sokuhyo

Trademark Appeal Case

宣伝文句の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−21892(T2003−21892/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「無農薬宣言」の文字を標準文字で書してなり、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第31類「生花の花輪,釣り用餌,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,うるしの実,未加工コルク,やしの葉」を指定商品として、平成15年2月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、本願商標の指定商品中には、野菜・果実も含まれており、これらは、無農薬野菜・果実と関係しているから、かかる指定商品に本願商標を使用しても、これに接する需要者は、商品の特徴等を簡潔に表す単なる宣伝文句と理解し、一種のキャッチフレーズと認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

請求人は、「無添加宣言」や「新鮮宣言」等の「○○宣言」からなる登録商標は多数存在するのに、「無農薬宣言」だけがキャッチフレーズであると判断される理由が理解できない、したがって、本願商標もこれらの例と同様に登録されるべきである旨主張した。

4 当審の判断

(1) 本願商標は、上記のとおり、「無農薬宣言」の文字よりなるところ、その構成中、前半の「無農薬」の文字部分は、例えば、農薬を使用せずに農産物などを栽培する方法を「無農薬栽培」と称し、また、そのような栽培方法で作られた野菜、果実及び米などを「無農薬野菜」、「無農薬果実」及び「無農薬米」などと称しているように、「農薬を使用しない」といった意味合いを有する語として広く一般に知られているものである。さらに、同後半の「宣言」の文字部分は、「ひろくのべ言うこと。個人や団体・国家などが自己の主張や考えを外部に表明すること。」等の意味を有する語(広辞苑第5版参照)として、上記と同様に、広く一般に知られているものである。そうとすれば、本願商標の構成全体からは、「農薬を使用しないことを外部に表明する」といった程度の意味合いを容易に認識させるものといわなければならない。

(2) ところで、近年、消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりから、スーパーマーケット、青果物店、自然食品店及びインターネットのショッピングサイト等には「無農薬」や「減農薬」等をうたった商品が並び、また、その種の商品は、野菜や果実はもとより、無農薬の環境で飼育された家畜及びその乳や無農薬野菜・果実等を原料とする乳製品、食肉、卵、大豆製品、菓子・パン、飲料及び調味料等の様々な食品にも広がり、消費者にとっても、「無農薬」及びこれに類する表示は、商品を選択・購入する際の一つの基準となっていることが少なからずあるというのが実情である。

(3) そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第31類「ホップ,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料」に使用する場合には、これに接する需要者は、上記実情ともあいまって、その商品又は商品の原材料等に農薬が使用されていないことを需要者に向けて表明(宣言)したもの、すなわち食の安全・安心をうたった一種のキャッチフレーズ的な語句であると理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるといわざるを得ない。

(4) 請求人は、過去の登録例を挙示して、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張するが、これらの登録例は商標の具体的構成や指定商品等において本願商標とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能を有するか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるから、これらの登録例に拘束されるものではない。

したがって、上記請求人の主張は採用することができない。

(5) ちなみに、「無農薬宣言」や「無農薬」に関しては、新聞記事又はインターネットの情報においても、例えば、次のような記事又は掲載情報を見いだすことができる。

ア 1992年3月18日付け日本農業新聞には、「[首都圏リポート]「自然派ネットワーク」野菜の完全有機栽培」の見出しの下に、「「私たちは農薬と化学肥料を一切、使いません」−−茨城県つくば市に本部を置く、全国規模の産直組織が野菜の「完全無農薬・有機栽培」を宣言した。...安全・健康食品を求める声は年々高まっているが...今回の無農薬宣言は、産直活用者(消費者)との信頼をさらに醸成しようというもの。...」との記載がある。

イ 1992年9月5日付け西日本新聞には、「有機作物を専門に販売、本渡市の「ひるから市場」 熊本」の見出しの下に、「...佐伊津町は昭和五十九年、農協が「有機・無農薬宣言」を打ち出し、現在約八十戸の農家が土壌消毒剤や化学肥料を使わない作物を都市部の生協、飲食店に産地直送している。...」との記載がある。

ウ 1996年4月8日付け日本農業新聞には、「「新商品」子ども向け無農薬ジュース」の見出しの下に、「キリンビバレッジは、無農薬リンゴジュース「トロピカーナ・オーガニックファームアップル」を発売。過去最低三年間、化学肥料、農薬を使用せずに栽培されたリンゴを使い、子ども向けの甘めの味にした。...」との記載がある。

エ 1996年8月8日付け西日本新聞には、「「産直市場ちとせ村」オープン、無農薬人気・久留米市 筑後」の見出しの下に、「...無農薬牛乳を使ったアイスクリーム、リンゴジュースや、農薬を使わないと栽培しにくいとされているイチゴ、お茶なども無農薬の品が売られている。...」との記載がある。

オ 1998年2月24日付け中日新聞には、「NEW商品 有機、無農薬しょうゆ イチビキ」の見出しの下に、「イチビキは、「有機無農薬丸大豆しょうゆ」を23日発売した。過去3年間、農薬や化学肥料を使わず、有機たい肥などで土づくりをした土壌で育てた有機無農薬丸大豆、有機無農薬小麦を一〇〇%使用し自然塩を使っている。...」との記載がある。

カ 1998年10月26日付け西日本新聞には、「[農漁食]ミニミニ情報=農業試験場を一般公開 ほか」の見出しの下に、「...無農薬卵を使ったどら焼き ひよ子(福岡市)は、無農薬野菜をえさに育てた鶏の卵を使った「地鳥玉子のどら焼き」を新発売した。...」との記載がある。

キ 「厳選米ドットコム」のウェブページ(http://gensenmai.com/shop/b85cd.html)には、「...今年のファームハウスは無農薬宣言健康で美味しいお米をお届けします。...今年は 無農薬宣言 農薬を使用しない栽培にしました。...」との記載がある。

ク 「オーガニック.com」のウェブページ(http://www.lovely-style.com/organic/niku.htm)には、「...「無薬育ち あんしん豚」は、完全無農薬で飼育された豚肉...」との記載がある。

してみると、これらの新聞記事又はインターネットの情報によっても、上記(3)の認定の妥当性を裏付けることができる。

(6) 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。