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Trademark Appeal Case

記号と色彩の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−2042(T2005−2042/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「e−yellow」の文字を標準文字で表してなり、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類,肥料,陶磁器用釉薬,高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,試験紙,人工甘味料,工業用粉類,原料プラスチック,パルプ」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤,染料,顔料,塗料,印刷インキ,絵の具,防錆グリース,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉」及び第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、平成16年1月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、「e−yellow」の文字を書してなるが、構成中の「e−」の文字部分は例えばインタネット上での商取引を「e−commerce」(電子商取引)、インターネットによる資材調達を「e−procurement」、インターネットで書籍を注文する「e−hon」(全国書籍ネットワーク)等の如く、インターネットを利用した商取引等を表示するための略語として使用され、若しくは「e」の場合は上述のことからインターネットを利用した商取引の対象となる商品であることを看取させる一種の符号、記号と認識させるにすぎないし、また、「yellow」の文字部分は「黄、黄色」等の意味を有し商品の色彩を表示する部分にすぎないから、これに接する取引者、需要者はインターネットを介して取り引きされる商品であることと商品の色彩表示との組み合わせもしくは商品の符号、記号と商品の色彩表示との組み合わせよりなるものと認識し理解するものと認められるので、これを本願指定商品に使用しても、需要者は何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「e−yellow」の文字よりなるところ、その構成全体をもって特定の語義を生ずるものとはいい難く、ハイフンによって前後の語を明確に区別していることは視覚的に明らかであるばかりでなく、常に一体不可分のものとして把握、認識しなければならないとする格別の事情も見いだせないものであるから、かかる構成にあっては、欧文字の1文字「e」と「yellow」の欧文字を「−(ハイフン)」をもって結合してなるものとみるのが相当である。

ところで、近年、インターネット商取引が盛んに行われ、原査定説示のとおり、インターネット上での商取引を「e−commerce」と称しているほか、「e−business」、「e−mail」など、「e−」の文字が「インターネットの、電子の」等を表す記号・符号として普通に使用されている事実が認められる。

その一方で、一般に、欧文字の1文字若しくは2文字を商品の品番・型式・規格等を表すための記号・符号として商取引上類型的に採択・使用している実情がある。

そして、このことは本願の指定商品を取り扱う業界、とりわけ塗料業界においても例外ではなく、例えば、欧文字の1文字の「E」或いは大文字や小文字で表された欧文字の1文字が、商品の種別等を表すための記号・符号として製品(商品)名の表示中に、採択・使用されている状況が以下のインターネットのウェブサイトによって認められることから、本願商標中の「e」の文字は、その構成・態様及び前記の当該指定商品を取り扱う業界における取引の実情に基づき、個別的・具体的にみれば、商品の規格、品番等を表すための記号、符号の一類型を表示したものと認識されるというべきである。

(ア)クラリアントジャパン株式会社の加工顔料の製品名中「Pintasol E」或いはその製品群中「Yellow E−L1」の表示(http://www.clariant.de/e2wportal/jp/internet.nsf/vwWebSpider/FA190B67659B3...)、

(イ)マーケム株式会社の一般産業用マーキングインクの製品概要のインク色中「YELLOW 347−E」の表示(http://www.markem.jp/02products/05supply/9060_ink.html)、

(ウ)大日本塗料株式会社の塗料の商品情報の商品名中「マイティーシーラーE」或いは「マイティービッグサフE」の表示(http://www.dnt.co.jp/japanese/14-hcho-04.htm)、

(エ)日本ペイント株式会社のさび止め塗料の製品名中「ユニグランドEスマイル」或いは「マイカスE」の表示(http://www.nipponpaint.co.jp/biz1/building/products_18.html)、同じく、上塗り用塗料・中塗り用塗料の製品名中「グラシィSi ハードクリヤー」或いは「ファイングラシィSi クリヤー」の表示(http://www.nipponpaint.co.jp/biz1/building/products_5.html)、

(オ)関西ペイント株式会社の防カビ用塗料の製品名中「スーパーカビノンE」の表示(http://www.kansai.co.jp/products/decorative/toryo/26.html)、

(カ)藤倉化成株式会社の建築内外塗料の製品名中「フェロックストーンwsi」或いは製品説明中「フェロックストーンsi」及び「フェロックストーンw」の表示(http://www.fkkasei.co.jp/news/release.html)、

(キ)和信化学工業株式会社の木製家具用塗料の商品名中「i−AQUREXシリーズ」の表示(http://www.washin-chemical.co.jp/new_home/lineup/lineup_kou.html)、

(ク)神東塗料株式会社の誘電性塗料の製品名中「Shintron Eシリーズ」の表示(http://www.shintopaint.co.jp/html/shintron/e.html)、

(ケ)大日本インキ化学工業株式会社のポリオレフィン・フィルム用着色剤の色見本中「PL PEONY E YELLOW F−600N」の表示(http://www.dic.co.jp/products/peony/)。

また、本願商標中の「yellow」の文字は、「黄色」等の意味を表す英語として一般に親しまれているものであって、本願指定商品中、色彩が直ちに商品の品質に結びつく商品、例えば「染料,顔料,塗料,印刷インキ,絵の具」を取り扱う業界において、そのカタカナ表記である「イエロー」の文字とともに商品の色彩を表示する語として広く採択・使用されているものであり、また、「yellow」或いは「イエロー」の語が、日刊新聞記事やインターネットのウェブサイトにおいて、商品の色彩を表示する語として多数掲載されていることが認められることから、当該「yellow」の文字は、前記の当該指定商品を取り扱う業界又はこの種商品の取引業界においては、「黄色」或いは「イエロー」そのもの又は商品の色彩を表示するものとして、取引上普通に使用されているものというべきである。

そうとすれば、その構成中「e−」の文字が、インターネット取引等を表す記号・符号として認識されるほか、本願商標をその指定商品中、色彩が直ちに商品の品質に結びつく商品、例えば「染料,顔料,塗料,印刷インキ,絵の具」に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、商品の記号、符号と認識される欧文字の1文字の「e」と、色彩のイエローそのもの又は商品の色彩を表示するものとして普通に使用されている「yellow」の文字を、ありふれた記号である「−(ハイフン)」を介して一連に書してなると理解するものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標は、全体としても構成上識別標識としての顕著な特徴を有するものではなく、取引者、需要者が、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。

なお、請求人(出願人)は、当審における「請求の理由」において、「本願商標は、意味を確定し得ないものであり、このような商標が、取引者、需要者の間で、普遍的なものあるいは普遍的になり得るものということはできないし、登録例と同じ位置づけから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号には該当せず、登録されるべきである。」旨述べているが、本願商標については、商品の記号、符号と認識される欧文字の1文字の「e」と、色彩のイエローそのもの又は商品の色彩を表示するものとして普通に使用されている「yellow」の文字を、ありふれた記号である「−(ハイフン)」を介して一連に書してなるものであって、全体としても構成上識別標識としての顕著な特徴を有するものではなく、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないことは上記のとおりである。そして、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かの判断は、その査定時において、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、登録例が存在することのみによって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当することを否定することはできないし、また、本願商標についての同号該当性の判断が、登録例に拘束されるものではないから、請求人の前記主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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