Trademark Appeal Case
著名略称の無断登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90126(T2005−90126/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4824240号商標(以下「本件商標」という。)は、「プランタン」の片仮名文字と「printemps」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成16年4月23日に登録出願、第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年10月27日に登録査定、同年12月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が永年使用して需要者及び取引者間において周知著名となっている「PRINTEMPS/プランタン」と称呼において同一であるので、本件商標を指定役務に使用すると、出所の混同を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第7号について
申立人の著名商標と全く同一の文字を含む本件商標を登録することは、著名商標を第三者が登録することとなり、国際信義に反し、公序良俗に違反するもので、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第8号について
申立人の商号の著名な略称を含む本件商標を登録するにあたっては、申立人の承諾を得なければならない。しかるに、本件商標は、申立人の承諾を得ずに、登録出願されたものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
商標権者は、引用商標が世界的に広く知られていることを知りながら、登録出願に及んだものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 取消理由の通知
当審は、平成18年1月13日付け取消理由通知書をもって、商標権者に対し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与え、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、その指定役務中、第35類「全指定役務」について取り消すべきものと認める旨通知した(通知書発送日同年1月24日)。理由の要旨は次のとおりである。
(1)申立人フランスープランタン・エス・アーの提出に係る甲各号証によれば、申立人は、1881年フランス国パリ、オスマン通りに創立された名門の百貨店であり、申立人の名声は、広く海外にもおよび、我が国においても、昭和56年3月神戸三宮に第1号店として「プランタンデパート三宮」を、昭和57年6月に札幌市に「プランタンデパート新さっぽろ」を、昭和59年1月に大阪ミナミに「プランタンデパートなんば」を、同年4月に東京銀座に「プランタン銀座」をオープンさせている。とりわけ、東京銀座の「プランタン銀座」は、その商品の品揃えの良さと提供されているサービスの良さから、極めて高い評価を得ており、例えば、昭和59年4月27日付日経新聞には「銀座百貨店戦争火ブタ/『プランタン』に13万人殺到」と記載されており、同年4月28日付産経新聞には「百貨店”新銀座戦争”火ぶた/プランタンが開店」とあり、同年6月14日付日経流通新聞には「善戦のプランタン」とあり、その他、極めて多くの新聞等において、「プランタン銀座」をはじめとする申立人の紹介記事が掲載されており、数多くのテレビ局からも取材申し込みがなされている。そしてまた、我が国において最も人通りの多い場所の一つである東京都中央区銀座に位置する百貨店「プランタン銀座」のビルの外壁には、大きく「Printemps」の看板がいくつも掲げられており、新聞紙上における宣伝広告においては、申立人は自社を「PRINTEMPS/プランタンGINZA」、「PRINTEMPS GINZA/プランタン銀座」のように表示している事実を認めることができる(甲第20号証ないし同第98号証)。
(2)以上の事実に照らしてみれば、「Printemps(プランタン)」の文字からなる標章は、申立人(我が国における申立人の子会社を含む)の取扱いに係る商品及びサービスを表示する商標として、また、申立人の名称の略称として、本件商標の登録出願時には既に、取引者・需要者の間において広く知られ著名になっていたものと認められ、その著名性は登録査定時においても継続していたものということができる。
しかして、本件商標は、上記のとおり、「プランタン」の片仮名文字と「printemps」の欧文字とを二段に横書きしてなるものであるから、これは他人(申立人)の名称の著名な略称を含む商標であって、かつ、その他人の承諾を得ているものとは認められない。
(3)したがって、本件商標の登録は、その指定役務中、申立に係る第35類「全指定役務」について、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものである。
4 商標権者の意見
上述した取消理由の通知に対し、商標権者は意見書を提出していない。
5 当審の判断
本件商標の登録は、上述した取消理由により、商標法第4条第1項第8号に違反してされたと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その指定役務中「結論掲記の指定役務」について取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。