Trademark Appeal Case
地名と商品名の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90189(T2005−90189/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4831884号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年10月2日に登録出願され、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第30類「そうめんのめん」を指定商品として、平成17年1月14日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
1 登録第2219632号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和56年7月8日に登録出願、第32類「そうめん」を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録されたものである。
2 登録第2219633号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和56年7月8日に登録出願、第32類「そうめん」を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録されたものである(以下、1及び2併せて「引用各商標」という。)。
第3 登録異議の申立の理由(要旨)
1 本件商標と引用各商標とは、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品は引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている周知著名な引用各商標と同一又は類似する商標であって、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。かつ、本件商標は、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある商標である。さらに、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内において周知著名な引用各商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものである。
第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、別掲(1)に示すとおり色彩を施してなる構成よりなるところ、奈良県桜井市の三輪はそうめんの産地として、また、そうめん(「素麺」、「索麺」とも書く)が広く一般に知られていることからすると、本件商標をその指定商品「そうめんのめん」に使用した場合、その構成中の「三輪素麺」の文字のうち、「三輪」は商品の産地を、「素麺」はその指定商品を示す文字として、取引者、需要者に認識されるものである。
そうとすると、本件商標中の「三輪素麺」の文字部分は、自他商品の識別機能を有しない部分というべきであるから、本件商標は、該「三輪素麺」の文字部分以外の図形及び図形と文字とが結合された部分が、自他商品の識別標識として機能を有するものである。
2 引用各商標について
引用各商標は、別掲(2)及び(3)のとおりの構成よりなるところ、引用各商標は、商標法第3条第2項の適用を受けた登録商標であるが、その適用にあたっては、いずれの引用商標も「三輪素麺」並びに「極寒手延」及び「三輪そうめん」の各文字の具体的配置、態様、外観等の全体構成が一体となった一個の商標として、初めて自他商品の識別機能を有するに至っているものというべきである。
3 商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
(1)本件商標と引用商標1との類否について
本件商標中の「三輪素麺」の文字部分と引用商標1の「三輪素麺」の文字は、「ミワソウメン」の称呼及び「三輪地方で製造されたそうめん」の観念が同一であるが、その他の共通する部分はないものと認められる。
そして、本件商標中の「三輪素麺」の文字部分は、前述のとおり、自他商品の識別機能を有しない部分であるから、本件商標と引用商標1とが類似する商標とすることができない。
(2)本件商標と引用商標2との類否について
引用商標2は、それを構成する「極寒手延」及び「三輪そうめん」の各文字が不可分一体の一個の商標として商標法第3条第2項の適用を受けた登録商標であることからすれば、「三輪そうめん」の文字部分を分離抽出して、本件商標中の「三輪素麺」と類否判断をすることは適当ではない。
そうとすれば、引用商標2は、書された文字に相応して「ゴクカンテノベミワソウメン」の称呼及び「極めて寒い時期に三輪地方で製造された手延べそうめん」程の観念を生ずるのに対し、本件商標中の「三輪素麺」の文字部分からは、前記のとおり、「ミワソウメン」の称呼及び「三輪地方で製造されたそうめん」の観念を生ずるから、両者は、観念において近似するところがあるにしても外観及び称呼において顕著な差異を有する上、他に共通する部分はないものと認められる。
そして、本件商標中の「三輪素麺」の文字部分は、前述のとおり、自他商品の識別機能を有しない部分であるから、本件商標と引用商標2とが類似する商標とすることができない。
したがって、本件商標と引用各商標とは非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反するものではない。
4 商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人は、前記第3 2のとおり述べているが、本件商標と引用各商標とは、前記3で認定・判断したとおり、本件商標中の「三輪素麺」の文字部分以外の図形及び図形と文字との結合された部分と商標法第3条第2項の適用を受けて登録された引用各商標とは、その構成態様において明らかに異なる別異の構成よりなる商標であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人の引用各商標と商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反するものではない。
また、本件商標と引用各商標とは非類似の商標であることは、前記判断のとおりである。
したがって、本件商標権者における「不正の目的」の有無を判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反するものではない。
5 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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