Trademark Appeal Case
著名商標の類否と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90555(T2005−90555/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4881686号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年11月30日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年6月9日に登録をすべき旨の審決がなされ、同年7月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人ローラ アシュレー リミテッド(以下「申立人」という。)が引用する3件の登録商標は以下のとおりであり、いずれも、現に権利が有効に存続しているものである(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
(a)登録第1388786号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和48年12月25日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年8月30日に設定登録されたものである。
(b)登録第2110701号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年8月16日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録されたものである。
(c)登録第2048639号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年8月16日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年5月26日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の構成中、「FURNITURE」及び「Homestore」の文字は、それぞれ「家具」及び「販売店」といった意味を有するから、販売場所・品質等を表示するにすぎない識別力のない語である。したがって、本件商標は、「アシュレイ(ASHLEY)」単独の観念をも生じ、「アシュレイ」の称呼及び申立人の著名ブランド「ローラ アシュレイ」とも相俟って、「(ローラ)アシュレイの家具販売店」の観念が生じる。
他方、引用商標からは、「ローラ・アシュレイ」若しくは「アシュレイ」の観念が生ずるものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、「ローラ アシュレイ」の観念を共通にする類似の商標であり、指定商品も同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、英国を中心に、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本、香港等25力国に420店舗を展開する世界でも有数の企業であり、特に、母国イギリスでは、国を代表する企業と言われている(甲第5号証、甲第8号証及び甲第9号証)。独特の美しい花柄プリントの婦人服のみならず、オーダーメードカーテンやソファー、壁紙、クッション等、特に、家具や照明器具は、申立人の主力商品である。
わが国において、申立人の店が東京・銀座に初めて開店したのは、昭和60年であるが、それ以前から、申立人の花柄プリント並びにその婦人服やインテリア用品の存在は、イギリスの人気ブランドとしてわが国においても広く知られていた(甲第10号証ないし甲第109号証)。
したがって、本件商標がその指定商品に使用されれば、申立人又は申立人と関連を有する企業によって製造販売された商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第19号について
本件商標は、他人の名称の著名な略称を含んでおり、また、引用商標と酷似するものであるから、引用各商標を剽窃したものに他ならず、他人の周知商標を不正の目的をもって使用するものというべきである。
(5)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、店舗の正面を想起させるが如き彩色された図形の中に、「ASHLEY」の文字を大きく表し、その下に、やゝ小さく「FURNITURE」の文字をいずれも黄色をもって表し、更にその下に、筆記体の「Homestore」の語を白抜きの文字をもって表した構成からなるものである。
他方、引用商標は、別掲(2)に示したとおり、楕円形の中に「laura」と「ashley」の欧文字を籠文字をもって二段に表し、その下に花付きの植物の枝を配した構成からなるものである。
上記した引用商標の構成によれば、「laura」の文字と「ashley」の文字とは、外観上まとまりよく一体的に構成されており、これより生ずると認められる「ローラアシュレイ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、通常、かかる姓名を表したものと認められる商標の場合には、格別の事情のない限り、これを一体のものとして捉えるのが自然であり、「ashley」の文字部分が広く知られている等、該文字部分のみが独立して認識されるとみるべき格別の事情も見出せない。
そうとすれば、引用商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の人名を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であるから、その構成文字に相応して「ローラアシュレイ」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
してみれば、本件商標から「アシュレイ」の称呼を生ずるとしても、「ローラアシュレイ」の称呼のみを生ずる引用商標とは、その音構成において明らかな差異を有するものであるから、本件商標と引用商標とは、称呼において類似するものとはいえない。
また、引用商標は、デザイナーとしての「ローラアシュレイ」を観念させるのに対し、本件商標からは、上記観念を生じないものであるから、両商標は観念においても類似しないものである。
更に、両商標は、外観においても、構成上十分区別し得る差異を有し、両商標から受ける印象も全く別異のものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第15号及び同第19号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、判然と区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠によるも、申立人が「Ashley(アシュレイ)」と略称され、あるいは、引用商標が「Ashley(アシュレイ)」の文字部分のみをもって著名になっていたものと認めるに足る証拠は見当たらない。
してみれば、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標ということはできない。
また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
更に、本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに解されるものであるから、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとはいえず、また、不正の目的をもって使用をするものということもできない。
(3)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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