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Trademark Appeal Case

Zフォールディングユニットの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−10345(T2004−10345/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「Zフォールディングユニット」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成15年9月30日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、商品の記号、符号として一般に用いられるアルファベット1字の類型である『Z』の文字と、折りたたみ機能を有するユニットであることを認識させ、商品の品質を表す『フォールディングユニット』の文字を表してなるものであるから、このようなものを本願指定商品中前記文字に照応する商品(例えば、コンピュータプリンタ用の紙折り機、電子応用静電複写機用の紙折り機)に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

1 「Z」、「フォールディング」及び「ユニット」の語の有する意味について、辞書等によれば、以下の事実が認められる。

(1)「Z」の項に、「アルファベットの第26字、Z字形のもの。」等の記載がある。(株式会社三省堂 デイリーコンサイス英和和英辞典第5版1998年12月第9刷発行、株式会社研究社 新英和中辞典1999年第14刷発行)

(2)「フォールディング」の欧文字表記と認められる「folding」の項に、「折りたたみの、たたみ込みの。」等の記載がある。(株式会社研究社 新英和中辞典1999年第14刷発行)

(3)「ユニット」の項に、「単位、構成単位、ユニットシステムに使う単位部分。」等の記載がある。(株式会社岩波書店 広辞苑第5版1998年11月第1刷発行、株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典1998年1月第13刷発行)

(4)「ユニット」の欧文字表記と認められる「unit」の項に、「一個、構成単位、セット、(特定の機能を果たす)装置。」等の記載がある。(株式会社三省堂 デイリーコンサイス英和和英辞典第5版1998年12月第9刷発行、株式会社研究社 新英和中辞典1999年第14刷発行)

2 「フォールディング」の語が「折りたたみ」を意味する語として、辞典及び新聞記事情報に掲載されている事実。

(1)コンサイスカタカナ語辞典(株式会社三省堂1998年1月第13刷発行)の「フォールディング・ドア」(→アコーディオンドア)の項に「折りたたみ式のドア。」の記載がある。

(2)2004年9月22日付けの毎日新聞(岡山地方版26頁)に、「オレンジ色の建物が目を引くサイクルショップ。」として「定番の“ママチャリ”に加えて健康のために乗るライトスポーツ車2万9000円〜、人気の折りたたみフォールディングバイク9975円〜、ロードレーサーバイクなど種類も豊富。」の記事の掲載がある。

(3)2004年9月17日付けの朝日新聞(名古屋版朝刊24頁)に、「 ナイフは『シースナイフ』と『フォールディングナイフ』に大別されます。」として「フォールディングナイフは折り畳んで柄の部分に収納する仕組み。」の記事の掲載がある。

(4)2002年6月15日付けの朝日新聞(東京版朝刊61頁)に、「フォールディングバイクという言葉をご存じだろうか。最近人気の折りたたみ自転車で、小さな車輪が目印。もともと郊外でのアウトドア用に出回っていたが、最近は街の中の移動にもよく使われている。」の記事の掲載ある。

(5)2000年8月31日付けの朝日新聞(東京版夕刊6頁)に、「銀座の松坂屋・・・で扱う『フォールディングルーペ』は、倍率は10倍、直径2センチの折り畳み式ルーペ。レザーケース付きで4800円。」の記事の掲載がある。

3 「Z折り」の語が、新聞記事情報及びインターネットのホームページ情報に掲載されている事実。

(1)2005年6月21日付け日刊工業新聞(11頁)に、「リコーは20日、カラー印刷速度が毎分55枚のデジタルカラー複合機『イマジオネオC600プロ』を24日に発売すると発表した。」として「オプションで製本の自動処理や原稿のZ折りに対応。」との記事の掲載がある。

(2)1999年2月2日付け日刊工業新聞(8頁)に、「ミノルタは一日、折り目やZ折り、袋折りの三種類の紙折り機能を搭載でき、簡易製本までを自動化できる高速デジタル複写機二機種を三月から順次発売すると発表した。」の記事の掲載がある。

(3)1992年3月3日付け日刊工業新聞(8頁)に、「吉沢ビジネス・マシンズ・・・は、高速レーザープリンターにZ折り用紙を連続的に供給する連続フォーム自動供給システム『レーザーリンク』を発売した。」の記事の掲載がある。

(4)インターネットの「社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会」のホームページ中に同協会が「社団法人日本事務機械工業会」名で作成公表している「静電複写機用周辺機器の仕様書様式(JBMS−33−2001)(平成13年7月改正)」中の「付属書2(規定)「静電複写機用フィニッシャーの仕様書様式」の3.9中に「Z折り 折り様式のひとつで、折り可能な用紙の最大サイズ、最小サイズ、用紙の坪量(g/m)を記入する。」の記載がある。(http://www.jbmia.or.jp/hyojun2/upload-v3/archive/JBMS-33.pdf)

(5)インターネットの「KONICA MINOLTA」のホームページ中の製品紹介で「フィニッシャFN-7」の説明中に「モード」として、「ノンソート、ソート、グループ、ステープル、パンチ、中折り、中とじ、Z折り」の記載がある。また、「Z折りキットZK-2」の説明中に「FN-7/FN-115に装着することでZ折り処理とパンチ処理が可能です。」等の記載がある。(http://konicaminolta.jp/products/business/copiers/bw/di850/option.html)

