Trademark Appeal Case
称呼類似性・略称認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−26731(T2004−26731/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年4月16日に登録出願され、その後、指定商品については、同年11月24日付け手続補正書により、第7類「農業用機械器具」と補正されたものである。
2.引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1357436号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NICHINO」、「ニチノー」及び「日農」の文字を三段に書してなり、昭和47年5月25日に登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として同53年11月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同登録第1443432号商標(以下「引用商標2」という。)は、「NICHINO」の文字を書してなり、昭和48年2月15日に登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として同55年11月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、平成14年9月18日に第7類「耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,牛乳ろ過器,搾乳機,育雛機,ふ卵器,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具,ほか」、第6類、第8類、第9類、第11類、第12類、第15類ないし第17類、第19類ないし第21類及び第26類に属する登録商標原簿のとおりの商品とする書換登録がなされたものである。同第1443435号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ニチノー」の文字を書してなり、昭和48年9月18日に登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として同55年11月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、平成14年9月11日に第7類「耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,牛乳ろ過器,搾乳機,育雛機,ふ卵器,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具,ほか」、第6類、第8類、第9類、第11類、第12類、第15類ないし第17類、第19類ないし第21類及び第26類に属する登録商標原簿のとおりの商品とする書換登録がなされたものである。同第1443436号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ニチノウ」の文字を書してなり、昭和48年9月18日に登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として同55年11月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同第1443437号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ニチノオ」の文字を書してなり、昭和48年9月18日に登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として同55年11月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
3.当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「ニチノー」の文字を配した図形部分と「日農機」の文字を大きく書してなる構成よりなるところ、その文字の書体、その構成を異にし、「ニチノー」の文字を含む図形部分と「日農機」の文字部分とは視覚的に分離して観察されるとするのが相当である。
そして、本願商標の「日農機」の文字は、請求人(出願人)の商号の略称と認められ、また、「ニチノー」の文字は、「日農機」の略称であると容易に認識されるものである。
このことは、「ニチノー」は社章として使用されているとする請求人(出願人)の主張によっても首肯されるものである。
そうすると、本願商標からは、その前半の構成文字に相応して「ニチノー」の称呼、後半の構成文字に相応して「ニチノウキ」の称呼をそれぞれ生ずるものと認められる。
一方、引用商標1ないし3は、前記のとおり「NICHINO」及び「ニチノー」の文字を書してなるものであるところ、該文字に相応して「ニチノー」の称呼を生ずること明らかである。
したがって、本願商標と引用商標1ないし3は、「ニチノー」の称呼を同一とするものである。
次に、引用商標4は、前記のとおり「ニチノウ」の文字を書してなり、該文字に相応して「ニチノウ」の称呼を生ずるものである。
また、引用商標5は、前記のとおり「ニチノオ」の文字を書してなり、該文字に相応して「ニチノオ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「ニチノー」の称呼と、引用商標4及び5より生ずる「ニチノウ」及び「ニチノオ」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に4音構成よりなるところ、語頭音「ニ」を含む「ニチノ」の音を同じくし、異なるところは、語尾における「ノ」の音に伴う長音と「ウ」及び「オ」の音の差異であるところ、前者は、語尾音の「ウ」が、前音「ノ」の長音化した音として実際には聴取されるものであるから、極めて近似している。また、後者は、前音である「ノ」の音の母音「o」(オ)の音との二重母音となって、「ノ」の母音に吸収されやすくなり、「ノー」のように、それ自体独立した1音としては聴取され難い長音のように聴取されるものである。
そうすると、これら差異音が語尾に位置することと相俟って、該差異音が各称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と各引用商標とは、外観において相違する点があるとしても、称呼上類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品中に本願商標の指定商品と同一又は類似の商品が包含されているものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、該「ニチノー」の文字は、「日農」を片仮名文字で表記したものであって、請求人(出願人)と引用商標の権利者との間において「農業機械器具」と「農業用薬剤」に住み分けられて使用されているものであり、本願商標において「ニチノー」の文字を有する前半の図形部分は、請求人(出願人)が社章として使用するものであり、その外観が与える印象によって識別標識として機能する旨述べているが、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、農業機械器具と農業用薬剤ではないこと上記のとおりであり、また、企業における子会社・グループ事業戦略がなされている昨今の実情より、本願商標からは、あたかも「ニチノーグループ」の一つと認識されることも少なくないといわざるを得なく、本願商標と各引用商標を農業機械器具に使用するときは、その出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとするのが相当であり、上記請求人(出願人)の主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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