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結論

勝訴(請求認容)

商標「建築コスト管理士」:「士」の商標と国家資格(第4条第1項第7号|審判不服2005−4464(T2005−4464/J1))

審判番号
不服2005−4464(T2005−4464/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「建築コスト管理士」
争点(論点)
「士」の商標と国家資格
適用条文
第4条第1項第7号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2005−4464(T2005−4464/J1)・不服)は、本件商標「建築コスト管理士」について、商標法第4条第1項第7号への該当性が争われた事例です。主な争点は「「士」の商標と国家資格」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「建築コスト管理士」の文字を標準文字で書してなり、第41類「建築コストの知識及び技能に関する検定試験,建築コストの知識及び技能に関する教授,建築コストの知識及び技能に関するセミナーの企画・運営又は開催,建築コストの知識及び技能に関する電子出版物の提供,建築コストの知識及び技能に関する図書及び記録の供覧,建築コストの知識及び技能に関する書籍の制作,建築コストの知識及び技能に関する図書の貸与」を指定役務として、平成16年3月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『建築コスト管理士』と書した構成よりなるものである。

ところで、本願商標を構成する文字中『士』は、辞書によると次のような記載がある。

(a)一定の資格・役割を持った者。『学士・弁士・弁護士』(『株式会社岩波書店』発行『広辞苑』)

(b)特別の資格・職業の人。『学士・博士・文士・弁士』用例(接尾的)栄養士。公認会計士。代議士。弁護士。(『株式会社講談社』発行『日本語大辞典』)

そして、末尾に『士』の付された、例えば『当事者その他の関係人の依頼または官公署の委嘱によって、訴訟に関する行為、その他一般の法律事務を行う者。』が『弁護士』、『税理士法に従い、顧客の依頼により税務代理・税務書類の作成などを業とする者。』が『税理士』、『建築士法所定の国家試験により免許を受け、設計・工事監理などの業務を行う技術者。』が『建築士』、『他人の嘱託を受け、登記・供託に関する手続などについて代理し、また裁判所・検察庁・法務局・地方法務局に提出する書類の作成を業とする者。』が『司法書士』そして『特許・実用新案・意匠または商標に関する登録出願等の代理もしくは鑑定などを業とする者。』が『弁理士』(いずれも『株式会社岩波書店』発行の『広辞苑』参照)といわれ、これらは国家資格に係るものであることは一般に知られているところである。そうすると、末尾に『士』の付された名称は、上記したことからすると、国家が法律に基づいてその資格を特別に付与した者を表示しているものと理解する場合が多いものと考えられる。したがって、『建築コスト管理士』の文字からなる本願商標をその指定役務に使用した場合には、取引者・需要者は、あたかも国家資格等と一見紛らわしく誤認生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「建築コスト管理士」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の末尾の「士」の文字部分について、一般国民が、末尾に「士」の付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表していると、理解することが多いと一般的にはいうことができるが、他方、いわゆる「民間資格」において、法律に準拠しない「士」の文字を含む名称や称号が使用されている事実も少なからず見受けられるところである。

そこで、当審において調査するも、本願商標である「建築コスト管理士」と同一又は類似する名称の国家資格は存在しないばかりでなく、「建築コスト管理士」と同一又は類似する名称が他の法律によって、使用を規制されているといった事実も見い出し得ないところである。

そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、これより直ちに国家資格を表す名称の一つであるかのごとく誤認を生じさせるおそれがあるものとはいえず、また、国家資格制度の秩序を乱すおそれがあるものと認めることもできないから、結局、本願商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ということはできない。

してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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