Trademark Appeal Case
周知商標と著名商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90509(T2005−90509/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4876000号商標(以下「本件商標」という。)は,平成15年10月29日に登録出願,「クラブレガシィ」の文字を標準文字で書してなり,第16類「雑誌,新聞」を指定商品として,同17年7月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は,登録異議申立人(以下「申立人」という。)の通常使用権の許諾の下に,株式会社ニューズ出版(以下「ニューズ出版」という。)が自動車に関する雑誌の題号に使用している後掲(1)及び(2)の構成よりなる未登録周知商標(以下「引用商標1」及び「引用商標2」という。)並びに申立人の所有に係る著名な商標である「LEGACY」の欧文字を横書きしてなり,昭和62年4月7日登録出願,第12類「輸送機械器具,その部品および附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として,平成元年10月31日に設定登録された登録第2181190号商標(以下「引用商標3」という。)の各商標が現存するのを知りながら,申立人及びニューズ出版の許可を得ることなく無断で登録出願されたものであり,その行為は引用各商標に形成された信用や顧客吸引力を利用し,不正の目的をもって出願し登録されたものであって,公正な商取引秩序を乱すものであるから,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものである。
(2)そして,本件商標は,上記のとおり雑誌の題号として需要者の間に広く認識されている引用商標1及び引用商標2と称呼,観念において類似する商標であり,また,類似の商品について使用されるものである。さらに,周知著名な引用商標3を使用した申立人の提供に係る自動車(レガシィ車)は,平成元年より今日に至るまで盛大に広告・宣伝されてきた著名度の確立しているものであるところ,本件商標は,その構成の一部に「レガシィ」の文字を含むものであるから,本件商標をその指定商品に使用した場合には,申立人又は申立人と関連のある者の取り扱いに係る商品であるかのごとく,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用各商標
本件商標は,前記1のとおりであるから,その構成文字に相応して「クラブレガシィ」の称呼を生ずるものである。他方,引用各商標の構成は,前記2のとおりであるから,それぞれの構成文字に相応して,引用商標1及び引用商標2からは「レガシー」及び「クラブレガシィ」の称呼を生ずると認められるものであり,また,引用商標3は「レガシィ」の称呼を生ずるものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人より提出された甲各号証によれば,申立人が未登録周知商標であるとする引用商標1及び引用商標2は,申立人と通常使用権者の関係にあるニューズ出版の発行に係る自動車に関する雑誌の題号として2000年(平成12年)12月(号)より使用されていることは,認められるものの,発行部数が日本全国で2万部を超えたのは,2002年6月発行までであり,その後は,1万2千部から1万9千部程度であって,かつ,発行形態も2003年12月(号)までは,季刊であり,その後,2005年2月(号)までは,隔月刊であることを考慮すると,決して発行部数が多いとは認められず,引用商標1及び2が周知性を獲得したとまでは,認め得ないものであるから,例え,本件商標が引用商標1及び引用商標2と称呼において類似するとしても,本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するということはできない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人より提出された証拠によれば,申立人が自動車に使用する引用商標3の構成よりなる「LEGACY」は,平成元年の販売開始から今日に至るまで,申立人の盛大な広告・宣伝及び営業努力により,この種業界及び需要者の間で広く知られていることは,認められるとしても,それはあくまでも自動車に関連する業界及びその需要者間についていえることであって,提出に係る証拠によっては,本件商標の指定商品である「雑誌,新聞」についてまで,英単語の一である「LEGACY」が著名性を獲得したとまでは,認め得ないところであり,加えて,本件商標は,「クラブレガシィ」の片仮名文字よりなるものであるから,本件商標をその指定商品に使用しても,申立人使用商標又は引用商標3などを連想・想起することはなく,その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは,認められない。
したがって,本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するということはできない。
(4)公序良俗又は不正の目的について
本件商標は,前記したとおりであり,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく,また,本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,又は,社会の一般的道徳観念に反するものでなく,さらに,他の法律によってその使用が禁止されているものとは,認められない。
加えて,本件商標は,上記(1)のとおり認定・判断し得るものであり,提出された証拠によっては,引用商標1及び引用商標2は,需要者の間に広く認識されている商標と認められないものであって,かつ,本件商標が申立人の引用商標3との関係で商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは,認められないから,商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは,認められない。
したがって,本件商標が商標法第4条第1項第7号又は同第19号に該当するということはできない。
(3)結び
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同第10号,同第15号又は同第19号のいずれにも違反して登録されたものでないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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