Trademark Appeal Case
結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 判定2006−60009(T2006−60009/J6) |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第2677680号商標(以下「本件商標」という。)は、「HARVEST」の欧文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、平成1年5月9日に登録出願、同6年6月29日に設定登録され、その後、同16年5月11日に商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同17年6月22日に第9類「電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,調相機,回転変流機,配電用又は制御用の機械器具」とする書換登録がされたものである。
2 イ号標章
請求人が商品「ソフトウェア」に使用する標章として示したイ号標章は、別掲のとおりの構成よりなるものである。
3 請求人の主張
請求人は、「商品『コンピュータソフトウェア』に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しない」との判定を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)判定請求の必要性
請求人は、インターネットの自社ホームページに自社ソフトウェアのロゴマークとして、イ号標章を平成16年3月より継続して使用していたところ、本件商標の商標権者である被請求人から、本件商標とイ号標章は、密接に関係するとの理由から、イ号標章の使用停止の警告を受けた(甲第1号証)。
請求人は、イ号標章の表記においては、「JasmineSoft」と「Harvest」の文字とを一体的に表示している旨主張した(甲第2号証)。
これに対し、被請求人は、甲第3号証に示すようにイ号標章の表記においては、「JasmineSoft」と「Harvest」の文字の二段表記はもとより、「JasmineSoft」と「Harvest」の文字の間に1文字分の空白を入れることも、各語は分離した構成になるとの解釈であり、請求人は対応に苦慮しているところである。
よって、本件判定を求める次第である。
(2)イ号標章の説明
請求人は、平成16年3月より、インターネット上の自社ホームページにおいて、WEBアプリケーション開発ソフトウェアのロゴマークとして、イ号標章を平成17年12月14日まで使用してきた。該ソフトウェアは、ホームページより体験版ソフトウェアをダウンロードし、試用後、正式に購入する販売形態を採用しており、ホームページでの宣伝広告を主体とする商品である。
表示態様としては、「JasmineSoft Harvest」及びイ号標章の態様があり、いずれも、「JasmineSoft」と「Harvest」の文字とが独立して表示されることは皆無である。
(3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属さないとの説明
本件商標は、「HARVEST」の欧文字をゴシック体で横書きしてなるものである。他方、イ号標章は、赤色、黄色、グレーの3色の葉からなる図形と赤字で「JasmineSoft」の文字とその下に黒字で「Harvest」と記載し、図形を左側に配し、右側に文字を2段に表示したものであり、図形と文字を組み合わせて構成したロゴマークである。
請求人は、平成14年3月27日に商標「JasmineSoft」を出願、同15年3月7日に登録第4650221号商標として設定登録され、また、同16年3月23日には、商標「JasmineSoftHarvest」を出願、同年3月23日に登録第4815730号商標として設定登録されている。
そして、両商標とも出願当初より、一貫して自社ホームページを中心として種々の宣伝広告に「JasmineSoft」及び「JasmineSoftHarvest」を使用してきたものである。
したがって、イ号標章においては、請求人が商標登録している識別性のある「JasmineSoft」の文字が付加されていることは明らかであり、イ号標章は、請求人の登録商標「JasmineSoftHarvest」の権利範囲であることも明らかである。
また、本件商標とイ号標章の類似判断について、外観については、図形と「JasmineSoft」と「Harvest」の文字から構成されるイ号標章と「HARVEST」の文字のみからなる本件商標は、明らかに異なり、称呼においては「ジャスミンソフトハーベスト」と「ハーベスト」の称呼において異なり、観念においては、本件商標は、英語で「取入れ、収穫」を意味し、図形と文字からなるイ号標章は意味を有さない造語であるから、観念上も非類似である。
以上のとおりであるから、イ号標章は、本件商標の商標権に属さない。
(4)結び
よって、請求の趣旨のとおりの判定を求める。
