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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90562(T2005−90562/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4883336号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4883336号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成12年12月27日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成17年7月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る次の(a)ないし(m)に示す登録商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)と類似の商標であり、その指定商品も引用商標の指定商品と抵触する。

また、引用商標は、申立人の商品を表示するものとして著名であるから、本件商標は、商品の出所について混同を生ずる蓋然性が極めて高く、さらに、本件商標は、引用商標の著名性にフリーライドするものであり、引用商標に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

(a)「SHOT」の文字と「シヨット」の文字を二段に書してなり、昭和60年2月12日に登録出願、第11類に属する商品を指定商品として、同62年7月23日に設定登録され、その後、同年11月9日に一部の指定商品について一部抹消の登録がされた登録第1966638号商標。指定商品の詳細は、商標登録原簿のとおりである。

(b)「ショット」の文字を書してなり、平成7年12月27日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同10年1月9日に設定登録された登録第4101067号商標

(c)「ショット」の文字を書してなり、平成7年12月27日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同9年5月30日に設定登録された登録第4005386号商標

(d)「ショット」の文字を書してなり、平成7年12月27日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同9年10月17日に設定登録された登録第4071442号商標

(e)「ショット」の文字を書してなり、平成7年12月27日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同11年12月3日に設定登録された登録第4341194号商標

(f)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和58年5月6日に登録出願、第11類に属する商品を指定商品として、平成6年10月31日に設定登録され、その後、平成17年6月29日に指定商品の書換登録がされた登録第2698113号商標。指定商品の詳細は、商標登録原簿のとおりである。

(g)別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年7月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同8年11月29日に設定登録された登録第3227060号商標

(h)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成9年9月10日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同11年9月3日に設定登録された登録第4312579号商標

(i)「Schott」の文字を書してなり、昭和41年4月28日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同42年4月7日に設定登録された登録第738368号商標

(j)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和58年5月6日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同63年10月26日に設定登録された登録第2089824号商標

(k)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成9年9月10日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同12年8月11日に設定登録された登録第4408420号商標

(l)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成9年9月10日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同12年3月10日に設定登録された登録第4367538号商標

(m)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成9年9月10日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同11年9月17日に設定登録された登録第4316573号商標

3 当審の判断

(1)本件商標は、別掲に示したとおり、「BEST SHOT」の各文字が同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表されていて、視覚上両文字間に特に軽重の差を見いだすことができないものであり、これより生ずる称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、「BEST」の文字が「最上、最良、最善」を、「SHOT」の文字が「発射、射撃、ボールを打つこと、打球、撮影にあたってカメラの回転が始まり、終わるまでの一場面」(いずれも三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典」の「ベスト」及び「ショット」の項参照)をそれぞれ意味する語として広く一般的に知られ親しまれている極めて平易な英単語であって、これらをカタカナ語で表した「ベスト」、「ショット」の語が上記辞書のほか岩波書店発行「広辞苑」などの一般の国語辞典に採録されている日常語であることからすると、本件商標を構成する「BEST SHOT」の文字の全体より「最上のショット」程の意味合いを認識し得るものということができるから、構成中の「BEST」の文字が上記の意味合いのもとに商品の品質等を表示するものとして使用される場合のあることを考慮しても、かかる構成にあっては、全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるものとみるのが自然であるというべきである。

してみれば、本件商標は、その全体の構成文字に相応して「ベストショット」の称呼のみを生ずるものと認められる。

申立人は、「仮に、本件商標の全体より何らかの『特別な意味合い』が生ずる場合があるとしても、それをもって常に一体不可分のものとみなければならない理由になるかどうかは、その『特別な意味合い』がその商標が使用される業界において常にそのように認識されるか否かを基準に判断されるべき」である旨主張する。

しかしながら、本件商標を構成する「BEST」及び「SHOT」の文字とも、上述のとおり極めて平易な英単語として一般に知られ親しまれている語であって、我が国における英語の普及度に照らせば、業界の如何に関わらず、これに接した者の多くがその全体より上記した意味合いを容易に認識するというべきであるから、この点に関する申立人の主張は、上記判断を左右するものではない。

そうとすれば、本件商標より「ショット」の称呼をも生ずるとし、その上で本件商標が引用商標と称呼上類似する、あるいは外観及び観念においても類似するとする本件登録異議の申立ての理由は妥当でなく、その理由をもって両商標を類似の商標とすることはできない。

(2)申立人の提出に係る証拠によれば、ショットグループは、カールツアイス財団が所有するショット・グラス社を頂点とするヨーロッパにおける特殊ガラスの最先端メーカーであって、世界でも業界のトップグループに位置する企業ということができ、我が国においても、1966年1月にショット日本株式会社を設立し、我が国の企業と合弁会社を設立するなど積極的に事業活動を展開していることが認められる。

しかしながら、申立人の使用する商標は、別掲(3)に示した「SCHOTT」の文字からなる商標を中核とするものと認められ、本件商標を構成する「BEST SHOT」の文字とは、文字構成が大きく異なるといわざるを得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者・需要者がこれより引用商標を直ちに連想・想起するものとは認めることができない。

そうとすれば、本件商標は、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

(3)以上からすると、本件商標は、引用商標の著名性にフリーライドするものではなく、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用するものということもできない。

(4)してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。

したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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