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第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第15号「称呼・観念・外観の類似」の商標審決・判断理由(審判番号:異議2005−90475(T2005−90475/J7)|登録維持)

審判番号
異議2005−90475(T2005−90475/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
称呼・観念・外観の類似
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
第3類・第5類・第16類・第21類・第25類・第28類・第29類・第30類・第31類・第32類・第33類・第34類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2005−90475(T2005−90475/J7)・異議)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼・観念・外観の類似」です。指定商品・役務は第3類・第5類・第16類・第21類ほかに属します。特許庁は「登録第4871551号商標の登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4871551号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4871551号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(ア)のとおりの構成よりなり、平成16年11月24日に登録出願、第3類、第5類、第16類、第21類、第25類、第28類、第29類、第30類、第31類、第32類、第33類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年6月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標又は標章は、以下のとおりである。

(1)登録第990000号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(イ)のとおりの構成よりなり、昭和45年7月23日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和47年11月30日に設定登録され、その後、平成16年9月1日に指定商品を第6類、第9類、第16類、第19類及び第20類とする商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録されているものである。

(2)登録第1509661号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(イ)のとおりの構成よりなり、昭和46年3月26日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和57年4月30日に設定登録され、その後、平成15年10月29日に指定商品を第9類、第15類、第25類及び第28類とする商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録されているものである。

(3)登録第2718945号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(ウ)のとおりの構成よりなり、平成3年6月3日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年12月25日に設定登録されたものである。

(4)登録第4549634号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(エ)のとおりの構成よりなり、平成13年3月30日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月8日に設定登録されたものである。

(5)登録第4549635号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(エ)のとおりの構成よりなり、平成13年3月30日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月8日に設定登録されたものである。

(6)登録第4549636号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(エ)のとおりの構成よりなり、平成13年3月30日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月8日に設定登録されたものである。

(7)登録第2511520号商標(以下「引用商標7」という。)は、「APPLE」の文字を横書きしてなり、昭和63年11月2日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年3月31日に設定登録され、その後、平成16年9月1日に指定商品を第9類及び第16類とする商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録されているものである。

(8)申立人の商標として広く一般に知られている別掲(イ)のとおりの構成よりなる標章(以下「引用商標8」という。)。

(9)登録第2676724号商標(以下「引用商標9」という。)は、「APPLE」の文字を横書きしてなり、昭和63年11月2日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年6月29日に設定登録され、その後、平成17年6月22日に指定商品を第9類及び第15類とする商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録されているものである。

3 登録異議申立て理由(要点)

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標1ないし引用商標6と「リンゴ」又は「アップル」の称呼及び「りんご」の観念を共通にし、かつ、外観も類似する商標であり、また、引用商標7と「アップル」の称呼及び「りんご」の観念を共通にする類似の商標である。

さらに、本件商標の指定商品中、第16類、第21類、第25類、第28類及び第34類に属する商品には、引用商標1ないし引用商標7の指定商品と同一又は類似の商品が含まれる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人は、引用商標7ないし引用商標9を世界的に著名なロックバンド「The Beatles」等の音楽を録音したCDやレコード等のジャッケット、ラベル等に使用した結果、これらの商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、世界的に著名なものとなっていた。

本件商標は、前記(1)のとおり、引用商標7と類似する商標であり、また、その指定商品中の第16類「印刷物,写真,写真立て」は、引用商標7の指定商品と同一又は類似のものであるから、本件商標の指定商品中上記商品については、商標法第4条第1項第10号に該当する。

さらに、本件商標は、引用商標8と「リンゴ」又は「アップル」の称呼及び「りんご」の観念を共通にし、かつ、外観も類似する商標であり、また、引用商標9とは、称呼及び観念において類似する商標である。

したがって、本件商標を登録異議の申立てに係る指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、該商品を申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、商品の出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第16類、第21類、第25類、第28類及び第34類に属する商品は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(ア)のとおり、赤色に塗られた果実と思しきものに緑色に塗られた二つの葉を構成要素とする図形からなるものであるところ、該図形は、りんごの実をモチーフにしたものであるとしても、全体が比較的抽象的に表現されており、「二つの葉が付いたりんごの実」を表したと理解され、これを赤色と緑で配色されたきわめて特異性のある図形として看者に記憶されて、その外観印象をもってのみ取引に資されるものというべきであり、これを越えて直ちに、「リンゴ」又は「アップル」の称呼及び単に「りんご」の観念を生じるといい難いものである。

してみれば、本件商標より「リンゴ」又は「アップル」の称呼及び「りんご」の観念を生ずるとし、これを前提に本件商標と引用商標1ないし引用商標7とが「リンゴ」又は「アップル」の称呼及び「りんご」の観念において類似するとの申立人の主張は、採用できない。

また、本件商標は、別掲(ア)のとおりの構成よりなるものであり、引用商標1ないし引用商標6は、ぞれぞれ別掲(イ)ないし(エ)のとおりの構成よりなるものであるところ、本件商標と引用商標1ないし引用商標6は、これら商標を構成する各部の差異、配色の差異等により、それぞれを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、相紛れるおそれはないというのが相当である。したがって、本件商標と引用商標1ないし引用商標6が外観上類似するとする申立人の主張は理由がないものである。

その他、本件商標と引用商標1ないし引用商標7とが類似するとみるべき理由は見出せない。

したがって、本件商標と引用商標1ないし引用商標7とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

甲第11号証ないし甲第21号証を総合すれば、申立人は、本件商標の登録出願前より、「The Beatles」等の音楽を録音したCDやレコード等のジャッケット、ラベル等に引用商標8を使用していたことが認められるが、引用商標8は、「The Beatles」又はそのメンバーの名前と共に使用されることにより、初めて、申立人の業務に係るレコード等を表示するものとして、需要者に認識されるマークであって、それ自体は、りんごの実を写実的に表した図形であり、特に看者の注意を引くとはいえず、かつ、これが単独で使用されて周知性を具備しているとまではいえない。また、引用商標7及び引用商標9が独立して使用されている例は少なく、例えば、「アップル・レコード」、「アップル・コープス」などのように、他の語と結合させたものの使用であり、引用商標8と同様に、引用商標7及び引用商標9は、単に一般的なりんごを意味する語にすぎない。

加えて、本件商標の指定商品は、引用商標7ないし引用商標9が使用される録音済みCDやレコード等とは、商品の生産者、取引系統等を異にするものが多く含まれており、格別密接な関係を有するものとはいえない。

さらに、本件商標は、前記(1)で認定したとおり、引用商標7とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標と認められる(このことは、引用商標9も同じである。)ばかりでなく、引用商標1、引用商標2及び引用商標8とも、称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標と認められる。

そうすると、本件商標を登録異議の申立てに係る指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標7ないし引用商標9を想起又は連想することはきわめて少ないものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせる蓋然性はきわめて低いものといわなければならない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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