標章2は、図形部分と文字部分とが重なり合っている状態で描かれている点
(ウ)図形部分において、黒い線の正方形内に、本件商標が黒色の楕円形を2個描いたものであるのに対して、使用標章2が文字部分を挟んで、かまぼこ形の黒色図形が向き合うように大小各2個描いたものである点。
なお、使用標章2において、文字部分がないものとし、その欠いた部分のうち、向き合うかまぼこ形の部分を黒く塗りつぶせば、図形部分の全体が本件商標の図形部分と略同一といえるが、該図形部分に文字部分を重ねたことにより、図形部分はその楕円形の原型を留めない表現となっており、また、そのことによって文字部分が前面に出て強調されているとの印象を与えるのに対して、図形部分は、文字部分の背景図形との印象を与えるものといえる。
以上の点で相違し、特に、(ウ)の点は、主要な部分である図形部分の形態において顕著な差異を有するものである。
そうすると、使用標章2は、本件商標と外観において同視される商標とはいえず、本件商標と社会通念上同一のものを使用しているとは認めることができない。
被請求人は、乙第11号証ないし同第13号証の審決、判決の事例及びパリ条約第5条C第2項の規定を引用して、使用標章1は、本件商標を構成する「NUSTEP」が単独に使用され、本件商標とは相違するとしても、また、使用標章2の変更使用においても、いずれも本件商標の識別性に影響を与えない程度の表示態様の変更とみるのが相当であり、本件商標の同一性を逸脱しない範囲のものであって、社会通念上同一の商標が使用されている旨主張する。
(1)しかしながら、乙第11号証の事例は、図形と「POLA」及び「ポーラ」の各文字からなる登録商標における図形と「POLA」の文字が近接して表示されていた事例であり、また、乙第12号証及び同第13号証の審決、判決の事例は、「和漢研」と「麗姿」の文字を二段に書してなる登録商標における「和漢研」と「麗姿」が、同一平面ではないが包装箱の別々の箇所に表示されていた事例であり、いずれも本件と事案を異にするものである。
(2)また、パリ条約の前記条項は、「登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えることなく構成部分に変更を加えてその商標を使用する場合」には、その商標の登録の効力は失われないこと、すなわち、商標の附記的部分に多少の変更を加えてこれを使用しても、社会通念上登録商標の使用であると認められるときは、商標の登録の効力は失われない旨を規定したに止まり、使用標章1及び同2のように、本件商標のうちの附記的部分とはいえない主要な部分である図形部分を欠く使用及びその図形部分の形態が顕著な差異を有する使用でも、本件商標の使用であると認められるべきことを規定したものではない(同上判決、及び平成17年(行ケ)第10526号・知財高裁平成17年12月21日判決参照)。
したがって、被請求人の前記主張は採用できない。
加えて、乙第9号証の封筒には、商品の表示、名宛人、通信日付印(消印)等のない未使用の封筒というべきものであるから、この点からも、該封筒によって、本件審判の請求の登録前3年以内に、取消請求に係る指定商品について、本件商標を使用しているとは認めることができない。
してみると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、その請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを証明しているとはいえないものであり、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「第5類 医療用腕環及びその類似商品、第21類 電気式歯ブラシ及びその類似商品」について、その登録の取消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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