(6)インターネットの「FUJI XEROX」のホームページ中の製品紹介で「Copy&Finisher」の説明中に「Z折りユニットE(フィニッシャーのオプション)」として、「Z折り(片袖折り):A4サイズの報告書にA3の大きな図面を入れたい時など、A3サイズをZ折りにして、A4サイズの中にとじこみ、一緒にホチキス止めできます。」の記載がある。 (http://www.fujixerox.co.jp/product/docucentre_1015s_1015/copy_finisher.html)

(7)インターネットの「RISO」のホームページ中の製品紹介で、「HC紙折りユニット(オプション)」の説明中に、「フィニッシャーにHC紙折りユニットを取り付ければ、Z折り(A3、B4)および内3つ折り・外3つ折り(A4)ができます。」等の記載がある。

(http://www.riso.co.jp/catalog/hc5500/hc5500hgm_03.html)

(8)インターネットの「Canon」のホームページ中の製品紹介で、「フィニッシャー・V1」の説明中に「トレイA・・・Z折り:20枚」の記載がある。また、「ペーパーフォールディングユニット・D1」の説明中に「折り方式/折りの種類・・・ローラ圧接折り方式/Z折り」等の記載がある。(http://cweb.canon.jp/imagerunner/production/speed/ir7105i/option.html)

(9)インターネットの「モリサワ」のホームページ中の製品紹介で、「RISAPRESS105」の主な機能の説明中に、「多彩な後処理工程を実現(Type-I)」として、「6種類の折りとパンチ穴処理が可能なマルチ折りパンチユニットを標準装着し、インラインで「中折り」「外三つ折り」「内三つ折り」「ダブルパラレル」「Z折り」さらにインラインシステムで初めての「観音折り」と6種類の折り加工が可能となっています。」の記載がある。(http://www.morisawa.co.jp/product/sys/risapress_105.html)

(10)インターネットの「RICOH」のホームページ中の製品紹介で「imagio Neo 602」の「OPTION」の「ソートからステープルまでを自動化するフニッシャー」の説明中に「*Z折り機能拡張時に必要です。」の記載がある。また、「imagio Z折りユニットタイプN12」として、「imagioフィニッシャーSR3VIに、用紙のZ折り機能を付加するオプションです。」の記載がある。(http://www.ricoh.co.jp/imagio/neo/602/point/point5.html)

4 上記1の(3)及び(4)の意味合いで、「ユニット」の文字を語頭及び語尾に付した既成語の例。

(1)コンサイスカタカナ語辞典(株式会社三省堂1998年1月第13刷発行)の「ユニット家具(→ユニット・ファニチャー)」の項に、「組み合わせ家具。」の記載がある。

(2)コンサイスカタカナ語辞典(株式会社三省堂1998年1月第13刷発行)の「ユニット・システム」の項に、「(家具・住宅・機械などで)単位組み合わせ方式。単位的に分割されているものを、目的や使用場所によって適当に組み合わせる方式。ユニット式とも。」の記載がある。

(3)広辞苑(株式会社岩波書店 第5版1998年11月第1刷発行)の「ユニット」の項中の「−・システム」に「単位組立方式。同種製品に共通に使用できるような単位(ユニット)を作り、この標準化された単位を組み合わせて完成品を作り上げる方式。建築・機械・家具などに応用。」の記載がある。

(4)コンサイスカタカナ語辞典(株式会社三省堂1998年1月第13刷発行)の「バス・ユニット」の項に、「浴槽のほかに洗い場や洗面台などを組み合わせ1つの単位としたもの。」の記載がある。

5 「Z折りユニット」の語がインターネット情報に掲載されている事実。

(1)インターネットの「FUJI XEROX」のホームページ中の製品紹介で「ホチキス/パンチ/中とじ製本/紙折り 後工程を含め高生産性を実現」として「「DocuCentre 1015S/1015」のフィニッシャー(オプション)には、・・(途中省略)各々、オプションのZ折りユニットを追加することで、Z折り、三つ折り(内/外)を含めた作業の自動化が可能です。」の記載がある。(http://www.ricoh.co.jp/imagio/neo/602/point/point5.html)

(2)インターネットの「モリサワ」のホームページ中の製品紹介で【主な特徴】中に「●充実のインライン製本機能」として「ステープル出力に折り機能が付加された・・(途中省略)また、パンチ機能を付加した「Z折りユニット」、中綴じ小冊子の・・・。」の記載がある。(http://www.ricoh.co.jp/imagio/neo/602/point/point5.html)

(3)インターネットの「KONICA MINOLTA」のホームページ中の製品紹介で「Sitios7085HV/7085」の説明中に「2穴パンチ、Z折りも自在。」として「2穴パンチユニットPU−108と2穴パンチ・Z折りユニットPZ−108もラインナップ。」の記載がある。(http://konicaminolta.jp/products/business/copiers/bw/sitios7085/s7085_05.html)

