Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90502(T2005−90502/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4875341号商標(以下「本件商標」という。)は、平成16年10月8日に登録出願、「AGLAIA」の欧文字を標準文字で書してなり、第25類「被服」を指定商品として、同17年6月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、昭和52年12月23日に登録出願、「ALAIA」(「I」の上には「..」の記号が付いている。)の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、同56年11月27日に設定登録、その後、指定商品については平成14年6月26日付けで商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされている登録第1488683号商標(以下「引用商標」という。)と、商標において類似するものであり、また、両者の指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、1980年代に世界的にブームを巻き起こしたファッション・ボディ・コンシャス・スタイルの先駆けとして著名となったチュニジア生まれの服飾デザイナーであり、引用商標「ALAIA」(「I」の上には「..」の記号が付いている。)は、商品「女性用スーツ、ワンピース等」に使用されて、本件商標の登録出願時(平成16年10月8日)には、取引者、需要者の間に広く認識されていた。
してみれば、本件商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、両者の指定商品は同一又は類似するものであるから、本件商標を指定商品について使用する場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第19号該当について
商標権者は、本件商標を指定商品について使用するにあたって、申立人の引用商標「ALAIA」(「I」の上には「..」の記号が付いている。)の人気に便乗しようとの不正の目的があることは明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は「AGLAIA」の欧文字よりなるものであるから、構成文字に相応して「アグライア」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、「ALAIA」(「I」の上には「..」の記号が付いている。)の欧文字よりなるものであるから、構成文字に相応して「アライア」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「アグライア」の称呼と、引用商標より生ずる「アライア」の称呼とを比較するに、両者は5音と4音という音構成の差違に加えて、第2音目における「グ」の音の有無の差異を有するものである。
そして、「アグライア」の称呼は、「アグ」と「ライア」の2音節の称呼として聴取されるのに対して、「アライア」の称呼は、1音節の称呼として聴取されるものとみるのが相当である。
そうとすれば、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が相違し称呼上彼此相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。
さらに、本件商標は特定の意味合いを有しない一種の造語と判断するのが相当であるから、両者は観念上比較し得ないものであり、また、それぞれの構成よりみて外観上十分に区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、その称呼、外観及び観念のいずれからしても十分に識別し得る商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当について
申立人が、引用商標の周知、著名性を立証するために提出した甲第3号証ないし甲第5号証によれば、申立人は、1980年代に世界的にブームを巻き起こしたファッション・ボディ・コンシャス・スタイルの先駆けであるチュニジア生まれの服飾デザイナーである事実は認められるが、提出された証拠資料をもってしては、生産の数量、営業の規模(売上高等)、広告・宣伝の程度等、引用商標の周知著名性を立証するに不十分であるといわざるを得ない。
また、上記したとおり、本件商標と引用商標は、その称呼、外観及び観念のいずれからしても十分に識別し得る商標である。
そして、両商標は、他に類似するところはなく混同を生ずるとすべき理由は見出せない。
してみれば、商標権者が、本件商標をその指定商品について使用した場合、取引者、需要者が引用商標を直ちに連想、想起するようなことはなく、当該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号
申立人提出に係る甲第3号証ないし甲第5号証によっては、引用商標の周知著名性を立証するに不十分であること上記したとおりである。
そして、商標権者が本件商標を使用する行為に不正の目的があったとは認められないところである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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