sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名図形商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90558(T2005−90558/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4882526号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4882526号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年9月9日に登録出願、第11類、第20類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年6月29日に登録査定、同年7月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標について

登録異議申立人ナイキ・インコーポレーテッド(以下「申立人」という。)は、以下の5件の登録商標を引用し(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、本件商標は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と近似する図形をその一部に含むから、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第47号証(枝番号を含む)を提出している。

(a)登録第2286631号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和59年2月22日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録され、その後、同13年9月19日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされているものである。

(b)登録第1976560号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和59年2月22日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録されたものである。

(c)登録第1371518号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和47年6月30日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年2月22日に設定登録されたものである。

(d)登録第1537262号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和52年5月31日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年9月30日に設定登録され、その後、平成15年1月22日に指定商品を第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされている。

(e)登録第4144090号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年1月31日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年5月8日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標とは、ともに端部と終部を収斂させ、中間部を幅広としたブーメラン状の図形である点で共通し、本件商標の図形部分の表示位置・方向を引用商標と同じくした場合には、当該図形部分と引用商標とは、その外観において近似するといえるものである。

申立人は、「運動靴、運動用特殊靴、被服、運動用特殊衣服」等について、世界的に著名な商標「NIKE」並びに「SWOOSH(スウッシュ)」と呼ばれる引用商標を使用するのみならず、各国有名チーム、有名選手と契約することにより、多大な費用をかけて継続的かつ大々的に「スウッシュ」マークを使用した広告宣伝を行ってきたことにより、需要者は、「スウッシュ」のマークを見ただけで、申立人の商品を直ちに想起するに至っており、引用商標がわが国において著名であることは顕著な事実である。

そして、商標権者がTシャツ等に本件商標を使用している状態を併せみれば(甲第4号証)、本件商標をその指定商品について使用をするときは、その商品の出所につき誤認、混同を生じさせるおそれのあるものといわなければならない

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、別掲(1)に示したとおり、「Gallery 1950」の文字の左側に、文字部分の一部を囲い込むように、黒塗りの円弧状の図形を配した構成からなるものであり、該円弧状の図形は、やゝ長めの上端部から最大幅の中央部分を経てやゝ短めの下端部に至る構成からなるものである。

他方、引用商標は、別掲(2)及び(3)に示したとおり、左端部から弧を描くように幅を広げ、その最大幅部分から右端部へ向けて、次第に幅を狭めながら長く細く、先端が極めて鋭角的になるように描かれた図形からなるものであって、引用商標1、2及び5は、全体を黒塗りで表されており、引用商標3及び4は、周囲を細線で縁取られた図形として表されている。

そこで、本件商標の図形部分と引用商標とを比較するに、これらの商標は、その構成中の一部において互いに似かよった形状部分があるとしても、本件商標の図形部分は、両端部を含めて全体として緩やかな円弧状の図形であって、ブーメランの如き形状を想起させるものであるのに対して、引用商標は、流線形状図形の両端部が鋭角的に表されており、しかも、その一方の端が他方の端に比べて長く細くなるように表現されていることから、流動的な印象が極めて強い図形ということができる。

そうとすれば、本件商標は、円弧状の図形と文字部分との結合関係が強い構成からなるものであるが、本件商標の図形部分と引用商標とを対比しても、その構成態様において十分区別し得る差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成よりなるこれら商標の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象を異にするものというべきであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、本件商標の図形部分からは、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念については比較すべくもない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)出所の混同について

上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

なお、申立人は、審決例等を挙げているが、それらの審決例等で争われている商標は、本件とは商標の構成を異にするものであって、事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。また、商標権者の使用例として提出されている甲第4号証は、そのほとんどが本件商標をそのままの態様で使用しているものとは認められないものである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。