Trademark Appeal Case
「ミックス」称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90645(T2005−90645/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4895777号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年2月14日に登録出願、第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」の役務を指定役務として、同17年9月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第12号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、申立人の引用に係る、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成16年6月10日に登録出願、第43類「レストランにおける飲食物の提供,バーにおける飲食物の提供,喫茶店における飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,ケータリング(飲食物)」の役務を指定役務として、同17年1月14日に設定登録された登録第4832624号商標(以下「引用商標1」という。)及び別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成15年3月31日に登録出願、第43類「コーヒーを主とする飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,簡易食堂における飲食物の提供,ケータリング,カクテルラウンジにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,セルフサービス式レストランにおける飲食物の提供,ビュッフェレストランにおける飲食物の提供,フアーストフッドレストランにおける飲食物の提供,小酒場におけるアルコール飲料を主とする飲食物の提供,健康食品を主とする飲食物の提供,軽食堂における飲食物の提供,喫茶店における飲食物の提供,パン主とする飲食物の提供,宴会における飲食物の提供,その他の飲食物の提供 」の役務を指定役務として、同16年3月19日に設定登録された登録第4757166号商標(以下「引用商標2」という。)と「ミックス」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
別掲(4)及び同(5)のとおりの構成よりなる現実の使用態様である引用標章1及び同2(以下、一括していう場合は「引用標章」という。なお、申立人は、引用商標1、同2及び引用標章1、同2をまとめて「引用商標」としているかのように記載されているが、異議申立の具体的理由中、「(商標法第4条第1項第15号)」の項目の内容からすると、引用標章1及び同2を指しているものと認めることができ、このように特定した。)は、申立人の商標として、需要者に広く知られているものであるから、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の役務を表示するものとして日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって、本件商標の使用により引用標章の出所表示機能を稀釈化し、その名声を毀損させるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、外国商標である引用標章と類似の商標を、引用標章と同一又は類似の役務について、外国商標権者たる申立人の同意なく登録したも
のであるので、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがある商標である。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、上段に、「MIX」の文字と「+」の記号を、また下段にそれらの読みを表した「ミックスプラス」の文字を、それぞれ同じ大きさ、同じ間隔で表されていて、外観上まとまりよく一体的に把握し得るものであり、これより生ずると認められる「ミックスプラス」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、該構成中の「MIX」「ミックス」は「混合、混和」等の意味を有する平易な英語、親しまれた外来語であるばかりでなく、指定役務中の「飲食物の提供」との関係において、提供に供する飲食物の中には複数の材料を混ぜ合わせたものがあり、これらの飲食物を指す語として、例えば、ミックスジュース、ミックスサンド等のように、「ミックス」の文字が普通に使用されているから、それ自体自他商品の識別力が弱いものである。また、該構成中の「+」「プラス」も、「加えること。足すこと」の意味を有する親しまれた外来語であるばかりでなく、指定役務中の「飲食物の提供」との関係においては、提供に供する飲食物の中に、ある材料や成分を加えたものと容易に理解させる語であるから、それ自体自他商品の識別力が弱いものというべきである。そうすると、本件商標は、「MIX+」及び「ミックスプラス」の一連の構成全体によって自他商品の識別標識としての機能を果たすというべきである。
そうすると、本件商標は、その構成全体に相応して「ミックスプラス」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標より「プラス」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとはいえない。
また、本件商標は、「MIX+」及び「ミックスプラス」の一連の構成全体をもって一体不可分の一種の造語よりなるものと認識し把握され、特定の観念を生ずるものとは認められないから、引用商標1及び同2との観念について比較すべくもなく、さらに、本件商標及び引用商標1、同2の構成に照らして、外観において明らかに区別し得るものである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標1、同2に類似する商標であるとすることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る引用標章の周知性に関する証拠(甲第5ないし同第11号証。枝番を含む。)によれば、日本語で店舗を紹介した記事は「FORM」と題する雑誌(甲第9号証)とブログ(日記形式の個人用サイト:甲第11号証の1ないし4)だけであり、他の証拠は、英文による申立人のホームページや英文又は中国語による店舗の紹介記事であり、これら証拠をもって、引用標章が、本件商標の登録出願時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。
また、引用標章1及び同2における上部の白抜きした部分は、上部と下部が接した「M」と「X」の欧文字と、その「M」の右側縦棒部分の真上に黒丸(●)又は白抜きの丸(○)を配したものであり、近時、商標を構成する文字を装飾あるいは図案化する傾向があることよりすれば、全体としてMとXからなる図案化された商標として認識されるというのが相当である。
そうすると、引用標章1及び同2における上部の白抜きした部分に接する需要者は、せいぜい「エムエックス」の称呼及び「図案化されたMとX」程度の観念をもって取引に当たるといえても、これより「MIX」の文字を想起し、「ミックス」の称呼及び「混ぜる」等の観念をもって通常、取引に当たるとはいい難い。
したがって、引用標章は、「ミックスプラス」の称呼のみを生じ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語よりなる本件商標と、その称呼、観念及び外観のいずれよりみても、類似するものではない。
そうすると、本件商標は、引用標章の周知性及び引用標章との類似性の程度からすれば、これをその指定役務に使用した場合、取引者、需要者が引用標章を直ちに連想又は想起し、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号について
本件商標は、上述のとおり、引用標章と類似するものではないから、本件商標の使用により引用標章の出所表示機能を稀釈化し、その名声を毀損させるおそれがあるものでもない。その他、申立人の提出の甲各号証によっても、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的に基づいて登録出願し、使用するものと推認し得る証左は見いだせない。
また、本件商標は、引用標章とは類似するものではないから、外国商標権者たる申立人の同意なく登録したものといわれる理由はなく、したがって、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがあるともいえない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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