4 被請求人の主張
被請求人は、「本件判定の請求は成り立たない。」との判定を求め、その理由を次のように述べている。
本件商標は、「HARVEST」の欧文字を書してなるものであるところ、「ハーベスト」と読まれ、「収穫」の語義を有する英語を大文字表記したものであることは、明らかであるから、「ハーベスト」の称呼及び「収穫」の観念が生じるものである。
一方、イ号標章は、別掲の構成よりなるものであるところ、構成全体から、特定の称呼・観念をもって常に一体不可分のものとしてのみ認識されるものとはいえないばかりでなく、構成中の植物の葉を表したと思しき図形部分は、特定の称呼、観念をもって親しまれているものとはいえず、小さく表された「JasmineSoft」の文字部分は、請求人の商号の略記、略称の「ジャスミンソフト」に通じ、請求人の取扱いに係る商品全部に共通して使用されるいわゆるハウスマークとして認識されやすいのに対し、看者の注意を強く惹くように大きく表された「Harvest」の文字部分は、特定の商品にのみ使用されるいわゆる商品マークと認識される場合も決して少なくないものと思われる。
そうとすれば、イ号標章に接する取引者・需要者は、それ自体看者の注意を強くひくように大きく表されている構成中の「Harvest」の文字部分のみをとらえて取引に資する場合も決して少なくないものとみるのが経験則に照らし相当である。
してみると、イ号標章は、構成中の 「Harvest」の文字部分に相応して「ハーベスト」の称呼及び「収穫」の観念をも生じるものというべきである。
また、本件商標の指定商品中には、イ号標章の使用に係る商品「ソフトウェア」と同一又は類似の商品が包含されていることは明らかである。
してみれば、イ号標章と本件商標とは、その全体的外観の相違を考慮しても、「ハーベスト」の称呼及び「収穫」の観念を共通にする類似のものというべきであり、かつ、同一又は類似する商品について使用するものであること明らかである。
したがって、イ号標章は、本件商標の商標権の権利範囲に属するものといわなければならない。
5 当審の判断
本件商標とイ号標章について検討するに、本件商標は、「HARVEST」の欧文字を書してなるところ、該文字は、「収穫、取り入れ」等を意味する英語であり、これより「ハーベスト」の称呼及び「収穫、取り入れ」の観念を生ずるものである。
他方、イ号標章は、別掲のとおり、大書された「Harvest」の欧文字とこれに比して小さく書された「JasmineSoft」の欧文字とを上下二段に書し、その左方に「Harvest」の「H」の文字に重なるように植物の葉とおぼしき図形を配してなるものであるが、該図形部分と文字部分は、それぞれ独立して自他商品の識別力を有するものである。さらに「JasmineSoft」の文字と「Harvest」の文字とは、その文字の大きさ、色彩に顕著な差異を有し、全体として特定の意味合いを形成する等、これを常に一体のものとしてみなければならない特段の事情も見当たらないばかりでなく、これより生ずる「ジャスミンソフトハーベスト」の称呼も11音と冗長にわたるものである。
加えて、「JasmineSoft」の文字部分は、請求人の商号の略称を認識させるものであり、構成中、顕著に表された「Harvest」の文字部分が、特に看者の注意を惹くことなども勘案すると、「JasmineSoft」の文字及び「Harvest」の文字は、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を有するものというべきである。
そうとすると、イ号標章は、構成中の「Harvest」の文字に相応して、単に「ハーベスト」の称呼及び「収穫、取り入れ」の観念をも生ずるものとみるのが相当である。
請求人は、インターネットの自社ホームページにおいて、Webアプリケーション開発ソフトのロゴマークとして「JasmineSoftHarvest」及びイ号標章などの態様で使用していたものであり、いずれも「JasmineSoft」と「Harvest」の各文字が独立して表示されることはなく、イ号標章は、請求人の登録第4815730号商標の権利範囲である旨主張しているが、イ号標章は、上記のとおり判断するのが妥当であるから、請求人の主張は採用することはできない。
してみれば、本件商標とイ号標章とは、外観において相違するとしても「ハーベスト」の称呼及び「収穫、取り入れ」の観念において相紛れるおそれのある類似の商標と認められ、かつ、イ号標章の使用する商品「ソフトウェア」は、本件商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものである。
したがって、商品「ソフトウェア」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものといわなければならない。
よって、結論のとおり判定する。
(別 掲)
イ号標章
(色彩については、原本を参照されたい。)
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。