(4)インターネットの「RICOH」のホームページ中の製品紹介で「imagio Neo 602」の「OPTION」に、「imagio Z折りユニットタイプN12」の記載、及び「オフィスに便利なその他のオプション」として「インサートフィーダー/Z折りユニット装着時フルシステム」の記載がある。(http://www.ricoh.co.jp/imagio/neo/602/point/point5.html)

第4 請求人の意見の要旨

本願商標は「Zフォールディングユニット」であり、これを殊更、「Z」と「フォールディング」、「ユニット」の各構成語毎に分離する特段の事由は存在しない。

ましてや、証拠調べ通知書によれば、「フォールディング」の語は、「アコーディオンドア」、「折りたたみ式自転車」、「フォールディングナイフ」、「フォールディングルーペ」で使用されている証拠であって、拒絶理由で指摘されている「コンピュータプリンター用紙折り機」で「フォールディング」の語が使用されている証拠を何ら示していない。

「Z折り」の語の使用例を列挙しているが、本願商標には「Z折り」の記載はなく、してみれば当該証拠資料によって本願商標の認定に何ら影響を及ぼすものではない。

第5 当審の判断

本願商標は、上記1のとおり「Zフォールディングユニット」の欧文字と片仮名文字を、同じ大きさ、同じ書体で等間隔に横書きにしてなるところ、構成中の「Z」は「Z字形のもの」等の、「ユニット」は「構成単位、装置」等の意味をそれぞれ有する語であり、「フォールディング」の語は、上記第3の証拠調べ通知中の1(2)及び2(1)乃至(5)で通知した、辞典及び新聞記事情報の記載によれば、「折りたたみ」等の意味を有する語として一般に親しまれた語であると認められるものである。

そして、「Z折り」の語が、「電子応用静電複写機」の紙折り機能をあらわす語として普通に使用されている事実は、上記第3の証拠調べ通知中の3(1)乃至(10)で通知した、新聞記事及びインターネット情報の記載より明らかであって、さらに、「Z折りユニット」の語が「電子応用静電複写機」を取り扱う業界で普通に使用されている事実があることは、上記第3の証拠調べ通知中の5(1)乃至(4)で通知した、インターネット情報の記載のとおりである。

そうすると、「Z」、「フォールディング」及び「ユニット」の文字を結合して一連に表した「Zフォールディングユニット」の文字よりなる本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、全体として「Z型に折りたたむためのユニット(装置)」又は「Z折り用のユニット(装置)」の意味合いを有するものであると、容易に認識、理解されるというのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、例えば「紙をZ型に折りたたむ装置を備えたコンピュータプリンタ及び電子応用静電複写機」又は「コンピュータプリンタ及び電子応用静電複写機用の紙をZ型に折りたたむ装置」、に使用するときは、全体として上記意味合いを認識、理解されるにすぎないものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなけらばならないものであり、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある商標であるといわざるを得ない。

なお、出願人(請求人)は、上記第4のとおり、本願商標は「Zフォールディングユニット」であって、これを殊更、「Z」と「フォールディング」、「ユニット」の各構成語毎に分離する理由はない旨主張しているが、それぞれの語は一般に良く知られた、親しまれた語であるから、これに接する取引者・需要者は、これらの語より生ずるそれぞれの意味合いを直感的に認識するものといわざるを得ない。また、当審においては、上記のとおり本願商標「Zフォールディングユニット」全体について判断しているものであるから、この点に関する出願人(請求人)の主張は採用することができない。

また、出願人(請求人)は、上記第3の証拠調べ通知に対して、上記第4のとおり、本願商標中の記載には「Z折り」の語はないから、該語についての証拠資料は、本願商標の認定には影響を及ぼさない旨主張しているが、上記第3の証拠調べ通知における「Z」、「フォールディング」、「ユニット」の各語の意味と、取引上実際に証拠調べ通知のとおりに用いられている事実からすると、「Z折り」と「Zフォールディング」は、ともに「Z型に折りたたむこと」を意味する語であると認識されるものであることは、上記で述べたとおりであり、結局、全体として「Z型に折りたたむためのユニット(装置)」又は「Z折り用のユニット(装置)」としか認識、理解されないものであるから、本願商標を、その指定商品中の「紙をZ型に折りたたむ装置を備えたコンピュータプリンタ及び電子応用静電複写機」又は「コンピュータプリンタ及び電子応用静電複写機用の紙をZ型に折りたたむ装置」に使用しても、自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。よって、出願人(請求人)の主張は妥当でなく、採用することができない。

さらにまた、出願人(請求人)は、上記第3の証拠調べ通知に対して、上記第4のとおり「コンピュータプリンター用紙折り機」で「フォールディング」の語が使用されている事実はない旨意見を述べているが、本願商標を構成する「Zフォールディングユニット」の文字が取引上、実際に品質等を表示するものとして使用されていないとしても、上記のとおりの意味合いを認識、理解するに止まるものといわざるを得ないものであるから、この点に関する出願人(請求人)の主張も採用することができない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

したがって、本願商標が自他商品識別力を有しないとの趣旨をもって、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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