結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30007(T2005−30007/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3338109号商標(以下「本件商標」という。)は、「PMI」の欧文字を書してなり、第41類「経営者・管理者・一般従業員に対する教育」を指定役務として、平成6年2月15日に登録出願、同9年8月8日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいて、その登録を取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人が、乙第7号証として提出した、富士ゼロックス株式会社の総合カタログの表紙には、「Fuji Xerox Products」の文字が記載されており、同カタログの裏表紙には「富士ゼロックス株式会社」の名称と、同社の住所、電話番号、郵便番号等が記載されているから、前記総合カタログを発行したのは、富士ゼロックス株式会社であると認められる。
また、被請求人は、答弁書において前記総合カタログは、「『親会社』の富士ゼロックス株式会社の総合カタログ」と述べていることからも、被請求人は、富士ゼロックス株式会社とは、別法人である。
してみれば、乙第7号証として提出された総合カタログは、被請求人が発行したものとは、認められない。
さらに、本件商標は、専用使用権及び通常使用権の設定登録がなされていないから、前記総合カタログの発行は、専用使用権者又は通常使用権者でもない。
したがって、乙第7号証によっては、本件商標を使用していることの証明にはならない。
(イ)被請求人は、乙第4号証として「PMIのカタログ」、また、乙第6号証として「POSITIVE MIND INNOVATION(テキスト)STEP2」を提出している。
しかしながら、上記乙各号証には、発行年月日、印刷会社名等が記載されていないから、当該乙各号証によっては、本件商標を使用していることの証明にはならない。
なお、乙第6号証のテキストの「STEP 2 自己革新への挑戦」の頁下部に、「1992 富士ゼロックス総合教育研究所」の記載があるが、1992年に同テキストが作成されたと推測されるにとどまり、本件商標を使用していることの証明とはならない。
加えて、被請求人は、前記「PMIのカタログ」を提出するのみで、前記カタログが「展示、頒布」等されたことを主張、立証していない。
したがって、乙第4号証によっては、被請求人が、本件商標を使用していることの証明にはならない。
(ウ)被請求人提出に係る乙第5号証の「PMI研修の概要」を記載したメモは、「注文書、納品書、送り状、出荷案内書、物品領収書、カタログ」(商標法第2条第3項第7号)のいずれにも、該当しないものである。
したがって、乙第5号証によっては、本件商標を使用していることの証明とはならない。
(エ)被請求人提出に係る乙第8号証の請求書の、「PMI」の文字は、請求対象を特定するために記載されているにすぎず、被請求人が提供する「PMI研修」の広告等に使用されていない。
したがって、乙第8号証によっては、本件商標を使用(商標法第2条第3項第7号)していることの証明とはならない。
(オ)被請求人提出に係る乙第3号証のウエブページ(写し)には、本件商標を、本件取消審判請求に係る指定役務に使用している旨、の記載はないから、証拠としての価値はない。
(カ)結論
以上により、被請求人は、商標法第50条第2項に規定する要件のうち、少なくとも、「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれか」が、「本件審判請求登録前3年以内に」、本件商標を「使用」しているという要件を満たしていないことが明らかである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
(1)被請求人の会社は、富士ゼロックス株式会社の教育部門から独立した会社であり、実績のある教育プログラムを数多く保有している。
この会社は、オリジナルプログラムに加え、企業人育成で世界No.1の実績をもつアチーブグローバル社と提携し、欧米で高い評価を得ている同社のプログラムを日本の風土やビジネス環境にあわせてアレンジしている。
本件商標「PMI」は、こうした教育プログラムの中の一つで、組織の中における自己革新に向けた行動力を育成するプログラムについて、使用をしている商標である(甲第4号証)。また、一人一人の自己革新のための土壌づくりを行うことで、企業革新の実現をめざすものである。
このプログラムの特徴は、「自分らしさを見つめ、自分の中の可能性を呼び戻す」ことと、「個人の自己革新により組織力強化を図る」ことにある。
テキストとしては、例えば、乙第6号証のようなものが使用される。
また、親会社の富士ゼロックス株式会社の総合カタログに、株式会社富士ゼロックス総合教育研究所が提供する「事業力強化支援教育プログラム」中の「企業変革支援プログラム」として、本件商標「PMI」が紹介されている(乙第7号証)。
乙第7号証に示すように、上記総合カタログの内容は、2004年(平成16年)1月15日現在のものである。
さらに、被請求人が、本件商標のもとに提供した役務に対する対価の請求書(写)を証拠として提出する(乙第8号証)。
乙第8号証によれば、「PMI研修(第1回9/自己革新研修(PMI)実施料)」として、具体的な対価の金額が記載され、2004年(平成16年)12月16日付で顧客宛に発行されている(顧客住所・名称は、個人情報であるので削除した。)。
(2)上述したように、本件商標が、被請求人である株式会社富士ゼロックス総合教育研究所によって、本件取消審判の請求の登録日(平成17年1月24日)前3年以内に日本国内において、その指定役務である「経営者・管理者・一般従業員に対する教育」について、使用されていたことは、明らかである。
(1)本件商標の使用及びその使用役務について
乙第7号証は、被請求人(本件商標権者)「株式会社富士ゼロックス総合教育研究所」の親会社と認められる「富士ゼロックス株式会社」の「総合カタログ 2004.1 」であるところ、当該カタログの第41頁「セミナ−教育プログラム」の欄に、「事業力強化支援教育ブログラムは、株式会社富士ゼロックス総合教育研究所の販売商品」である旨の記載があり、「事業強化支援教育プログラム」として、「営業革新プログラム」及び「企業革新プログラム」が記載されているところ、「企業変革支援プログラム」の項目中の4行目に、本件商標である「PMI」が、出所表示機能を有する態様で表示され、「自己革新に向けた行動力の醸成」の記述とともに、紹介されていることが確認できる。
また、このカタログの最終頁には、「この印刷物の内容は、2004年1月15日現在のものです。」と記述されているところから見て、当該カタログの作成年月日は、上記した総合カタログの表紙の「2004.1」と照らし合わせても、2004年(平成16年)1月中に発行したものと推認し得るものであり、かつ、この発行年月は、本件審判の請求の登録日(平成17年「2005年」1月24日)前3年以内に該当するものである。
さらに、乙第8号証の「請求書(写し)」は、2004年12月16日付けで、被請求人が、お客様宛への請求書(写し)であるところ、その請求明細欄には、「PMI研修(第1回9/自己革新研修(PMI)実施料」及びそれに相当する「単価」、「金額」、「振込先銀行名」等の記述を確認することができる。
そして、この請求書は、当該役務に関する取引書類と位置付けられるものである。
加えて、被請求人提出に係る乙第3号証ないし乙第6号証の乙各号証を総合勘案すれば、被請求人自らが、本件取消請求に係る指定役務「経営者・管理者・一般従業員に対する教育」について、本件商標「PMI」を使用していたものといわざるを得ない。
そうとすれば、被請求人は、本件商標をその取消請求に係る指定役務「経営者・管理者・一般従業員に対する教育」について、使用をしていたものと判断するのが相当である。
(2)請求人の主張について
請求人は、乙第7号証は、被請求人の親会社「富士ゼロックス株式会社」の総合カタログであって、被請求人発行のものではなく、富士ゼロックス株式会社発行のものであるから、当該カタログをもってしては、本件商標の使用の事実は、認められない旨主張している。
しかしながら、通常使用権の登録は、対抗要件ではあるが、商標登録原簿上に、その登録をしなくても効力には影響ないものであり、加えて、上記のように、親会社と子会社との関係にある両会社は、営業上密接な関係を有していること明らかであり、通常使用権の設定登録をしてないからといって、直ちに、通常使用権者ではないとは必ずしもいえないところである。
そして、当該カタログの第41頁「セミナ−教育プログラム」の欄には、本件商標・本件商標権者の名称・本件取消請求に係る指定役務と同等の内容の役務が記載されている事実よりすれば、たとえ、当該カタログが、本件商標権者(被請求人)の発行に係るものではないとしても、そのことをもって、本件商標の使用ではないとまでは、いえないものと見るのが相当である。
さらに、請求人は、乙第8号証についても種々述べているが、乙第8号証の請求書(写し)は、取引書類に含まれると見て差し支えないものであること、前記認定のとおりであり、その使用は、本件商標の使用に該当するものというべきである。
したがって、これらの点に関する請求人の主張は、採用することができない。
(3)結論
してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、その取消請求に係る指定役務について、被請求人及び通常使用権者によって使用されていたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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